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愛される自転車ショップになるためにはこの3つを考え方を捨てる さらに、ある1つのことを行う

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地元の自転車ショップでこんな嫌な体験をした、という主旨のスレッドを海外掲示板で見かけました。自転車ショップに限らず、どうすれば「物販またはサービスの良いお店」を経営できるのだろう、と悩まれている多くの方の参考になりそうな気がしたので、ご紹介します。

出典 Do you guys have any terrible experiences with your local bike shop?(地元の自転車ショップでひどい経験をしたことはありますか?)

以下スレ主さんの投稿と、支持率の高かった長めのコメントを2つピックアップしてみました(強調部分は筆者)。

  • (スレ主さん)自分が住んでいる地域のとある自転車店で経験したことをお話したいと思います。そのお店にはそんなには行かないのですが、いま乗っている自転車はそこで買いました。ある日、新しいクランクセットを求めて自転車店巡りをしていた時このお店に立ち寄ったところ、メカニックが話しかけてきました。私は大柄で体重が重いのですが、体重を落とすためにサイクリングしているのですか? と聞いてきました。私は「いや〜別に、楽しむために乗っているだけです(I’m like nah, Just for fun.)」と答えました。すると彼は、普段どこ走っているの、と聞いてきました。町を流しているだけです、と答えました。するともっと遠くまで走っていくべきだ、もっと登るべきだ、町中を走っているだけだと良くない、などと言うのです。遠くに行くことはありますよ、いつもではないけれど、仕事もあるので、と伝えようとしました。しかし彼は私の言葉を遮り続けるのです。ビンディングを使うように、とも言いました。一体何なんだよ…という感じでした。私はアドバイスを下さいなんて一言も言ってもいなかったのです。追い込まないと体重は落ちないよ、とも言われました。確かに一理あるとは思いますが、私はアドバイスをくださいとは言っていないのです。(追記)普段は毎日20km走っています。仕事がない日はもっと遠くまで乗っています。その店員さんは私の外見から、そのように乗っている人だとは考えなかったのです。皆さんも嫌な経験をしたことはありますか?(262いいね)
  • ひどい経験をされましたね、自分だったらどんな気持ちになるか想像できます。サイクリングの世界には、いやあらゆるスポーツに共通かもしれないけれど、そのスポーツに参加する方法はただひとつしかないと考える小さいグループが存在するのです。しかし勿論サイクリングの素晴らしいところは、自分自身がハッピーになれるような方法で参加できるということなのです。私は他人からの評価は気にせず、ただ楽しむことを心がけています。その店員さんのような人たちは自分自身が精神的な問題を抱えているだけで、その一部をあなたにも負担させようとしているのです。そうさせてはいけません!(109いいね)
  • 自転車ショップにローラースケート用ヘルメットをかぶって出かけて行って(それしかなかったから)サイクリング用ヘルメットを買おうとしました。すると店員さんが見下したような口調で、私のヘルメットはガラクタみたいなものだから事故から守ってはくれないし、「(私が)おしゃれを大事にしている」のはわかるけど(私が女性だからとそういうことを言うのは最低だなと思いました)、本当に命を守ってくれるようなヘルメットを買わないといけませんよ、と言いました。だからこうやって店に来てんだろこのドアホ。結局このお店でヘルメットを買ったのをまだ後悔しています、他のお店に行くべきでした。めっちゃ外見で判断してきます。私のローラースケート用ヘルメットはローラースケートには完璧なのです。だから持っているのです。おしゃれだからではないのです。これはロンドンの〜というお店で…(以下、店名が入る)(97いいね)

これらの体験談に共通している要素は何でしょうか。少なくとも以下の3要素はありそうに思いました。

  1. 相手に対する思い込み・決め付け(この人は〜であるに違いない、という仮定。英語ではjudge, assume, judgemental attitudeなどと呼ばれる)
  2. 自分自身(と自分が所属するサイクリングコミュニティ)の自転車の楽しみ方が唯一の正解であり、それ以外の楽しみ方は間違っている・または劣っているというマインドセット(英語ではgatekeepingと呼ばれることが多い)
  3. あなたは無知だから知識と経験が豊富なこの俺様が親切にアドバイスしてあげよう、という心理・態度(英語ではpatronizing, condescending, mansplaining等と呼ばれる)

逆に考えると、そういうことをやめればお客さんがもっと増えてお店も繁盛するのではないでしょうか。また、逆に「どうするのが理想か」を考えると、

  • 相手を外見で判断しない。まず話を聞く。よく聞く。自分が売りたいものを売ろうとする前に、相手が何をなぜ買いたいと思っているのかをよく話を聞いて理解しようと努める。まずそこからスタートする
  • 自転車の楽しみ方に唯一絶対の正解はない、ということをあらためて前提に据える
  • 相手のほうが自分よりも知識や経験が豊富なことがありうると想定しながら話を聞いていく

ということになるでしょうか。自転車ショップ、ショップ一般というよりも、対人コミュニケーションの基本とも言えそうな気もします。

しかしこういうことを「知識」や「良識」として理解していても、自分が働いているお店や参加しているコミュニティに毒性があると、自分自身も毒になってしまっていて気がつくと先に登場した店員さんのようになってしまうのだろうか、という気もします。

さて、どうしたら良いものか。

私はここまで書いて、いま名案が浮かびました。お客さんにとってもお店にとっても超面倒臭い、悩ましいこういう問題を、超簡単に一発で解決する方法を、いままさに思い付いたのです。

それは お客さんと一緒にコーヒーを飲む ことです。

小さい紙コップでいいし、作り置きのコーヒーでもいいので、まずお客さんにコーヒーをすすめてみてはどうでしょうか。コーヒーの匂いを嗅ぎながら話をしていると、とても上で書いたような「避けるべき三つの要素」が発生する余地はないような気がします。

でもコーヒーが好きでない方や、コーヒーが飲めない方もいると思うので、その場合は紅茶でも茶でもハーブティーでもいいのではないでしょうか。これ絶対いいアイデアだと思うんですが、やっているお店もあるのでしょうか(あるとしたらきっといいお店に違いない)。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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