ちょっと面白い戦いを見かけたので紹介します。最近、海外でBeta MTBという新しいメディアが生まれました。そのサイトのシニアエディター、Ryan Palmer氏が、主にロードバイカーやグラベルバイカーに向けたものと思われる、次のようなメッセージを公開しています。2021年1月30日に、姉妹サイトVeloNewsに掲載されました。
出典 Dear drop-bar riders: We see you and your adorable baby steps into gravel – VeloNews.com
ようやくわかってきたんだね…
これがもうマウンティングの極北とも呼べる内容になっています。
親愛なる巻きハンドルのかわいこちゃんたちへ
あなたたちが何をやっているかわかりますよ、私達はこれ以上ないほど幸せです。私達は実際、満足しています。模倣とはお世辞の最も真摯な形態である、という言葉があるじゃないですか。
あなたたちが成長して、新しいアクティビティを見つけつつあるのを誇りに思います。自転車に乗るということは、氷風呂に浸かりながら、最も自然由来のホエイプロテインをショッピングしながらStravaにアップロードするデータ以上のものだ、ということに気付いたんですね。
何年にもわたる心を麻痺させるような舗装路の苦しみのあと、あなたたちはついに荒れた土地に乗り込みました。トラックが通る道から離れ、あまり踏み込まれていない道に入ることにしたわけです。それはまだ道路ではあるのですが、まぁいいですよ、こうした物事には時間がかかりますから。
あなたたちのタイヤは今ではチューブレスなんですね、可愛らしい小さいノブも開発されつつありますね、それに私達の30年前のタイヤと同じくらいワイドになってきています。ディスクブレーキや短いステム、幅広のハンドルも揃いましたね。でもドロップハンドルのままですね、繰り返しますが、こういうのは時間がかかりますから。
あなたたちの何人かはライザーバーのドロップハンドルを使っていますね ーー これには私達は混乱させられます、でも可愛らしいとは思いますよ。大丈夫ですよ、そのうち到達できるでしょう。そしてお願いです、バイクをコントロールしたいと思ったら、私達はここにいるので安心して下さい。私達はだいぶ前からフラットバーを使っていますが、こいつはいいもんですよ。
冒険先の小さい小石を飲み込んでくれるサスペンションっぽいチャーミングなものさえあるみたいですね。うんとね、私達もサスペンションのことを覚えていますよ。30年くらい前だったかな…
グラベルが良いと思うなら、ダートを試さないとダメですよ。ロームの話とかまださせないで下さい。絶対気に入りますよ!ただ気をつけて欲しいのですが、マウンテンバイキングには本当の体力が必要です。私達が登っているような坂を乗るには、そのつやつやした鳥の脚に筋肉を付ける必要がありますよ。でもそれもいいものです、私達はあなたの後ろを走ってもいいですよ。私達は気持ち良い時間を求めているだけですから。
あなたたちの自転車が私達のと同じくらい良くなるまで、あと30年待つ必要があるんですか? 今日私達の仲間に入りましょう、小川にはあなたの名前が書かれたビールが入っていますよ。
そういう考えはゴミだ
さて、次は自称「怒れるアジア人」として著名なライター、James Huang氏の2月4日のコラム記事(CyclingTips掲載)からの引用です。
出典 JRA with the Angry Asian: It's time to cut out some cancer of our own – CyclingTips
マウンテンバイカーがグラベルライダーよりも何らかの意味で優れているという考えはゴミだ(ロードバイカー vs. グラベルライダーやリカンベント乗り、E-BIKEで自転車通勤する人、等々でもいい)。グラベルがロードよりも優れているという考えはゴミだ。誰もがリカンベントやトライアスリートをからかっているような現状はゴミだ。それは全部くそったれのゴミだ。そしてもしサイクリングに、この悪辣にモータライズされた、ますます非人間的なものになりつつある世界で生き残るためのゼロに等しい可能性があるのなら、我々はそういう考えを捨てる必要があるんだ。
上のJames Huang氏の記事では、自転車の世界におけるエリート主義やマウンティング気質、自分とは違う流派のサイクリストに対する嘲笑などが強い口調で批判されています。そしてこれは、記事中では全く言及されていませんが、最初に紹介したBetaのRyan Palmer氏のメッセージに対する批判を込めているのではないか、という意見をRedditで見かけました。
なるほど、この唐突な怒りのコラムはそういうことだったのか! それにしても、Ryan Palmer氏のメッセージは冗談っぽく書かれてはいますが、私もあまり気持ちの良いものではないと思いました。もしかしたら、MTB世界の人たちにはウケる内容なのかもしれません。
MTBの新しいメディアの宣伝として、ロードバイカーやグラベルバイカーの人たちもみんなこっち来て遊ぼうよ! というつもりで書いたのかもしれませんが、これは逆効果じゃないのかなと個人的には思いました。皆様はどう思われたでしょうか。これだと仲良くするつもりが喧嘩になりそうな気がするんですけどね 笑
また、もしこれがもし冗談でないとしたら、どこかの組織委員会会長を思い出してしまう内容です。
おい、なんだ君のそのサイコンは。Garminじゃないのか。
XOSS? フン… そんな安物… 実は俺も使ってるぞ! じゃ一緒に走りに行こう!
必要なのは、そういうことじゃないでしょうか。