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ガチの砂地って自転車でどうやって走るんですか?【接地面の広さでトラクションを得る】

砂の上ってどうやって走るのがベストなんだろう、と考えるようになりました。砂が薄く振りかかっているような路面ではなく、埋もれるような深い砂がずっと続くような状況です。極低圧にしたグラベルタイヤ、IRC BOKEN PLUS 650x47bでは、この日まったく話になりませんでした。

bike on beach

走るとか滑るとかいうレベルではなく、溺れていました。陸なのに溺れる。それが砂というやつなのか… セミスリックのグラベルタイヤで無理なのは致し方ないとしても、ノブの高いMTBタイヤでもうまく走り続けられるイメージを持てませんでした。こういうところを走ることが主な目的ではないので良いのですが、少し気になるところです。

bike on sand

基本はファットバイク

調べるうちに「砂の上はどうやって走るんですか」という海外掲示板のスレッドを見つけました。

出典 How do you ride on sand?(2022年頃のスレッド)

  • (スレ主さん)私が走っている田舎のダートは、夏の大部分はトラクターの往来と天気のせいで砂のトラップになってしまいます(…)こういう砂道を効果的に走る方法はあるのでしょうか、それとも「溺れる」かわりにこういう箇所は歩くしかないのでしょうか? 2インチタイヤのそのへんにあるMTBに乗っている者です
  • 砂と雪、そのためにファットバイクが存在しています(9いいね)
  • 新車を買う余裕がないなら、砂に向いているタイヤで、履かせられる限りの太いものを選んで、リム打ちパンクしないギリギリの低圧にするなど、やれるだけのことをやってみるのもいいでしょう(5いいね)
  • もしそのライドの全体が砂なら、乗っているバイクが間違っていますよ。もし砂のセクションが短くて少しだけなら、基本的にたくさん練習すれば良いです。砂地でのライドについてのシクロクロス動画をYouTubeで探してみましょう。モメンタムと、ペダリングを続けること、リラックスして(stay loose)バイクが自分の下で動くようにします(6いいね)
  • 私はドライな柔らかい砂地は避けるようにしています。乗るのは難しい表面です。砂地での走行が想定されているエンジン付き車両には、特殊なタイヤが使われています。フロントには操舵するためのフィンがあり、駆動側のタイヤには、(砂を)つかむためのスクープがあります。自転車はこういうバカげた状況には向いていません。濡れた砂は別で、かなり固くなっている時があります(2いいね)
  • 私が砂の上を走るとしたら、シングルトラックでのみですね。短いサンド・トラップを少しだけ。素早くこなせたら、グラベルバイクでも通過できます。ただ倒れないように頑張りはします。広い砂のエリアに出くわしてしまい、何らかの事情でそこを通過しないといけない場合、あるいはそこにしばらくいる場合は、乗っているのがMTBなら必要なだけ低圧にします。少し固い路面に戻ったら、ビードが外れないように空気を入れて戻します(2いいね)
  • 経験豊富なシクロクロスのプロレーサーでさえサンドセクションは避け、降りて通過することがあります。ああいう地形を自転車で走り続けるのはかなり大変です。ファットタイヤなら対応できますけれども(2いいね)
  • 短いサンドセクションのあるレースに限っていえば、2.2インチタイヤのMTBなら走れるとは思いますが、全然楽しくはないでしょう。ビーチをクルージングしたいなら、ファットバイクを選ぶことになります

基本はファットバイク推しのようです。一時的にやむなく通過する場合はとにかく空気圧を下げてトラクションを上げて対処する(コントロールは独特なものが要求されるようです)。しかし楽しむなら極太タイヤのファットバイク、ということになるのでしょう。

そうか、こういう自転車だな。Surly Ice Cream Truck。タイヤは26×4.8。お値段1999ドル。もう少しトレイルライド寄りのWednesdayというモデルもあるようです。

Surly Ice Cream Truck

image from surlybikes.com

「ファットバイクって一体何のためにあるの?」というスレッドも眺めてみましょう。

出典 Fat bikes, what is it all about?(2019年頃のスレッド)

  • (スレ主さん)私がいる都市では本当に太いタイヤの自転車を多く目にします(北インド)。このトレンドはいったい何なのでしょう?トラクションのせいで(※原文ママ)これでサイクリングするのは本当にきついだろうと思います。たぶん唯一のアドバンテージは、タイヤが衝撃を吸収してくれてちょっとだけ快適、ということでしょうか? でも衝撃が本当に心配なら、まともなサスペンションのあるMTBを私なら選ぶと思います。なぜ人々がこういうファットバイクに向かうのか理解できません
  • (ファットバイクは)深い砂や雪には良いのです。見た目がクールだからと街中でも乗る人たちもいます(47いいね)
  • アーノルド・シュワルツェネッガーがファットバイクに乗っている写真を最近見たよ(6いいね)
  • NYCでは電動ファットバイクを多く見かけるようになりました。でも正直かなりバカみたいです(11いいね)
  • ファットバイクが私のメインバイクです。通勤やあらゆるトレイルで29×3のホイールセットを使い、雪のトレイルでは26×4.5のセットを使います。大径と大ボリュームのおかげでビロードのような乗り心地で、トレイルや道のガタガタを飲みこんでくれますし、低圧での広いトレッド接地面からは、しまりがなくユルユルな路面で信じられないようなトラクションを得られます(8いいね)

砂と雪ならファットバイクがいいよ、という感じですね。筆者は東京都心部住まいであるため雪上を走る機会が皆無で、冒頭の写真のような砂地も滅多に走りません。そうでなければ、是非1台欲しいところです。北海道・東北・北陸などで愛用されている方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。

余談ですが上のコメントにもあるように、都内だと電動ファットバイクを見かける機会がかなり増えました。MATEというメーカーのものをよく見ます。都市部で使うのはオーバースペックなのかもしれませんが(バカみたいとは思いませんけれども)、地震災害で道路が液状化した場合などは、わりと活躍するのかもしれない、と思ったりもしました。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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