先月「翌日のサイクリングに必要な用品類をあらかじめ並べておいて、朝起きたら何も考えずにすぐに出発できるようにするための棚を作る」というアイデアをご紹介しました。その後、自転車用品の棚の上に「自転車キャンツー用品コーナー」を新たに増築したのでご紹介します。
▼ 本記事は下の記事の続編となります。未読の方はまずこちらからどうぞ↓
フロアのご案内
こちらが当店の新フロア(2F)でございます。自転車キャンプツーリング・登山用品各種を取り揃えております。植物やノートパソコンを置いたりもしているのですが、基本的にキャンツー用品(特に小物)を置いています。これも「次の旅に持っていくものをすぐ取り出せるようにする」というコンセプトです。1Fにはこれまで通り「普段のサイクリングで使うもの」を陳列中。
この2Fの床に使用した木材は「キハダ」といいます。これもCBN Blog協賛企業の木の店さんもくさんでゲットしたものです。木の店さんもくは岩手県一関市を本拠とする無垢板・銘木・和風建築材の専門店で、魅力的な一枚板を多数取り揃えています。棚やテーブルを自分で作ってみたいという方は、ぜひオンラインショップを眺めてみてくださいね。
このキハダ、木目がすごくないですか。私はIKEAのようなインダストリアル・テイストの家具も大好きなのですが、それとは対極的なこうした「剥き出しのいびつな木の板」が最近とても好きになり、家の家具はほとんどこういうものに更新してしまいました(たぶん「自然」に飢えているのだろうと思います。東京はすごく便利なのですが、生活はつまらない。田舎に引っ越したい)。
これらの棚板は完成品ではなく「自分で仕上げる」タイプの荒木材なのですが、キハダというだけあって外皮を剥ぐと真っ黄色な肌が出てきて面白かったです。
耳に虫食いの痕が見えています。もっときれいに仕上げることもできるのですが、私はむしろこの虫食い痕を眺めていたいので、きれいにしすぎないよう、ほどほどに整えるに留めました。
退屈な都会暮らしをしていても、この棚を眺めていると山や森の空気や、そこを走り回った思い出が少し甦ってきます。
同じ棚を夜に撮ってみました。普段モノを置いていると木目が隠れてしまってもったいないのですが、どうでしょう、すごくいい板だと思いませんか。
このギラギラとした木目もたまりません。レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジが弾いていたギブソン・レスポールのトラ目のようだ(何の話かわからないという読者の方のほうが多いかもしれない)。こう見えて、これは塗料ではなく植物油を塗っただけです。紙ヤスリで磨いて油を塗るだけで、こんなに素晴らしい色味になります。
寝袋や折りたたみテーブル、折りたたみ椅子といった大きめの用品は別途コンテナに収納していて、この棚にはコンパス・虫除けスプレー・ライト・調理器具・トイレタリーといった小物を中心に並べています。棚の上には、自転車キャンツーや登山中に撮った写真からお気に入りを厳選して、写真店でパネル加工してもらって飾っています。
10年以上使っていないMacbook Airが転がっていたので、主に天気や地図をチェックするために2Fの真ん中に置くことにしました。この棚は単なる物置きとしてだけでなく、これまでの旅を振り返ったり、これからの旅を計画する立ち机にもなっています。
2F制作時の様子
この「自転車キャンツー用品コーナー」を制作した時の様子を少しだけご紹介します。鬼皮、と呼ばれるものすごくゴツい皮が板の両側に付いていて、片方はそのまま残し、もう片方は剥いで仕上げることにしました。
本当はノミのような工具を使ったほうが良いと思いますが、私はキャンプでたまに使うモーラナイフだけで作業しました(ナイフの扱いに慣れていないと危ないのでおすすめはしません)。
皮をどのくらいまで剥いでいくか、少し悩みました。この黄色、すごくないですか。でもきれいに残すのは難しかったりします。
このDIYシリーズの板は、何をどこまでどう仕上げるかは全部自分のセンスで決めていくので、それが面白いところです。○Nmで締めます、みたいな概念が全く通用しない「いい加減」が支配する世界です。取説などもなく、抽象的な知識よりも、経験・スキル・身体感覚・勘がより重要になる作業で、どことなく自転車キャンツーのノウハウに通じるものがあるようにも思います。
二階建てにすることで弊社ビルの倒壊リスクが高まったため、1Fのネズコとアイアン脚をPCモニター用クランプで共締め・固定しました。ちなみに2Fのキハダのほうが1Fのネズコよりやや重さがあるので、重心バランス的にはキハダを1Fにしたほうが良かったのですが、モノを載せる幅がキハダのほうが狭かったので今回は2Fで使いました。
そのへんで手に入れた木材を1Fと2Fの繋ぎにしています。
読者の皆様もこういった棚を作ってみたいと思われたら、是非木の店さんもくのオンラインショップをチェックしてみてください。今月は11月21日(木曜)の0時から1週間にわたって大型セールが開催されるそうです。
木の店さんもくにはこうした収納棚・飾り棚に向いた狭くて細長い板のほかにも、PC机・書斎机・ダイニングテーブルとして使える大きい板もたくさんあるので、工業製品とは違うテイストの机やテーブルが欲しいな、と思った時に是非眺めてみてください。DIY好きな方には「自分で仕上げる一枚板」というラインナップがおすすめですが、仕上げ済みの美しい完成品もたくさんあります。