中華ブランドのサイクルウェアとしては一番人気のSantic(サンティック)。本記事では「メンズ サイクルパンツ ロング 裏フリース」の使用感をお伝えします。
外観と基本スペック
このサイクルパンツは防風性にかなり振ってあるモデルです。前面がポリエステルの防風素材、背面が伸縮性の高いポリウレタン(スパンデックス)という構成。膝周りのパッチのように見える部分は他の前面部分よりも少しだけ柔らかくなっており、ある程度の通気性も確保されている部分だそうです。熱をこもらせず、ペダリングをスムーズにするための工夫です。
両サイドにポケットがあり、右ポケット下にはさらにジッパーポケットもあります。ペダリングを考えるとスマホのような大きいものは入れないほうが良いと思いますが、小銭を2〜3枚入れておけるので便利ではあります。
ウェストはゴムバンドですが紐でも締められます。全体的な質感や縫製の品質は良く、実勢価格が3〜4000円であることを考えるとかなり丁寧に設計・製造されているパンツだと感じます。安物感は、ないですね。ちなみにパッドレスです。
短距離・低強度のサイクリングなら検討の価値あり
裏起毛は結構しっかりしていて履き心地も悪くありませんが、股下はやや長めに感じました。Amazonレビューを読むと「長め」という意見が2つ、「ちょうど」という意見が2つ、「少し短め」という意見が1つ(本記事時点)なので、断言できませんが私同様短足な方にとっては「やや長め」になっている可能性はあるでしょう。
実際のライドでの印象では、Amazonレビューでも多く言及されているように「放熱・透湿性の面では優等生とは言えない」と感じます。どの程度の強度で乗り続けるか、に大きく左右されるところだとは思いますが、ちょっと蒸れるかな? と思います。しかし防風性はバッチリで冷たい北風に向かって走っていく時などは良いです。
もうひとつ、個人的には少し「ごわごわ」している感が強いです。これは前面の固めの防風素材を考えると至極当然ではあるのですが、ペダリング中に「違和感」とはまでは行かなくとも、やや大き目の抵抗を感じる、というのが正直なところです(しかしAmazonでは「動きにくい」という評価はほとんど見ないので、これは少数意見かもしれません)。
少しゆとりのあるルースフィット系であることを考えても「非ガチ系の短距離サイクリング・ポタリング」に最も向いているパンツなのかもしれません。そうした用途ではこの季節、動きやすさと高い放熱性よりも防風性能に重きが置かれて当然なわけで、するとこのパンツの評価は高くなるでしょう。冬の自転車通勤・通学用としても文句が出ないと思います。
逆にロードバイクでケイデンス高め・高強度でペダリングし続けるライドスタイルの方、5時間も6時間も乗るような方、ヒルクライムやロングライドメインの方はもう少し奮発してパーツイズミ等の高級品を試してみたほうが良いとも思います。
そもそも「寒くなく蒸れることもなく超絶動きやすいものが欲しい!」という高い要求を満たすパンツが3〜4000円で手に入るわけはなく、このSanticのパンツは価格を考えると良いものと言えるでしょう。シティライドやのんびり乗る方には魅力的な選択肢だと思います。
ピチピチのガチ系パンツとシティライド系のゆったりパンツの中間的な位置付け、とも言え(考えてみればなかなかないタイプのデザイン)、そうしたパンツを求めている方は大いに気に入るかもしれません。