よみもの

公共の場でサイクルウェアを着ていることにどうすれば慣れられるのでしょうか? という悩みに寄せられたコメントを観察する

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「レーパン・ジャージが恥ずかしいのですが…」という主旨のありがちな悩み投稿を海外掲示板で見かけました。ありがちな話題とはいえ、コメント欄がかなり充実(現時点で283件)していたので個人的におもしろかったところをピックアップしてご紹介します。

jonas vingegaard

image from oakleybike

サイクリングキット(※レーパン・ジャージ等のウェアのセットのこと)で外出することに居心地の悪さを感じています。僕はプロサイクリストでも何でもないから、キットで外出すると「なりすまし者」みたいな感じがします。僕がバカなのかもしれないけれど。

出典 How can I get comfortable with wearing cycling kit in public?

  • スレ主さん、君が何歳なのかは知らないが、俺は間違いなく他人がどう思うかなんて一切気にしない年齢に達したよ。大事なのは君が外に出てトレーニングしてるってことだ(504いいね)
  • (上の人に)僕の場合、それは32歳の頃でしたね。気にしなくなったし、今ではライクラが好きです。乗るのはMTBとグラベルだけだけど(68いいね)
  • (直上の人に)33歳です。わかります(7いいね)
  • 同じですね。30代初頭です。ジャケットも、パニアバッグも、バーテープさえも今ではぜんぶネオンイエローです(7いいね)
  • 同じです。30代のはじめ頃のある日、気にする気持ちが消え失せて、それっきり気にしなくなった。本当に最高だったね(45いいね)
  • なぜ他人がどう思うか気にするんだい? 君は頑張っているか、単にサイクリストが着るものを着て楽しんでいるだけだよ。メルヘットをかぶった建設作業員や、スクラブ姿の医者と違いはない。そういうのがおかしいと思う人はいない。好きなようにやるんだ。流れるままに行きなさい(16いいね)
  • 誰も気にしないよ。他のサイクリスト以外は(64いいね)
  • 誰も気にしない。キメてやれ(Rock that shit.)(22いいね)

こちらはおもしろコメント。

  • スネ毛を剃った瞬間、すべての意味が明らかになる。俺を信じろ(It will all come into focus once you shave your legs. Trust me. )(38いいね)
  • 肝心なのは、その時自転車と一緒にいることだ。そうでないと頭がおかしい人に見える(309いいね)
  • (上の人に)遠くからフットバッグ(※足でやるお手玉のようなスポーツ)をやっている人達を見たことありますか? フットバッグが見えないくらい遠くから。ヤク中のギャングみたいに(46いいね)

最後に、長文ですが読み応えのあるコメントを2つご紹介。最初の方は日本在住らしく、途中でビックリしました(そして興味深い内容でした)。

サイクリングギアが快適になった時のことを覚えています。私は何年もレーパン・ジャージで乗っていましたが、短パンとボタンアップの半袖シャツを上に着ていました。ツール・ド・フランスを見ていたら、クリス・ボードマンがサイクリング・スキルを紹介するシーンが流れていました。彼は普通のキットを着ていました。当時彼はアワー・ワールドレコード保持者でしたが、レースから引退して少し経っていて、お腹が少し出ていました。彼が何者か知らなかったら、少しぽっちゃりした中年男性がライクラを着て自転車に乗っている、というふうに見えたでしょう。歯医者に見えたかもしれません(笑)しかし実際、彼はアワーレコードの世界記録保持者だったのです。

その時、私は気付きました。あなたが何者かなど、誰も知らないのだということを。うちの近所に住んでいる人で、Stravaを見ると信じられないくらい速い人がいます。文字通り私の倍以上のパワーです。見かける時は、Zone 1のリカバリーライドかウォームアップ、ウォームダウンに思えるような走りをしています。適当に流しています。すごくいいバイクに乗っています。全身キットでキメています。しかし近所を走っている彼は、バカみたいなスローペースで、這っているかのようです。本当のことはわからないのです。

そして私は、ライクラを着てリムブレーキの古いバイクに乗っている、少しぽっちゃりした中年男性です。誰も私が何者であるかは知りません。Stravaで私を見れば、私が遅いことはわかると思いますが、関係ありません。私は近所の大部分の人よりも多く自転車に乗っています。私のキットは快適で、役に立ちます。「恥ずかしいから隠す」ようなものを捨てたことは、自転車に乗っていてやったことで最高のことでした。

ここ日本ではユニフォームが普通なので、私にとってそれはやりやすいです。ここでは何をやっている人でも、適切なユニフォームを着るのが普通です。スポーツでも、仕事でも、何でも。それが普通であると思われている感じです。そのため誰かがユニフォームを着ていると、その人はシリアスにそれをやっているんだなと人は考えます。まっとうな趣味なんだと。もしギアを持っていないなら「それは本当に趣味でやっているのですか、それとも趣味のふりをしているのですか」と思われるでしょう。シリアスであるためには、趣味で「上手」である必要はないのです(56いいね)

それはすごく考えたことがあります。むかしそういうふうに感じていたことはありますが、最終的に変わってきます。誰もあなたのことなんか本当に見てはいないし、どういう人かと決めつけるエネルギーも持っていません(そういう連中がいたとしたら、バカですよ)。キットは実用的ですし、この段階になると、サイクリングウェアを着て出かければそれはほとんどあなた独特の愛すべき奇抜さになります。私はハロウィンの時にキットを着て出社しましたが(痣のメイクもした)、評判が良かった。バカみたいに見えることは諦めて受け入れた上で、キットは本当に実用的なものであり、ライドをみじめなものにしないものだ、ということを理解するのです。

誰もこういうものを着て始めませんが、ライドに出かけて、何度も出かけるようになると「あぁ、あちこちが擦れるしケツは痛いし汗まみれになって蒸発もしてくれない」みたいに感じます。すると気がつくとパールイズミのセールをチェックするようになって巨大なサイクリング用バイザーを手に入れていたりします。

キットを毛嫌いする人々は次のグループに分かれます。

  1. 何もかもが嫌いな、決めつけ志向のイヤな奴ら
  2. サイクリングを理解していないけれど、自分は実際以上に物知りだと考えたがる人達
  3. サイクリングキットで外に出る自信がないため、ロングライドは最大30マイルだという人達

というわけだから、ライクラを着てワットを出してこい!(48いいね)

読者の皆さんはどうでしょうか。上のコメントを見ると「30代初頭で恥ずかしく感じなくなる説」があるように見えます。私自身も、ロードバイクでのレーパンジャージは、最初はもちろん恥ずかしかったですし、通りすがりの人に笑われたり、むかしはコンビニでも奇異の目で見られたことはあります。

しかし過去10年くらいで日本社会は「ライクラ姿のロードバイク乗り」を特に奇異な姿をしているとは思わなくなってきたような気もします(そんなことない?)。建設作業員や医者と同じだ、という意見、日本での制服に関する考え方についての意見はなかなかおもしろいと思いました。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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