秋〜春にかけてのやや強度の高いサイクリングだけでなく、そのままハイキングに移行しても快適に使えるバックパックはないものか… つまり「BIKE & HIKE」で使いやすそうなバッグはないかと吟味した結果、Osprey(オスプレー)の「Hikelite(ハイクライト) 26」というややマイナー?な製品に辿り着きました。半年ほど使用した感想をご紹介します。
ハイキング対応のDeuter Airのようなバッグはないものか…
バイク・アンド・ハイク活動で使うバックパックに筆者が求めていた条件は、「背中が快適であること・十分な容量が確保できること・軽量であること・レインカバー付属」の4つでした。カメラやクッカーのような固いものが背中側に来てもゴツゴツとせず、背面メッシュパネルで通気性もあればなお良し…
するとサイクリストとしてはドイターの「Air」と付くモデル、Race AirやRace EXP Airがまず候補に上がります。愛用者も多く、筆者も過去に使っていたことがあり、どちらも良品ではあるのですが、容量10〜14Lと収納量がやや少なめなのがネックでした(※日帰り輪行サイクリングに限って言えば十分な容量ではあります)。
ドイターのAirシリーズに近い快適さで、軽登山でも何とか使える20〜25L程度の容量の軽量バッグはないものか、考えた結果選んだのがOsprey Hikelite 26です。
背面には両サイドに丈夫なフレームが通っていて、メッシュパネルがあります。これは期待通り、登山口までのアプローチ・ライドでもハイキング中でも快適な仕様です。
難点を挙げるとしたら、平地に置いた時に自立しづらく(後方側に倒れがち。ただしトレッキング・ポールを両サイドに入れると安定する)、輪行時に電車などで膝の上に置くとフレームの下端が脚に当たって気になるところ。背負っていない時はやや不便。
日帰りマックス活動でも十分な容量
しかし公称26Lの容量は十分で、メイン荷室には輪行セット・クッカーと食料・カメラ一式・水1Lのペットボトルがちょうど良く入ります(こんな荷物を背負って山サイクリングする人は少ないかもしれませんが…)。外側のポケットにはスマホ・財布・鍵・熊鈴などの小物を入れています。
両サイドのメッシュポケットは地図や補給食等の軽量なものを入れる想定の造りですが、500mlのペットボトルも入れて使えています(しかし伸びてきたので長期的には破れそうな気も)。
背面には適当にモノを突っ込むための「Shove it(ショービット)」ポケットがあり、ウィンドブレーカーやレインウェアを入れるのに便利。ヘルメットはこのポケットには入りませんが、外のストラップに引っ掛けられるので問題なし(ハイキング中は落石が心配な岩場でもない限りヘルメットは自転車に付けて行きますが…)。
最大3Lのハイドレーションシステムにも対応しており、私はオスプレイ純正の1.5Lタイプを併用することもあります(ホースがマグネット式でチェストストラップに付けておけるので便利)。
ドイター同様にレインカバーが付属します。特筆すべきはバッグの重量が740gと、背面湾曲フレーム・メッシュパネル仕様としては最軽量な部類に入ります。生地はボトムのみ500デニール、それ以外の部分は100デニールとかなり薄手ですが、簡単に破れそうな感じはしないです(比較的小さいこともあり、藪の中で枝に引っかかることがそもそもない)。
少し残念なのはウェストベルトの小物入れがないこと。同じオスプレイの「テンペスト」シリーズ(日帰りハイキング向き)にはそれがあるのですが、軽量に仕上げるために切り捨てた部分なのでしょう。ウェストベルト自体が細くペラペラで、想定している積載量は5kg以下かなという気がします(いわゆる「腰で背負う」タイプではありません)。
と、Osprey Hikelite 2は「満点」ではないものの、日帰りのサイクリングとハイキングを両立させるバッグとしては気に入って愛用しています。Deuter Air系の通気性と、背中へのストレスの少なさ、十分な荷室を兼ね備えているバッグとしては結構珍しい製品だと思います。背面パネル付きで20L以上のモデルを探すと、大体1400g近くになる製品が多いのです。
国内流通量はあまり多くありませんが、バイク・アンド・ハイク向きのバックパックを検討中の方は選択肢に加えてみる価値はあると思います。
余談:ハイキングではどんなバックパックが人気?
ところでサイクリング界で最も支持されているバックパック、と言えばやはりドイターになりますよね。ほぼドイター一択、みたいなところがあります。
しかしハイキング中にドイターを愛用されている方を見かけることは少なく(アルパイン・クライミングのような本格登山では別かもしれません)、筆者の印象では多い順にモンベル・ミレー・その他… というシェアかなと感じます。「その他」はカリマー・オスプレー・マムート・グレゴリー・ノースフェイス・サロモン等(これらは順不同)。
ジャンルが違うと見かけるブランドも全く違うのが面白いなぁと感じます。