バッグ

Ortliebの新作「シートパックQR」の長所と短所

Ortlieb(オルトリーブ)が新作「シートパックQR」を発表しました。サドルレールへの取り付けに従来のベルトストラップではなく、クイックリリース(フック)を使用するモデルです。Bikerumorが実使用レビューを掲載しているので、長所と短所を観察していきましょう。

Ortlieb シートパックQR

© ortlieb.com

出典 Review: All-new Ortlieb Seat-Pack QR stabilizes core bikepacking saddle bag with easier setup
公式 Seat-Pack QR

簡単着脱で高い安定感

  • 完全防水でサイズは13L、カラーはブラックにオレンジの差し色のみ
  • シートポストに接する3cmの固定部と、調整可能なスライダーを持つクイックリリース・フックから成り、フックをサドルレールに固定する仕組み
  • 内部はプラステイックで強化されており、外側に4本のコンプレッション・ストラップと空気抜きバルブがある
  • 外側下部にはプラスチック板があり、タイヤとの擦れを防止する
  • ドロッパーポストに対応するための高さ4cmのブラケットが付属する。これを使う場合、ドロッパーポストのトラベルは43mm減少する
  • 重量は625gで、ノーマルのシートパック11L版が345g、16.5L版が456gであることを考えると200g以上重い
  • 実測重量は689gで、自分が持っている16.5Lのシートパックより240g重かった
  • 使用可能なサドルは後方にベンドのある丸いレールのモデルのみで、カーボンレールやカーボンシートポストには対応していない
  • ブラケット自体の調整幅は広いが、実際の取り付け時の調整幅は限られたものになると思う
  • 最大荷重は4kgで、スライダーをシートポストに最接近させた場合は3kgまでとなる
  • 初回のセットアップ時はフックをサドルレールに乗せる方法がわからず手間取った。シートロックの片側に角度を付けてやると片方のレールに乗る。その後はパック全体を捻じ曲げると2つめのフックがレールに乗る
  • インストール面ではクイックと言えないが、取り外すのはまさにクイックリリースだ
  • このQRマウントと内部のスティフナー、外部ストラップの組み合わせのおかげでバッグは荒れた地形でもかなり安定する。しかもバッグが空でも、中身が詰まっていても安定度が変わらないのは大きい特徴
  • 価格は$190 / 160€(※日本国内価格は税抜き25,000円)

▼ オルトリーブ公式によるシートパックQRのセットアップ解説動画(0:18頃から初回の調整方法が紹介されています)

安定感か重量か

Bikerumorのレビューを読む限り、欠点としてはアタッチメントの採用による200g以上の重量増と、初回の設定がややわかりにくい点でしょうか。一方で取り外しは早く、また最大の長所は内容物が少ない場合でも左右に振れない安定感、であることが伺えます。荷姿を簡単に整えやすいようですね。

記事執筆者自身は、丁寧にパッキングするのが好きなのでサドルストラップ式のシートパックでも特に不満はないそうですが、パッキングが苦手な方や、パックを着脱するたびにバランスを細かくチェックするのが手間に思える方にとっては便利な製品に仕上がっているように見えます。

▼ 従来のストラップタイプ(11L)はこちら

ちなみにオルトリーブは昨年、「ハンドルバーパックQR」という新製品も発表しています。これは下の記事で紹介しています。バッグ上端がハンドルバーよりも上に来るためライトの装着などが難しくなり、評価が分かれている製品ですが、11Lの大容量なのでツーリングで活用したい方もいると思います。気になった方はチェックしてみて下さい。

オルトリーブの新作バッグ「HANDLEBAR-PACK QR」を観察する
独オルトリーブが今年の6月に新作ハンドルバーバッグ「HANDLEBAR-PACK QR」をリリースしました。現時点で国内では少数しか出回っていないようですが、従来のオルトリーブ製品とは違う独特なマウント方式を採用しています。 ...
著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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