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シマノとダイワ:自転車と釣り具の不思議な関係

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自転車乗りの私達にとって、シマノとはまず自転車の会社であります。世界最大の自転車パーツ製造会社、と言っていいでしょう。スポーツサイクル界の最高級パーツであるデュラエースから、廉価な街乗り自転車用のパーツまで、幅広く取り扱っています。

一方でシマノは釣り具メーカーとしても有名です。私は釣りのことは全くと言っていいほど知らないのですが、以前、「シマノにはUltegraという名前の釣り具がある」と聞いたことがありました。そう、自転車パーツの上から2番目にいいやつ、あの「アルテグラ」の名を冠した製品があるというのです。

というわけで「現在のシマノの釣り具にはアルテグラの他にも自転車パーツっぽい名前の製品が存在するのだろうか」と興味が湧き、fishing.shimano.co.jpサイトの製品情報をページを眺めてみました。

アルテグラ以外にも色々あった!

まずアルテグラはすぐに見つかりました。ロゴのULTEGRAは自転車のそれとそっくりで、親近感が湧きますw ちなみに色は6800系アルテグラで採用されていたアイスグレーを思わせますね。

Shimano Ultegra

Shimano Ultegra © Shimano

糸を巻き取るためのクランクは自転車のクランクに似ていますし、糸が巻き取られている部分はフリーハブを想起させます。すると糸はチェーン的なものと考えていいのでしょうか。完全に駆動系です。ブランド名だけでなく様々なテクノロジーも社内で共有できそうなところ、シマノの大きい強みですね。

さらに製品情報ページを眺めていたところ、今度は「ティアグラ」を見つけました! ロゴは現在の自転車用TIAGRAのそれと全く似ていませんが、自転車でもティアグラが4400系の頃はこんな感じの白抜きロゴだった時代があります。レトロな感じで、これはこれでいいですね。

Shimano Tiagra

Shimano Tiagra © Shimano

おお〜、ALIVIO(アリヴィオ)もあった! 自転車だとMTB系の低価格コンポですが、雰囲気がなんとなく似ています。「間違いのない入門機」というキャッチコピーからも自転車のALIVIOっぽい位置付けなのだろうかと思ってしまいます。ロゴもよく似ています。

Shimano Alivio

Shimano Alivio © Shimano

そして何と、SLXもあった!! ロゴもソックリ、というかほぼ同じ! いや…全く同じロゴ!! 「広い守備範囲を誇るハイコストパフォーマー」というキャッチコピー、MTB系コンポであるSLXにもそのまま当てはまりますね。クールな外観も自転車用のSLXっぽいです。

Shimano SLX

Shimano SLX © Shimano

さらにNEXAVE(ネクサーヴ)も見つけました。これは最近のシマノの公式サイトからは姿を消しているのですが、一昔前まではシティサイクル用にコンポが出ていたのを覚えています。釣り具のことは全く知らないので推測ですが、上で紹介したALIVIOよりもグレードは上のように見えます。

Shimano Nexave

Shimano Nexave © Shimano

最後に「夢屋」も見つけたのでご紹介。これも現在ではシマノ公式サイトからリンクが消えているのですが、むかしMTB用コンポのアップグレードキットとして同じ「夢屋」という名前でパーツ群が用意されていたことがあります。釣り具の世界ではそれがまだ残っているみたいですね。

夢屋

夢屋 © Shimano

ちなみに調べてみた限り、DURA-ACEや105、XTRなどは釣り具としては存在していないようです。

DAIWA(ダイワ)のこと

釣り具の世界ではシマノより上?

と、こんなふうにシマノは釣り具の世界でも有名で、海外でも認知度は非常に高いと聞いています。

しかし私の生活圏での話ですが(東京在住です)、街中で釣具屋さんを見かけると、シマノよりダイワ(DAIWA)をメインに取り扱っていることが多い印象があります。国内ではダイワのほうが優勢なのでしょうか。

釣り系YouTuberでも「にしやんフィッシュチャンネル」の会長さんがいつもダイワのウェアを着ていますね。

かつてはスペシャライズドの代理店

さてそのダイワですが、かつては「ダイワ精工」という会社のブランドでした。それが2009年10月から社名が「グローブライド」に変わったのですが、それ以後も「ダイワ」という釣り具ブランドはそのまま継続しています。

そして最近自転車をはじめた方は知らないと思いますが、ダイワ精工は2007年の4月まで、スペシャライズドの日本代理店だったのです(同年5月から、スペシャライズドは「スペシャライズド・ジャパン」を設立します)。私がスペシャのMTBをはじめて買ったのもその頃でした。

社名変更後の「グローブライド」は自転車関連の業務をやめたかというとそんなことはなく、同社の公式サイトを見ると現在はドイツのコラテックやフォーカス、イタリアのボッテキアなどの代理店をやっています。

他に有名どころとしてはタイヤで有名なWTB、ITMやRh+も同社が代理店。あとBB Boroという自転車用アクセサリーをプロデュースしているようです。ライトや鍵を見たことのある方は多いのではないでしょうか。

シマノのように自転車用コンポーネントは手掛けていないのでしょうか?

いつか出てもおかしくないですよね。そう、例えば「イグジスト」というフラッグシップ・サイクルコンポーネントが出ても、きっとおかしくない!

第4のコンポーネントメーカー、誕生。 (miyaさんによるCBN投稿から)

サイクルパーツと釣り具の類似性

サイクルパーツと釣り具には多くの類似性があるようです。リールにおいては高い耐久性、回転部品の滑らかさが求められるほか、軽量さも要求されます。自転車のコンポと全く同じです。

自転車パーツと釣り具の類似

Shimano Ultegra © Shimano

さらにロッド(竿)においては空力性能も求められるらしく、シマノは初期のデュラエース開発から得られた知見をそこに活かしてきたとも言われています。ロッドは自転車におけるフレームに相当するんでしょうか。おもしろいですね。

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著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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