よみものサドル

Brooks B17を買ったけど後悔してる人っている?(海外掲示板の意見観察)

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何年も使っていなかったBrooksのサドル、また使ってみようかな? とぼんやり考えていたところ、海外掲示板で同社製品の使用感についての大きめのスレッドを見かけたのでご紹介します。

image from brooksengland

出典 Has anyone here who has bought a Brooks B17 saddle regretted it?(Brooks B17を買ったけれど後悔しているという人はここにいますか?)

予備知識:Brooks B17は同社製品の中で最も有名なレザーサドル。C15など「C」ではじまる型番の製品は、レザーではないカンビウムというシリーズ

目立ったコメントをピックアップしてみます。

  • B17はこれまで座った中で最高のサドルだよ。後悔はありません(16いいね)
  • 私はB17気に入っているよ。でもC15のほうがずっと好きだ(52いいね)
  • (上の人に)私も。B17, C13, C15と持っています。全部好きだけど、C15がお気に入りです(5いいね)
  • カンビウムは箱から出した時からすぐ快適だけれど、B17は時間が経つにつれてカンビウムよりもずっと快適になるというのが私の意見です(7いいね)
  • 後悔しています。ガレージにひとつあって、緑青が出てきています。私はツーリングバイクやシティバイクでも攻めすぎのセットアップで乗るのが好きなのかもしれません… それか身体が大きすぎるのか… それかサドル高が高すぎるのかな? サドルのフロントと後ろ側にある硬い部分が、不快なところに当たります(42いいね)
  • 私は体格の大きいライダーです… まあ重くて太っている者ですが、B17はただただきつかったです。B135(※スプリング付きモデル)を買ったら、馴染むまでやはり少しだけ時間はかかったものの、もう後戻りしません(3いいね)
  • (Brooksは長距離の慣らしが必要だという意見に対して)そうは思いません。私のは最初から快適でしたよ。クリームをたっぷり塗れば、快適でその後はさらに良くなっていくだけです(2いいね)
  • 私のも新品時から快適でした。少しゆるめて、クリームを塗って、あとは乗る(4いいね)
  • 私は後悔した派です。痺れが出てどうにもなりませんでした。あの有名な慣らし期間を耐え抜いていたら、きっと不能になっていたことでしょう。個々人の身体のジオメトリによるのだと思います、私には合いませんでした。見た目が確かにカッコいいだけに、残念です(15いいね)
  • Brooksサドルの見た目は好きなのですが、B17は自分には合わず後悔しました。それに、快適なライドができるようになるまでに何百kmもの慣らし期間で苦しむ必要はないだろう、と考えています。ただライドをしたいだけなのですから。All Cityの完成車に付いてきたサドルに戻してからは、もう文句はありません(12いいね)
  • Rivendellで20年間使ってきて、気に入っています。その上で言うと、アップライト寄りのポジションでうまくいくサドルで、攻めたポジションとは相性が良くありません。よりスタンダードなポジションに近いグラベルバイクには取り付けませんでした(10いいね)
  • この意見は不評になると思うけれど、Brooksのサドルは史上最も過大評価されてきた自転車パーツですよ。自分に合うサドルを使いなさい。Brooksはロードにも、持久走にも、MTBにも、グラベルバイクにも属しません。もしかしたらアップライトなシティバイクかビーチクルーザーには合うのかもしれません。Brooks最高、という人々がいますが、私の考えでは、彼らは自分に合ったサドルを探し続けたら他のサドルがもっと快適だと思うようになるはずです。このコメントに好きなだけバッドを押してください、しかし真実は真実なのです。悪かったね(90いいね)

有益そうな情報をまとめると、B17をはじめとするレザー系については

  • 長期間の「慣らし」は、最初にクリームをたっぷり塗っておけば短くできる?
  • 体重がある人にとっては慣らし期間がやはりツラいらしい(体重が軽い人は最初から相性が良い?)
  • 前傾が深いポジションになるバイクにはあまり向かない

ということは言えるのかな、と思いました。

筆者はむかしB17を最初に使ってみて、これはもう全然ダメだと思い、すぐにB17 Narrow Imperial(ナローの穴開き)に換えたら、そちらは大丈夫だったので数年使っていた記憶があります(相当前のことなのでうろ覚えです)。

現在主に愛用しているサドルはFizik Antares系で、何ひとつ不満がないのですが、ツーリング系グラベルバイクでレザーのBrooksを使っている方を海外掲示板で見かける機会が増えて、見ているうちになんとなくまた欲しくなってしまいました。

Brooksのレザーサドルは、サドルとしての快適さ、機能というより、もう見た目や雰囲気が好きだから買う、というものなのかもしれませんね。いわゆるロマン枠の製品(そして、それはそれで良いのです)。

Brooks B17のようなサドルが欲しいと思う人は、「レザー製品としての味わい」に興味を持っているのだと思います。性能面でも良い、と無理に正当化せずに、レザーでカッコいいから好きなんだ、ということで良いのではないでしょうか。

考えてみれば、経年変化で自分の身体にあわせて「馴染んでいく」タイプの自転車パーツは、他にはほとんどないですね(もしかしたら、まったくないのかもしれない)。

「慣らし期間」を「耐え忍ばなければならない辛い期間」と感じる人には、全く向かないのでしょう。慣らし期間=経年変化そのものを楽しめる(痛さも含めて)人向きなのかもしれません。ゴツゴツした感触もおもしろいと思えるかどうか。価値観の分かれるパーツなのは間違いないですね。

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著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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