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キャノンデールが完成車の組み立て拠点を米国に戻す計画を発表

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キャノンデールが完成車の組み立て拠点を米国に戻す計画を発表しました。Bicycle Retailerが報じています。

出典 Hage: Bringing Cannondale assembly back to US ‘just makes sense’

ジョージア州サバンナ港近くに新工場

  • (Cannondaleの親会社)Dorel Sportsは2年前からCannondaleバイクの組み立て作業を米国に移管する計画を立てていた
  • 同社は10月26日、ジョージア州サバンナ(港湾都市)近くの既存の施設をレンタルする計画を公式に発表した
  • サバンナ港から20マイル圏内にあるリンコン(Rincon)の110万平方フィートの施設は来年2022年の第3四半期に稼働開始し、自転車の組み立てを行う予定だ
  • 同社はペンシルベニア州ベッドフォードで組み立ての経験があり、サプライチェーンのコントロールを強化することによるメリットを理解しており、伝統的なモデルイヤー・タイミングからの脱却や、小売パートナーへの供給を安定させるといった現在の成長戦略と完璧に合致する
  • 同社は2010年にベッドフォードからアジアにフレーム生産拠点を移動し、2014年には組み立てもアジアに移管した。現在も米国向けの自転車はアジアで生産されている
  • リンコンでフレームも生産するかと問われると、同社は「あらゆる選択肢がテーブルにあるが、現段階で語れる話ではない」と答えた
  • Cannondaleは今後3年間で、米国とヨーロッパ市場における存在感を2倍にしようと計画している。オランダ・アルメロの新しいヨーロッパ工場は先月オープンしたばかりだ
  • この2つの工場が稼働することで、ヨーロッパでの流通量は来年第1四半期には3倍になり、米国で小売業者が必要とする組み立て時間の30〜50%削減を目指しているという
  • どちらの工場でも、完成車には100%再利用可能なパッケージが使用される
  • アメリカ生まれの会社として、組み立てを米国に戻せるのを嬉しく思っています。ブランドにとっても小売パートナーにとっても大変有意義なことです、と同社は語る

自転車産業のアジア離れは今後も加速?

コロナ禍で従来型サプライチェーンの脆弱さが露呈した結果、このキャノンデールのような動きが最近目立っていますね。下の記事でも紹介しましたが、ビアンキはカーボンフレームを含む生産拠点をイタリアに移行しようとしており、SRAMはTIMEペダル工場をポルトガルにオープン。フレームのほうのTIMEもヨーロッパ生産を全面に打ち出しています。

Bianchiがカーボンフレームを含む生産拠点をイタリアに移行 自転車の価格高騰とアジア撤退の動きは加速するか
イタリアのBianchi(ビアンキ)がカーボンフレームや完成車の生産拠点をアジアからイタリア本国に戻す計画を発表しています。road.cc等が伝えています。 出典 Bianchi invests millions in bringing p...
SRAMがポルトガルにTIMEペダルの工場をオープン 将来的にはハブやホイールも製造
業績不振でブランドの身売りが続いていたフランスのTIME。下の記事でもお伝えしたように、ペダルについては現在SRAM傘下のブランドとなっています。 そのSRAMがTIMEペダルを生産する工場をポルトガルに開設したそうです。 出典 SRAM ...
TIMEによる「私達はヨーロッパ産」というメッセージを読み解く〜ヨーロッパは広域ではなく局地となりつつある?
スポーツ自転車産業の未来を読む!(大袈裟)ミニ考察記事です。先日、TIMEがインスタグラムに考えさせられる投稿をしていました。画像には「ヨーロッパでのみ設計・製造される」という文言が見え、その上には欧州旗があしらわれています。これは個人的に...

フレームやパーツの生産についてはまだ当分はアジアが主役であり続けるとは思いますが、コロナ再流行のリスクもあるでしょうし、アジアでの人件費も上昇しています。現地ショップへの安定的な供給を目指したい欧米ブランドとしては、大きい設備投資を行ってでも新しい流通システムを確立することが急務となっているのかもしれませんね。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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