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Trekの業績不振についての海外サイクリストの反応 & Giantもセール中だけど自転車価格はこれからついに暴落するのだろうか?

米Trekが販売不振のため会社組織や製品ラインナップなどをスリムにしていく方針である、というニュースを昨日下の記事でお伝えしました。今日この記事では、そのニュースに対する海外サイクリストの反応などをまとめてみます。

米Trekが業績不振で規模縮小の方向へ SKUとスタッフを削減、Bontragerブランドが消える噂も
海外メディアが入手した米TrekのJohn Burke社長による内部向け文書によると、自転車業界はいま厳しい状況にあり、Trekも会社をスリムにしていく必要がある、と決断したようです。 出典 Trek Bicycle plan...

以下、海外掲示板RedditのTrekBikesコミュニティのスレッドから目立った意見を抜粋。

出典 Trek Bicycle plans to ‘right size’ with 10% cuts to spending (Reddit)

  • Trekの完成車のいくつかがセール中だけど、正直になろう。まだバカみたいに高いよ(24いいね)
  • (上の人に)完全に同意。それにセール中の大部分のバイクは古いコンポです(4いいね)
  • 1年以上前からこうなるってはっきりわかっていましたよ。価格の調整と再調整が遅行指標です。自転車を買うベストなタイミングは、いまと来年末のあいだであるように見えます(14いいね)
  • 二週間前くらいにノースカウンティのTrekアウトレットに立ち寄りました。在庫が多いのか、なんてわかりませんでした。セール中のバイクは多くなかったですし、セール価格も魅力的ではありませんでした(9いいね)
  • (上の人に)その理由はセール価格が彼等の「新しいロープライス」になったからです。そのためもうセールとは銘打たれてはいないのです。コロナ禍で膨れ上がった価格の修正です(1いいね)
  • Trekは過去数週間・数ヶ月で本当にひどいことになっています。基本的なことでも永遠にかかってしまうくらいにスタッフが減らされてしまったのかなとマジで感じます。Trekは死ぬほど好きですが、社長が認めたくないくらい悪い状況にあると思います(13いいね)
  • 取得したリテールチェーンが利上げのせいでめちゃくちゃになったのかなと思います。そのための借金はたぶんすごいことになっているのでは。パンデミック中に店を売ったオーナーはたぶん大儲けになったのかも(4いいね)
  • Trekはコアバリューに立ち戻り、Madoneのシートチューブの穴とかファンシーなペイントのような愚かなギミックで差別化するのをやめる必要があります。それはイノベーションではなく…マーケティング上の狡猾な策略です。失ったエネルギーとお金を、もっと良い自転車を作ることに注ぎ込むのです。自転車はいま高価すぎます(1いいね)

これと関連して、Giantも安くなっているけれど自転車価格はついに暴落するのでしょうか? という別コミュニティのスレッドでのコメントからも目立ったものを抜き出してみます。

出典 Bike market finally tanking?? (Reddit)

  • Wiggleが倒産して、Giantは記録的損失を発表、地元のショップやオンラインショップを見るとTCRシリーズはいま30%セールです、Trek同様に。これだけの大安売りがあるのを見ると、売れない自転車が山のようにあるに違いないと思います
  • (上の人に)TCRがセールになっているのは新型が出たばかりだからですよ。うちはDura-Aceの2021 SLを半額で買ったばかりです。在庫を掃こうとしているんです(56いいね)
  • 過去数年間に買われたディスクブレーキと電動シフトのミッドレンジ〜ハイエンドのバイクは、近々に新型のより良いモデルに買い替える必要はないのかなと思います。ノートパソコンやスマホの性能向上がだいたい頭打ちになったので長く使うようになったテック系セクターと似ています。加えて世界的な生活費の上昇でしょうか?(25いいね)
  • Tiagraのバイクを7000ドルで売っている会社はぜんぶくだばってしまえ(80いいね)
  • CanyonはDura-Aceのバイクを7000ドルで、Ultegraを5500ドルで売っているよ(15いいね)
  • (自転車価格の暴落というニュースなどは)クリックベイトの嘘っぱちだよ。セール中のバイクの大部分が古い在庫です。何も安くはなりません、インフレが続きます。会社は従業員を減らして経費を減らすだろうけど、価格は下げません(18いいね)
  • (上の人に)同意です。古い在庫の値引きは目にしていますが、お店に行って買いたくなるほどの大幅値引きはないですね。30%OFFでさえまだかなり高価です(7いいね)
  • (上の人に)30%以上の値下げは起こらないでしょうね。トップエンドのローエンドモデルのマージンは30〜40%あたりです。何が何でも古い在庫を一掃したいのでもない限り、ショップは赤字覚悟では売りません(1いいね)
  • この意見は人気がないかもしれませんが、自転車の会社が財政的に困っている状況を歓迎してはいけません(15いいね)

高額なハイエンドバイクが売れなくなってきているのは間違いなさそうです。恐らく「躊躇せずに買える可処分所得の高い人」のセグメントには行き渡ってしまい、新製品も既存ユーザーの買い替えを強く促すほど性能面での大きい向上がない、ということが理由でしょうか。

新製品を倉庫に入れるためには、倉庫で場所を取っている旧モデルを処分する必要がある。そのため、それらのモデルは随時セール価格で売り出される。しかし最新のハイエンド完成車の値段はたぶん下がらない(あるいは下げられない)。新車があまり売れないのなら、メーカー・ブランドは人員削減・規模縮小によって当面の利益を確保していく、という流れなのでしょうか。

パンデミックの収束後に自転車の価格は爆発的に安くなるだろう、いやいや高いままだろう、と相反する意見がずっとここ何年か見られてきましたが、どうも単純な議論や予測が難しい問題のようです。

しかし最新製品にこだわらなければ、お買い得なものが少しづつ増えてくるような印象はありますね。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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