ブロンプトンのタイヤ(シュワルベ・コジャック)を2年ほど交換していないので、シュワルベ・マラソンを試してみることにしました。購入したのは16×1.35 (35-349) サイズです。しかし、これがまた一筋縄では行かなかったのでした…
Schwalbe Marathon 16×1.35 (35-349)
マラソンファミリーの中では1.35インチとやや細めです。最近ブロンプトンで使っている32-349のコジャックより少しだけ太いです。「グリーンガード」という新タイプの3mm厚の耐パンク層があるそうです。
コジャックの軽快すぎる走行性能は捨てがたいものがあるのですが、ブロンプトンでの自転車旅行を計画しているので、転がりよりも耐パンク性能が高いマラソンを試してみよう、と思ったのでした。重いE-BIKEにも対応しているそうなので、耐久性には期待できそうです。
amazonで注文したら、ヘンな感じに折りたたまれることなく、大きい箱で届きました。だがしかし…!
謎の亀裂
タイヤ自体のハメにくさは「やや固め」ですが、両手でグイグイと追い込んでいけば、素手でなんとかなるレベルでした。外しもタイヤレバー2本でOK。コジャックより若干固いかなという感じです。
しかしタイヤをハメたあとにチェックしていると、サイドウォールに謎の亀裂があることに気付きました。
ううむ…嫌な予感!
拡大写真です。乗りはじめたらこういう感じの傷はすぐに付くのですが、使用前でこの状態だとあまり良い気分ではありません。小さい傷ではあるのですが、いずれ紫外線でこの亀裂が広がっていきそうです。
これ以外にも謎の斜めの傷がたくさん入っていて、もう不安しかないのですが、返品も面倒だし、まぁなんとかなるんじゃないか、と思い、このまま使うことに決めました。
リフレクターラインのずれ
さらに問題を発見します。まずはリフレクターラインがズレていること。ただ調べてみたところ、これはシュワルベのタイヤでは珍しいことではないようです。アラインがズレている個体があっても、走行性能には影響がないという情報を見かけました。それにしてもずいぶんズレているな…
参考 10/2014 Received Schwalbe Marathon-Plus tires with poor QC – Endless Sphere
それでも見た目だけの問題なら、個人的にはOKです。ちゃんと走ってくれればそれで良し。
ビードが上がりにくい
しかしホイールにタイヤを装着して、ブロンプトンにハメてみたところ新たな問題が発覚。ビードが完全に上がっていなかったらしい。最初、リフレクターラインが真円でないからこう見えているだけかな、と思ったのですが、ホイールを回転させると縦振れがすごい! 5mmくらいボコボコと縦に触れます。
この状態で乗ったらもう平地でもオフロードみたいな感じになってしまいます。
そしてクリンチャーのくせにビードが上がりにくい、というのもシュワルベのタイヤではよくあることのようです。下のリンク先で質問している方は私と全く同じ症状です。
参考 New high quality tire doesn’t sit evenly on the rim – Stack Exchange
そこでビードをきっちり上げるために、空気を少し抜いてタイヤを揉んで均等に引っ張り上げて、さらに空気圧の上限値110psiまで入れてみましたが、やはりビードが完全に上がりきりません。
というか、たぶん完全に上げられたと思うのですが、なんかタイヤが変形しているように見えるんですよ。車体に取り付けたホイールを回転させると、ものすごい縦振れです。こんなクリンチャータイヤ見たことありません。
この段階で製品不良を疑いました。もう1本、後輪用に取り付ける同じタイヤを前輪にはめて試してみましたが、なんとこの「ビードが上がりきらない・縦振れ・リフレクターラインのひどいズレ」は同じ! 不良品大発生の同一ロットだったのでしょうか(2本セット売りだったので)。
先に挙げた謎の亀裂の件に加え、もはや「円とは何だったのか」というレベルのボコボコ加減だったので、このタイヤ2本はamazonに返品することにし、同じタイヤを違う出品者から購入しました(最初に買ったほうはamazon自体がセラーの国内正規品)。
さらなる不幸が襲う
仕入れ先が同じだと同じような不良品が来る確率が高いと思ったので、今度は前回とは違うセラーからamazonで買いました(商品発送はamazon)。並行輸入品です。
すると届いたのがこちら。開封の儀で、びっくり仰天。
えーっ、ワイヤービードのタイヤ、こんなふうにしたらダメじゃないか!
