Tips & How-toシフター

Campagnolo Ekarのサムシフターで一気多段シフトダウンできるようにするための改造

Campagnolo Ekarのサムシフターで一気多段シフトダウンできるようにする(Ultrashift化する)ための改造動画を見かけたのでご紹介します。メーカーによる製品保証が完全に無効になるタイプの改造ですのでご注意ください。

Ekar サムシフターの動きを制限しているスチールピン

image from the video: サムシフターの動きを制限しているスチールピン(4:01付近)

出典 Campagnolo Ultrashift Ekar Hack Modification 1×13 Campamod (YouTube)

以下、動画の概要です。5分弱の短くてわかりやすい内容なので是非ご覧ください。前半でフードあり状態での作業、後半でフードを外した状態での仕組みの説明があります。

  • EkarシフターをUltraShift仕様に改造する方法です
  • この改造を行うと、サムシフターで一気に1段以上変速できるようになります
  • フードをずらすと2mmのスチール・ピンが見えます(上の画像)
  • これがサムシフターの動きを制限しています
  • これの真ん中を切断すると、2つの部分に分かれるのでそれらを取り出します
  • 最初の部分はボトム、裏側から、次の部分はフロントから出てきます
  • これでRecord 12スピードや10スピード、11スピードのように1〜5段を一気に変速できるようになります
  • 軽くテストライドしてみましたが、完全に新しいものになった感じです
  • 改造には12スピード用のパーツが必要になるのかなと思っていたのですが、スーパーシンプルでスーパーイージーな作業でした
  • いちばん良いのは真ん中で切断して、外側に曲げてから、滑り出すように取り出すことです

意外に原始的な方法で動きが制限されていた、というか、Ekarも元々ウルトラシフト的に5段も落とせる仕様だったんですね。あえて動きを制限している理由は何でしょうか。グラベルバイクではロードバイクよりも多段シフトダウンの頻度が多くなるようには思うので、ラチェットの過度の摩耗など、耐久性が心配だったのでしょうか。

私もRecord 10スピードの頃にUltrashiftシフターを愛用していたので、懐かしくなりました。ゴゴゴゴッ、とシフトダウンするあの感触はとても気持ちが良いんですね。

…と、ここまで書いてから動画のコメント欄を見ると、こんな書き込みがありました。抄訳します。

これは非常に悪い思いつきです。Ekarを米国・英国スタイルのグラベルでテストした結果では、路面がずっと荒くMTBスタイルに近いため、うっかりマルチシフトしてしまうことが多かったのです。13スピードのカセットとチェーンで一気に変速すると、チェーンとリアディレイラーにもかなりきついです。一般的なロードカセットのように5〜6歯を移動するのとは違います。歯数差が大きいと違いが出ます。高トルク下で3枚飛ばしてみれば、私の言っていることがわかると思います。2〜3枚動かしたかったら、素早くシフトすればそれが簡単でいいかなと思いました。

なるほど、意図しないシフトダウンを防ぐためにこうしたほうが良い・13スピードのワイドレンジカセットやチェーンの耐久性の問題もある、という判断で今の設計になっている可能性はありそうですね(それとも将来的にSuper Ekarを出すための準備ではないか、という意見も海外掲示板では見られました。出典)。

フルオーバーホールすればこのピンを切断せず、曲げて取り出すこともできる時もある、というような記述も上の出典元では見られました。新品の2mmロッドの補修パーツがあれば元に戻せるようでもあります。

作業時は、切断する時は中心付近でやらないとピンを取り出せなくなりそうにも見えるので要注意ですね。動画では切断したピンを取り出す時に片側がカメラに向かって吹っ飛んでいるので、アイウェアは必須。こういった作業やメンテナンスを行う時は、特にワイヤーを扱う場合などはアイウェアをしていないと危ないことが多いので気を付けたいですね。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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