フレームバッグ(ここではフレームの前三角の内側に取り付けるバッグ)の長所と短所をあらためて考えてみる記事です。筆者が主に使用するフレームバッグは、BlackburnのOutpostという製品です。購入後6年ほどになるでしょうか。ガンガン使う時期もあれば、なぜかパタッと使用をやめてしまう時期もあります(製品自体は非常に良いもので大変気に入っています。耐久性良し)。
フレームバッグの長所として、すぐに思い浮かぶところを書き出してみます。
- フレーム前三角内側のスペースを有効活用できる
- サドルバッグ等よりも重心を低くできる(バッグの形状やモノの収納方法にもよる)
- エアロである(前方投影面積がほとんど増えない)
- 入れたモノへのアクセス性が良い(手がすぐに届くという意味。ただしこれはトップチューブ上に設置するバッグや、ハンドルバーバッグでも同じことが言える。また、手は届きやすいものの「取り出しやすさ」は特に優れているわけでもないことは付記しておきたい。奥深くにあるものなどは取り出しにくい。またモノを入れる順番をシステム化しておかないと取り出しにくい)
逆に短所ですぐ思い浮かぶところを列挙してみます。
- バッグのサイズ・形態によってはボトルケージが使用不能になる(フレームサイズが小さい場合は特に。ボトルケージのダボ穴を下方にオフセットすることで回避できることもある。またハーフサイズのフレームバッグ等、形状によっても回避できる。ボトルはステムバッグ等ハンドルまわりに移動する方法もある)
- ダウンチューブシフター(Wレバー)は干渉して使いにくくなる場合がある(バッグ、そのサイズ、取り付け位置にもよる)
- 強い横風の影響を受ける(リムハイトの高いホイールと同じである。ただしバッグの面積にもよる)
- 悪路や階段などで自転車を担ごうとする時に邪魔になる(トップチューブのシートチューブ寄りが埋まらないサイズのバッグなら回避できそうではある)
- 製品によっては、またモノの詰め方によってはペダリング時に腿と干渉する場合がある(ただしこれが調整で回避できない製品は少ないというのが筆者の感想。横にパンパンに詰めないようにする。しかしQファクターの狭いロード系バイクでは解決できない場合もあるかもしれない)
- メンテナンススタンドでトップチューブをクランプさせたい場合に邪魔になる(※実はメンテスタンドではシートポストをクランプしたほうがベターという話があります。特にカーボンフレームの場合。詳細は下の記事にて。私がフレームバッグを使うバイクはスチールなので、あまり気にしていないのです)

山道が下のような状態の時、バイクを担いで通過しないといけないことがあるのですが、そういう時、私のフレームバッグは邪魔になります。こういう時は「しまった!! 今日フレームバッグだった…」ということもあります。
一方で、廃道化している山奥の徒歩道・シングルトラックが枝や笹に覆われている時、フォークの両脇に取り付けるフォークバッグやリアのパニアバッグではひっかかり・抵抗が大きすぎて、押して引っ張っていけない(前進不能になる)こともあるのですが、フレームバッグ+サドルバッグだけだと(横に張り出しがないと)切り抜けられることもあります。
海外掲示板では「バイクパッキング派(最大の特徴はパニアバッグを使わない)」と「バイクツーリング派(最大の特徴はパニアバッグを愛用する)」の対立がたまに見られたりするのですが、パニアバッグが大好きな私でも上のような道に入ってしまうと「これならバイクパッキング寄りの装備のほうが走りやすい」と思ったりします。どちらの思想も一長一短です。
いずれにしても、フレームバッグの短所として挙げた点はあらかじめ了解しておけば、むしろメリットを感じるケースのほうが多いのではないかと思います。フレームバッグ未経験の方は一度チャレンジしてみてはどうでしょうか。ボトルケージを諦めなくてもいい小さいサイズのものも面白いと思いますよ。
またフレームバッグを探す時は「コーナーバッグ」や「トライアングルバッグ」「ハーフ」等もキーワードにすると様々なサイズのものがヒットしやすいと思います。私が愛用しているBlackburn Outpostのミディアムはサイズ可変タイプです(三角形にも横長にもなるタイプ)。