よみもの

ローケイデンスのほうが調子良く走れるのですが、これは改善しないといけないことなのでしょうか?

ロードサイクリングに関する素朴な疑問、という感じのミニ話題です。「私はローケイデンスの時のほうが調子が良いのですが、ハイケイデンスも練習しないといけないんでしょうか?」という質問を海外掲示板で見かけました。

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私は競技系のランナーで有酸素運動の大きいベースがあり、サイクリングをはじめたばかりです。普通に良いパワーアウトプットはあるものの(最近はAlpe du Zwiftで3.5 W/Kgを55分間出しました)、自分の技術は悪いと感じています。

同じ出力を維持したまま、シフトダウンしてケイデンスを60〜65以上に増やそうとすると、いつも心拍数が上がってしまうのです。これは改善する必要があるでしょうか? それとも、人によっては低いケイデンスが体質に合っていることもあるのでしょうか?

出典 Most efficient at lower cadence (60-65 RPM), is this something to work on?

寄せられたコメントの中で評価が高かったものをご紹介。競技系のトレーニング経験のあるサイクリストの方のようです。

私が最後に科学的データを調べた時、60以上・100以下の範囲内であれば、効率的で理想的なケイデンスというものは決定できないという話でした。基本的に、ケイデンスは非常に個人的なものです。低いケイデンスを好むものすごいライダーを見てきましたし、より高いケイデンスを好むすごいライダーも、そしてもちろんそのあらゆる中間のケイデンスを好むライダーも見てきました。

低いケイデンスは一般的に、筋肉の力により多く依存するのに対し、高いケイデンスは心臓血管系により多く依存します。そのためケイデンスが高くなれば、心拍が高くなるのが普通です。それが意味することは、あなたが効率的でないということではなく、筋肉により少ない負荷をかけて、心臓血管系にはより多くの負荷をかけているということです。

私にはかつて素晴らしいコーチがいて、ハイケイデンス・ローケイデンス・中間ケイデンスのインターバルをさせられたものです。個人的にはローケイデンス、ミドルケイデンスが好みですが、ハイケイデンスに身体を慣れさせるのは悪い練習ではないと思います。(47いいね)

最近の事情は知らないのですが、私がロードバイクをはじめた頃はよく「ロードなら90rpm以上をキープできるようになろう」などと雑誌では言われていて、プロサイクリングの世界でもローギア・ハイケイデンスの選手がとりわけ脚光を浴びていたように思います。

そして90rpmというのは、ロード初心者で競技もやらない私にとっては大変でした。努力をしないレイジーなサイクリングなら、私もスレ主さん同様に60台(かそれ以下)のローケイデンスで走ることが多いような気がします。

しかし不思議なもので、たまに頑張って100rpmで数十秒でも回してみると、90rpmが比較的楽になる。120rpmでちょっとでも頑張ると、今度は100rpmも少しは楽になったりしますよね。たまに限界まで回してみるのも面白い体験でした(いまは全然やりませんが、むかし三本ローラーでそういうことをしたことがあります)。やればやっただけ上限は上がっていく感じがありました。

長年ロードバイクに乗られている方にとっては、何を当たり前のことを言っているんだ、と思われそうですが、スレ主さんのように別のスポーツから入ってきた方にとって「適切なケイデンス」というのはすごくわかりにくいことなのかもしれませんね。最近の傾向や、主流になっている理論・メソッドなどをご存知の方は、是非教えてください。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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