梱包サイズを小さくするためでしょう、なんか無理矢理変形させてテープで留めてあります。もう嫌な予感マックスです。
開封してみたら、案の定タイヤはありえないようなクセがボコボコと付いていました。なんてことするんだ…
ちなみに最初に買った2本は、折りたたまれることなくちゃんと大きい箱に入って届いていました。
この2本はもう速攻で返品しようと思いました。
しかし、タイヤをよく観察すると、2本ともどちらも傷がなく、リフレクターラインも返品したものよりかなり真円に近いんですね。それだけに、返品してしまうのは惜しい。
シュワルベタイヤの不良品発生率や品質管理上の問題を考えると(今回あらためて調べてみたら世界中で不評の嵐だったw)、また交換してもらっても良いものが来るとは限りません。ホイールにはめてみてこのクセが取れるようなら使ってしまおう… と思い、装着してみました。
するとなんとか大丈夫そうです。しばらくはマメに高圧の状態にしておきますが、ビードもきちんと上がり、ホイールを回してみてもタイヤが縦ブレすることもありません。良い品質の、「当たり」のタイヤっぽいです。そして最初に受け取ったものが明らかに不良品であったことを確信しました。
こう考えると、シュワルベの工場を出た段階では品質に問題がなかったものが、流通経路で不良品になるというケースも考えられそうです。このタイヤ、どのくらいの時間テープでぐるぐる巻きにされていたのか不明ですが、あと半年とか1年とか2年とか経過したらクセが取れなくなったりするんじゃないでしょうか。
というわけで、新たに買い直したこの2本で運用することにします。乗り続けるうちにクセが完全に取れてくれると良いのですが。旅先で上の写真のようなメビウスの輪状態に戻らないことを祈るばかりです。
ちょっと試し乗りしてみた感じでは、特に問題は感じません。コジャックはしなやかで滑らかな乗り心地ですが、このマラソンだとよりカッチリ、硬質な感じです。
シュワルベタイヤを買うなら通販一択
今回思ったのは、シュワルベのタイヤはなるべく通販で買ったほうがいい、ということです。
むしろ逆じゃないのか、品質を店頭で確かめて買ったほうがいいのでは、という方もいるかもしれません。
ショップが近所にある方なら、それでも良いと思います。
ただ今回のようにホイールに装着してはじめてわかる問題もあり、実際に作業してから不良が発生した場合、ショップが遠くの場合、返品に行くのは手間です。
いちばん良いのはショップでタイヤを買って装着作業まで依頼することですが、作業工賃が結構するので、お金に余裕がない方は通販で買うのがベストです。amazonなら明らかにおかしいものは返品を受け付けてくれます(基本的には問答無用)。
おまけ
ところで後輪をブロンプトンにはめて空気を入れ、ホイールを回してみようとしたら… 回らない! 何故だ!
見ると、タイヤサイズが大きくなったせいかフェンダーに干渉していました。内装変速ハブでも壊れたかと思って焦りました。
やっべーどうしよう、フェンダー外すか… とも思ったのですが、手でステーを適当にグッと狭めたら、問題なしw(フェンダーのアーチがカッコ悪くなっちゃったけどねw) このテキトーな感じがブロンプトンっぽくて良いですね。叩いて動く二槽式洗濯機、ブラウン管のテレビのようです。
と、こんなふうにとにかく一筋縄では行かなかったのでした(フェンダー干渉の件はシュワルベのせいではないけど)。
その後
さて、本記事を書いてから1年と半年の間、筆者はブロンプトンでこのシュワルベ・マラソンを快適に使えています。泊りがけのツーリングにも行きましたがまだパンクもしておらず、性能的には大変満足しています。もし品質にバラツキがないのであれば星4.5は与えられるタイヤだと思いますが、前述のように不良品で苦労したため、総合評価は3.5としておきたいと思います。
ハズレを引かない限り、良いタイヤだと思います。