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カンパニョーロはなぜ凋落したのか?どう復活できるか? 海外サイクリストの意見を深掘りしてみる

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先日、カンパニョーロが2024年のプロレースシーンから姿を消すことについての海外サイクリストの反応をご紹介しました。この記事では同じスレッドからの議論を深掘りし、カンパニョーロの「凋落」(と呼んで良いのかはまだわからないものの)の原因は何だったのか、これからどうすれば復活できるか、そのヒントを探りたいと思います。

出典 Campagnolo out of the World Tour 2024

以下、いずれも一部抜粋・意訳でのピックアップです。

  • カンパは9スピードの頃から乗っている。単純に気に入っている。ベローチェからレコードまで、全ラインナップで3段アップ・5段ダウンできたのを覚えている(今ではUltraShiftとして知られている)。カセットとチェーンリングのタイトなギアレシオが好きだ。今でも頑なに53/39クランクセットを回している。俺が乗るバイクは全部カンパだ。シマノにも乗った(カリフォルニアのトリプル・ダブル・クラウン・センチュリーを2年)。それで105とUltegraシフターは消耗した。シマノは組み立て直せない。カンパは(9/10スピードは)わずかな金額でリビルドできる(大抵はGスプリング、時々ラチェット交換)。カンパが消えていくのは残念だ(6いいね)
  • メカニカルの時代、私はいつでもオール・カンパだった。使うのが大好きだったし、イタリアの伝統も好きだった。20年のブランクを経てサイクリングに戻り、最初の電動グループセット、SR EPSv4を手にしたところ、使い物にならないゴ◯だった。6ヶ月間ショップで時間を費やして複数の部品を交換したけれど結局、返品した。私はSRAMに乗り換えて、これ以上ないほど幸せだ。かつてグレートだったブランドの凋落を見るのは悲しい(1いいね)
  • ちょっと余談だけれども、新型Super Recordが醜いと思うのは私だけでしょうか? カンパのセットを買える予算があったことはなかったし、それだけのお金をサイクリングにつぎ込むこともないですが、カンパの製品は金額に見合った価値のある豪華さがあるように思っていました(Record 11スピードはワオ!!でした)。彼らの新型ディレイラーは、特にリアはデカすぎて醜悪で、サブコンパクトチェーンリングを小さく見せています(4いいね)
  • (撤退は)戦略的な動きでもあるのかもしれない。ビアンキは数年間、ワールドツアーチームのスポンサーをやめた。それでお金を節約して、イタリアに新しい工場を建てて生産能力を増やしてコストを下げた(1いいね)
  • サムレバーもやめてしまうみたいですね。長いあいだサムレバーのファンだった者としては、カンパは深刻なアイデンティティ・クライシスに陥っているように思えます(3いいね)
  • 私は80年代後期のSuntour XC組みのマウンテンバイクが大好きでした。素晴らしいグループセットで、フロントディレイラーはシマノより良く、グリスガード・ハブがあり、分解せずともグリスを足せました。彼らもハイエンドグループで会社を長く続けることはできませんでした(6いいね)
  • SRAMが電動シフトの初期から全力で行ったのは、デジタルカメラのアーリーアドプターとなったカメラの会社と似ています。一方、コダックは70年代から感光性チップを持っていたのに、「フィルムの会社だから」という理由でそれに力を入れるのを拒否していました(6いいね)
  • コダックはマーケットに最初にデジタルカメラを持ってきましたが、自社のフィルム製品と競合してしまうためそれ以上投資しませんでした。それで他社に簡単に抜かれてしまったのです。追いついた頃には市場は飽和していて、投資を正当化できるくらいの高い価格帯でデジカメを売ることができなくなっていたのです(1いいね)
  • カンパのメカニカル製品は素晴らしいと思う、11スピードのスーパーレコードを使っていますが、あらゆる面でグレートです。EPSはグレートではないと、メカニックからも、実際に使っている人からも聞きました。Ekarは素晴らしいものと思われます。マグラに委託しているディスクブレーキはセットアップが大変らしいですが、調整がキマると比類ないもののようです。個人的には、カンパはOEがなくなっただけだと思います。スーレコやCレコードが50年にもわたりみんなが欲しがった宝石だっただけに残念です(15いいね)
  • カンパは過去の栄光にあぐらをかいているのではなく、R&Dとスポンサー活動予算が限られている小さいプレイヤーなのです。カンパの規模はシマノの10分の1以下と聞いたことがありますし、それは数年前の話です。現在はもっと悪いでしょう。そのサイズだと生産能力も少なく、限定数以外でのOEM契約は得られませんし、規模が小さいと、限られたユニットへの投資を償却するために値段も上げざるをえません(…)
    電動コンポが普通になる前は、私はカンパのほうがずっと好きでした。なぜならデザインはシマノやSRAMより優れていましたし、ブレーキのクイックリリースをキャリパーではなくレバーに付けるとか(ブレーキング機能を失わないよう)、機能ごとにボタンとレバーを割り振るとか(シマノはブレーキレバーをシフトレバーとしても使うのが嫌いです)、波型ワッシャーからハースジョイント、スピンドルにベアリングをプレスしてカップ側を犠牲にしたり、「エアロ」なブレーキやコクピットをクリーンに見せるシフトケーブルなど、あらゆるデザインが私は好きでした。またカンパの補修部品は入手しやすく、例えばエルゴパワーのシフトレバーもわずかな費用でリフレッシュできました(…)(7いいね)
  • 「メイド・イン・イタリー」が彼らの製品にどんな価値をもたらすのか疑問です。エレクトロニクスのノウハウは、中国を連想させたほうが良いと思います。ディレイラーやシフターはもはや職人的な製品だとは思いません。大衆市場向けのエレクトロニクスなのです(1いいね)
  • カンパはルーマニアでも生産しています。カンパとフルクラムの部品のいくつかも中国製だと思います。遅すぎましたし、十分でもなかったと思いますが、少なくとも10年以上はそうしています。カンパが何か間違ったことをひとつでもやったか、挙げることはできませんが、どういう物事の組み合わせがダメージが大きいかは簡単にわかります(…)サードパーティーのカンパ互換ホイールがないと、OEM契約で打撃を受けるのは間違いないでしょう(4いいね)
  • 最新のミドルグレードのフレームの多くが電動コンポのみの対応です。ですからChorus EPSがなければ、市場シェアは落ち続けます… 私は2年前にChorus EPSに期待していましたが、待たなくて良かったです、未だに出る気配がありませんし、新しいSRはカンパにふさわしいセクシーさがなく、その技術を下位グレードに下ろしてくる様子もありません。このままだとカンパの未来は明るくはありません(3いいね)

