今年になってから欧米で完成車のセールが少し増えた印象がありました。しかしたしか先月頃、Canyonが完成車の割引セールを行った時、ベース価格がひっそりと上げられているじゃないか、という情報も目にしていました。完成車はこれから全体的に安くなっていくのだろうか… と思いきや、そううまくはいかないのかもしれません。
定価はアップ・パーツはグレードダウン
海外掲示板で次のようなスレッドを見かけました。
Canyon Neuron 6を眺めていたところ、新しい2023モデルが2200ドルから2600ドルに跳ね上がっていて、Shimano SLXからSRAM NX Eagleに変更されているのが気に入りませんでした。SLXはNXよりも良いという強い共通認識があるようですから。これはただの値上げ・インフレなのでしょうか、それともNXが改善されているということなのでしょうか? 2500〜3000ドルレンジのバイクでNX Eagle搭載モデルをいくつか見かけますが、1〜2年前はSLXだったと思います。今ではSX Eagleのものさえあります。
出典 What’s the deal with $2500-3000 bikes spec’d with SRAM NX Eagles
寄せれられたコメントからいくつかピックアップ。
- 基本的にシュリンクフレーションだろう、自転車産業スタイルの
- SX/NX組みの4000ドル以上のバイクを見たが、受け入れられない。スペシャライズドのことだ
- Santa Cruzもです。NXのHightower CRを買ったばかりなのでわかります。過去10年はXTを使ってきたのでかなりのダウングレードです。バイクは素晴らしいですけれどね
シュリンクフレーション、という言葉が出てきました。Wikipediaでは次のように定義されています。
シュリンクフレーションとは、小売りされる商品の価格は変わらないままその内容量がシュリンク(縮小)してゆく経済問題である。shrink(収縮)とinflation(インフレ)の合成語であり、インフレーションの形態の一つである。
…スーパーやコンビニで買い物をしていると、以前と比較して、パッケージはそのままなのに、内容量・数量が明らかに減少しているなどの例がある。中には内容量・数量が減少したにもかかわらず、逆に販売価格が上昇しているケースも見られる。
米国ではポテトチップスの「プリングルス」がシュリンクフレーションの例としてよく挙げられています。定価が上がって内容量も減っているそうです。下の写真では容器の大きさが違うのでわかりますが、容器の大きさはそのままにポテトチップのサイズだけ小さくなっているという、ステルスなケースもあるのだとか。
完成車では手頃な価格のモデルが少しづつ増えてきた印象はありますが、ハイエンドモデルは高止まりしたままパーツがひっそりダウングレードされる、というパターンがこれからさらに増えてくるのでしょうか。