ライト関連製品レビュー

キャリー・ザ・サン(CARRY THE SUN)というソーラー充電ランタンを自転車キャンプで使ってみた

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自転車キャンプで大活躍中のランタンをご紹介します。「キャリー・ザ・サン(CARRY THE SUN)」という製品で、使わない時はコンパクトに畳んでおけるほか、ソーラー充電なので電池不要な点が最大の特徴です。テント泊はもちろん、移動中の車両の個室などでも活躍すると思います。

キャリー・ザ・サン(CARRY THE SUN) ソーラーランタン

「太陽を持ち歩こう」というネーミングのこのランタン、スモールとミディアムの2サイズがあり、それぞれにウォームライト版・ブライトライト版などがあります。本記事では私が使っている「スモールのウォームライト版」をレビューしていきます。

ソーラー充電のみの割り切った仕様

スモールサイズ・ウォームライトの重量は公称57g。実測してもきっちり57gでした。展開時に約9cmx9cmの立方体になるランタンとしては驚くべき軽さです。ソーラーパネルの下に6個のLEDが円周状に並んでおり、白いビニール製の筐体が光を増幅する仕組みです。

キャリー・ザ・サン(CARRY THE SUN) ソーラーランタン

モードは「弱・強・点滅」の3つ。直射日光に6時間さらすとフル充電状態になり、公称駆動時間は「弱」で13時間、「強」で10時間とされています。Garmin Edgeのソーラー版同様、曇天ではあまり充電できないらしいのでライド中は日の当たる場所を考えて携帯する必要があります。出発前は家のベランダなどに置いておきあらかじめ充電しておきます。

筆者の自宅でのテスト時は、「強」モードでも10時間以上の駆動を確認しています。自転車キャンツーでテント泊する場合、私は10〜11時には消灯して寝る努力をするので、日没から5時間ももってくれれば十分です。連泊時は、翌日のライド中に自転車に雑に取り付けておきます。

なおUSB充電はありません。あったらさらに便利かもしれませんが、するとより複雑なメカで重くなって値段も高くなるでしょうし、ソーラー充電のみというミニマルなこの方向性で良いのだろうと思います。

ボディにはおりたためるように小さい空気穴が1ヶ所明けられていますが、そこ以外からは水は入らないように見えます。ただし防水性能は不明。

どんな用途に向くか

このランタン、もともとはテント内で文庫本をもっと快適に読めたらな、と期待して買ったのでした。しかしその目的からすれば、微妙な製品でした。本は「強」モードでも快適に読める感じではありません(ちなみに「強」と「弱」はあまり大きい違いがないように感じられます)。

ソーラーパネルでない面を下にして誰かが本よりも5cmほど高いところに持っておいてくれれば読み続けられそうですが、そんな人はいないので、これで本を読むには工夫が必要になりそうです。

キャリー・ザ・サン(CARRY THE SUN) ソーラーランタン

しかし地図や観光用パンフレットを眺めたりする用途としては、十分使えます。手でこのランタンをつかんで紙の上を移動させる必要はありますが、地図の等高線も細かい字も見えます。

ボディの補強材と思われる内部のメッシュ状の模様のために、まだらな光が漏れてきます。よく言えば間接照明的な、ムードのある光線になります。逆にこのせいで文字や地図などは若干読みにくくはなります。ただ、慣れると気にならないレベルではあります。

キャリー・ザ・サン(CARRY THE SUN) ソーラーランタン

ちなみにこのランタンに限りませんが、白いビニール袋に入れると光が増幅されて、文庫本でもだいぶ読めるようにはなります(透明なボトルなどを近くに置いておくだけでも効果があります)。

このランタン、好みの照射範囲を得るためには置き場所・置き方が肝心で、たとえば床に置いた地図などを読みたいのなら、少し高い台のようなものに置いたほうが良いです。ソーラーパネルを上側にするか・下側にするかでも、光の洩れかたが変わってきます。

何かを凝視したいときは、手でガバッと持って近づければ良いだけ。雑に扱えて、雑に良い仕事をしてくれる便利なランプという感じです。

テント内のフックにぶら下げておけば、良い雰囲気で照らしてくれます。見上げるとまわりは暗く見えますが、床の荷物はぜんぶバッチリ見えています。

キャリー・ザ・サン(CARRY THE SUN) ソーラーランタン

簡単に手に取って歩けるので、トイレに行く時にも持っていけます。テントの前庭にポンと置いておくと目印にもなりますし、暗いなかでクッカーを使いたい時にも活躍します。点滅モードもあるため、自転車のハンドルバーに付けておけば緊急時にも使えるでしょう。

ミニマルなのに大活躍

日中の移動時には充電する必要があるわけですが、ソーラーパネルと反対側の底にもビニールのハンドル(ループ)があるので、そこで自転車の適当なところに接続すれば良いです。下の写真ではハンドルバーバッグのベルクロテープにループを通した状態です。バックパックのストラップやカラビナにも付けられますし、工夫してヘルメットの上に付けたりもできるかもしれません。

キャリー・ザ・サン(CARRY THE SUN) ソーラーランタン

ライド中は太陽の位置を考えてたまに移動させたりしています。

あらかじめ自宅で充電しておけば、ぺしゃんこに潰してバッグの中に入れておけます。携帯性が非常に良い。文庫本をフリーハンドで1時間読むのには向かないですが、先にも書いたように旅行ガイドや地図をしばらく眺める、という感じならストレスはありません。テントの中全体がほんのり明るくなるとリラックス度も上がります。

耐久性はまだわかりません。このランタン以外に登山用ヘッデンや自転車ライト(ビニール袋に入れて室内灯としても使う)も携行していますが、最近はこのキャリー・ザ・サンだけで済んでしまうことがほとんどです。最初はサブとして使いはじめたほうが良いでしょう。

サイズは筆者のスモール以外にミディアムもありますが、割り切って小さいのにしました。使ってみて、ミディアムでも光量は大きくは違わないんじゃないかなという気はしました(推測)。

また、ウォームライト版とブライトライト版で悩みましたが、ウォームライトでもブライトライトに近い色、というレビューを目にしていたので温かみのあるウォームにしてみました。私にはこれで正解でした。

ランタンそのものとしては、完璧な製品ではないでしょう。しかし「超ミニマルなランタン」としてはかなり優秀。筆者の自転車キャンツーではもはや欠かせない一軍アイテムになっています。今年買ったものの中では、間違いなく上位に入る製品です。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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