今になって思うと、メカニカル時代のカンパニョーロは確かに「自分で修理できる」ところも大きい魅力だったと思います。シマノのSTIは自力での修理は無理でしたが、エルゴパワーなら、東京なら「ワイズロード・アサゾー店」や「なるしまフレンド」に行くと小さいバネやラチェットなどがいつでも買えました。いまは、もうそういう時代ではなくなりましたね。

あと「メイド・イン・イタリー」にこだわり続けてももう意味がない、というのも興味深い意見でした。一部製品・部品は東欧やアジアでも製造されているようですが、カンパにとって「メイド・イン・イタリー」の看板を下ろすのは痛手でしょう。しかしビアンキの例に見るように、しばらく節約してイタリアの自社工場を拡充する、というシナリオも十分ありそうな気はします。

OEM契約が取れていないのは、ミドルグレード以上のフレームにメカニカル非対応のものが増えており、それに対応しそうなコーラスにEPSがまだない、さらにカンパハブに対応する安価なホイールを大量に用意するのも難しい、というのも確かに理由としてありそうだと思いました。

また昔からのカンパファンの方からは、最近のデザインはあまり美しく感じない、という意見が目立ちます。徹底的にカッコ良くて高性能なEPSを作ってエントリーグレードまでトリクルダウン、海外生産も辞さない… のが拡充には必要かもしれませんが、カンパがそういう方向を望んでいるのかどうかも、まだよくわからないですね。

いろいろと面白い視点の話題が出ていましたが、読者の皆様もご意見や感想などありましたら、ぜひTwitterなどでご歓談されてみてくださいね。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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