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ロードバイクはやめてしまってグラベルに転向したほうが良くないですか?「なんでそんな質問するのかわからない」

今日はミニネタです。読みはじめてすぐに「なぜそういう発想になるのだろう」と疑問に思った質問投稿ですが、まずは読んでいきましょう。

photo by Andrea Piacquadio

ロードバイクでのライドやレースをやめてしまって、グラベルに転向しようと考えたことのある人はいますか? グラベルのほうがもっとずっと楽しいアクティビティに見えますし、気持ちに余裕のある人がより多く集まっているように思えます。私はGarminを捨てて、あまり使われていない道を走りたいです。どう思いますか?

出典 Giving up road for gravel?

こんなコメントが寄せられていました。私もこれらに同意です。

  • 「これ vs. あれ」という二者択一の考え方が、私には理解できません。今日ではかつてないほど多くのオールロードバイクがありますから、1回のライドで両方楽しめるのです。最終的に自転車に乗っていることに変わりはありません。舗装路でGarminやパワーメーターや最新のエアロロードバイクを使いたくないのであれば、使わなければいいでしょう。好きなように乗ればいいのです(158いいね)
  • (上の人に)同感ですね、こういう会話や議論でうんざりするのは、ロードかグラベルのどちらかを選ばないといけないような論調に持って行く人が大部分だということです。もしグラベルバイクに乗っているなら、ロードバイクマフィアがやってきてあなたのロードバイクを取り上げてしまい、あなたは破門されて二度とロードバイクに乗れない、みたいな感じになります。グラベルの人に対して、自分はロードバイクに乗るのが好きでロードレースもやっている、と言うと、まるで第一子を殺されたかのように振る舞ったりします。どちらも乗って楽しんでいいんですよ? 同じライドで両方楽しめることだってありますよ(52いいね)
  • 自分が楽しいと思うことをやればいい。インターネットの知らない人から自分の意見を認めてもらったり、正当化してもらう必要はないですよ(7いいね)

グラベルのほうが楽しい、と思うなら、乗れば良いだけだと思うのですが、スレ主さんは「グラベルのほうがもっとずっと楽しいという私の考え方は間違っていないですよね?」という考えが底にあって、それに対して他人から「うん間違ってない」という承認をもらいたがっているように見えます。

しかし私はこのスレ主さんに向かって、君はバカなのか、とか、何でそんなことを聞くんだ、と言う気には、なれません。というのも、この方がこういう質問をするに至ったのは、たぶんこの方のせいではなく、現在の社会システムに原因があると思うからです(壁をつくるセクショナリズムや、他人を承認することで自分自身を権威化し、それを利用したビジネスが行われているから)。

一見関係ない話に見えるのですが、先日は「私はこの自転車を買おうと思っています、このパープルの色がすごく気に入っています。でも、パープル以外にしたほうがいいでしょうか?」という投稿を見かけて、コーヒー吹きました(「えーっ、それ好きならそれにすればいいじゃん…」)。あれは、本当にビックリしました。

私はあの女の子が好きになったんですけど、あの女の子ではダメでしょうか? と他人に聞く人は、いないと思います(たぶん。結婚になると話が少し複雑になってくるのかもしれないけれど)。

そのパープルの自転車は、私は見ていてすごくカッコいいと思いました。スレッドでも多くの人が「このパープルはシックだ、これはいいぞ」と褒めていて、スレ主さんはたぶん安心してそれを買ったのだろうと思うのですが、他の人がどう思おうと自分でそれが好きだと思ったら、それに乗れば良いのではないかと思います。

不思議な世の中になってきているな、と思うのは私だけでしょうか(私だけでも別にいいです)。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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