シマノの自転車パーツの模造品が出回っているのは有名な話で、同社は[重要なお知らせ] 模倣品にご注意くださいという告知もしています。最近ではそのページにあるように偽物のクリートが多いらしいのですが、果たして他のパーツは大丈夫なのでしょうか。
海外掲示板Redditで、ちょっと怪しい(?)Deore M6000 リアディレイラーの話題があったので紹介します。
出典 Deore M6000 Rear Mech Sticker logo? – Reddit
ロゴがステッカーのDeoreディレイラーは存在するか
一般ユーザー投稿なので画像は貼りませんが(リンク先のページでご確認下さい)、そのRD-M6000のどこが怪しいかというと「ロゴがステッカー」になっているところです。
この投稿者は、
- 元々自分が使っていたRD-M6000の調子が悪くなったため、地元のサイクリストから不要になっている別のRD-M6000を譲ってもらった
- 家に帰って2つのディレイラーを見比べてみると、元々自分が使っていたRD-M6000の”SHIMANO DEORE”ロゴは「ステッカー」になっており、新たに譲ってもらった同じ製品ではロゴがエンボス(というかエッチング?)になっている
- 元々のディレイラーはロゴの上に透明な保護シールが貼られているのではなく、剥がしたところDEOREのロゴが消えてしまった
という主旨のエピソードを語っています。
元々のRD-M6000は、調子が悪くなるまでは問題なく使えていたそうです。
果たしてこの投稿者が使ってきたDeore RD-M6000は偽物だったのでしょうか。シマノさんに聞いてみないとわからないとは思いますが、MTBの上から4番目のグレードであるDeore(ロードではTiagraに相当)でロゴがステッカーというのは個人的には少し考えにくい気がします(実際にこれまで見たことがありません)。
しかし超エントリーグレードのコンポやロットによっては稀にステッカーのものもあるという情報もあり、定かではありません(20年くらい前の話ですが、個人的にもシマノの超エントリーグレードのFDにはシールのロゴが貼られていたような記憶も。記憶違いの可能性もありますが…)。
本物の工場から流出する闇ロットもあるらしい
しかしこのDeore RD-M6000を別としても、中国のAliexpressや米国のeBayなどではクリート以外のシマノの偽造品が少なからず出回っているのは事実らしく、ネット検索するとシフターやディレイラーの偽物も存在していることがわかります。
そして厄介なのが、それら偽造品の出自。適当にこしらえた製品に「Shamana」や「Shinano」というロゴ(この2つは過去に実在しました)を貼ったり、リバースエンジニアリングで本物によく似た粗悪品を作る、というのはまだわかりやすいほう。最近はもっと厄介なモノが出回っているようです。
あくまで一般的な話ですが「メーカーの海外工場で従業員が業務終了後にこっそり無断で製造する」や「品質管理プロセスで弾かれたB級品を廃棄せずに横流しする」という事例はあるようです(※シマノについての話ではありません)。盗んだ金型を使ってオリジナルとは違う配合の金属で製造するというケースもあると聞きます。こうなると真贋の判定はかなり難しくなるでしょう。
ちょっと怪しい、と思ったらメーカーに問い合わせてみるのが一番早いかもしれません。ブレーキ関連は勿論、クリートもペダルもディレイラーも偽造品や正規の品質管理を経ていない謎ロットであれば、事故に直結することがありえます。
シマノは最近、ペダルとクリートについては正規品かどうかを確認できるQRコードをプリントしたパッケージを順次投入しているようです。シマノの模倣品対策の取り組みというページで紹介されているので一度御覧ください。QRコードでの正規品判定は3回までしか出来ないらしく、一瞬「えっ何でだろう…」と思いましたが、すぐに「あ、そういうことか」と納得しました。
自転車パーツは世界的に品薄が続いているため、シマノ製品に限らずこれから様々な大ブランドメーカーの偽造品が増えてきてもおかしくありません。確かな販売元から購入したほうが良いでしょう。