ローライダー(low rider)と呼ばれる、低重心のフロントラックを長期使用してきて気付いたことについて共有したいと思います。筆者はここ数年TUBUSというドイツメーカーの”TARA”というフロントラック(極太タイヤ対応の「ビッグアップル」というバージョン)を愛用しています。これに大小様々なパニアバッグを掛けて自転車旅行したり、ちょっとした買い物などでも使っています。
このローライダーと呼ばれるラックは、重心を低くすることが目的です。リアもフロントも、荷物の重心は低いほうが安定的かつ快適に走れます。ラックにレールが2段ある場合、上段と下段とで比較しながら走ってみるとよくわかります。パニアバッグは低い位置にかけたほうが個人的に気持ちよく感じます。地面に吸い付くスポーツカーの走りのような感覚です。
しかしバッグが低い位置に来ることによるデメリットもあります。それは単純に障害物に弱いということです。
場合によっては車道と歩道の間の縁石や、駐車場にあるようなクルマ止めの石、道路脇のポール等にバッグを擦り付けてしまうことがあります。お前は何を当たり前のことを言っているんだ、と思われるかもしれませんが、頭でわかるのと身体で覚えるのとは別の話で、慣れないとぶつけます。慣れていても、バッグの荷姿がいつもと違うとうっかり引っ掛けたりします。
ローライダーでパニアバッグを使っていると、バイクパッキング派に人気の「フォークパック」の存在意義を理解することになります。容量は少ないものの、重心もそこそこ低く、外側への張り出しも少なく、自分の脚の外側に出るようなことはないので左右の何かにぶつけることも下の何かに擦ってしまうことも少ない、非常に優れたニッチ製品だなと思います。
ローライダーラックは都市部や舗装路中心のアーバンツーリングでは特に快適なものだと思いますが、廃道の先にあるシングルトラックに迷い込んだりすると草木にひっかかって前進不能になったりします。引き返せるなら良いのですが、引き返せない場合は困ります。そういう弱点があります(これはリアパニアも同じですが)。
ただ、下側の何かにあまりぶつからないようにしたいだけであれば、フロントラックにはレールが2段以上あって上のほうにバッグを掛けられる製品もあるので、そういうものを選ぶのも良いように思いました。下のリンク先のBlackburnのラックなどがそういうシステムです。
ならいま使っているTUBUS TARAから私がそうしたものに買い替えるかというと、今のところそこまでする予定はありません。増車する時はフロントも多段式のものにするかもしれませんけれども(ついでにプラットフォームと呼ばれる天板のあるモデルを選ぶと思います。旅行の時に便利なので)。
アドベンチャー系のグラベルライドが多い方は、フロントの荷物はフォークパックのほうがベター、オルトリーブのグラベルパックといった小ぶりなパニアを使うならやや高い位置に「も」掛けられるレールのあるラックを選んだほうが良いかもしれないですね。













