Tips & How-toバッグ

自転車用バッグはどれがいい? 10タイプのメリットとデメリットから自分に合ったものを探そう!

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ロードバイクやクロスバイク、MTBといったスポーツタイプの自転車で荷物を運びたい場合、サドルの下に付ける小型のバッグからラックに載せる大型バッグ、はたまた身に着けるバックパックまで、実に様々なタイプが存在します。

それぞれのタイプにはどんなメリットとデメリットがあるのかを考えることで、自分に合ったバッグを探してみましょう。

サドルバッグ

スポーツバイクでちょっとした身の回り品を運ぶ最定番のバッグがサドルバッグです。サドルとシートポストにストラップで括り付けたり、製品付属の専用アタッチメントを使用して取り付けます。

オルトリーブ・サドルバッグ2(1.6Lモデル)

オルトリーブ・サドルバッグ2(1.6Lモデル)

サドルバッグのメリットは、小さいものであればロードバイクなどのすっきりした外観をあまり損ねないこと。パンク修理に必要なツールや小銭入れなど最低限の荷物を運ぶ時に便利です。

デメリットは勿論あまり多くの荷物を入れられないところですが、サドルバッグの仲間には「シートバッグ」とも呼ばれる大型のタイプも存在します。

大きいサドルバッグの場合、収納量が大きいメリットがある反面、自転車の重心が高くなるためスポーツバイクならではの軽快な走りが少し犠牲になることがあります。中身が極端に重い場合は立ち漕ぎの時にふらついたりすることがあるので、初心者の方は気を付けましょう。

あとは大部分の製品で、モノを取り出す場合はバイクから降りる必要があるのも機動性という面ではデメリットになります。

サドルバッグは製品の数が非常に多いので、よく探すとサイズや形状、カラーなど自分好みのものが見つかるでしょう。バッグを1つで済ませたい時は大きめのサドルバッグでも良いと思いますが、たくさん荷物を運びたい方は本記事で紹介する他の選択肢もあわせて検討してみて下さい。

サドルバッグで私が個人的におすすめできるものの1つとして、オルトリーブの「サドルバッグ2」を挙げておきます。1.6L版と4.1L版があり、ロールトップタイプなのでいずれもある程度収納量を調整できます。完全防水なのでゲリラ豪雨でも安心です。

ハンドルバーバッグ

ハンドルバーバッグは文字通りハンドルに付けるバッグ。これもストラップ式のものとアタッチメント式のものがあります。形状は下の写真のようにドラム型のもののほか、長方形のもの(※別途支柱が必要になるものがあります)、ロールトップタイプで大きさを調整できるものなどがあります。

Grunge ハンドルバーバッグ

Grunge ハンドルバーバッグ

ハンドルバーバッグの最大メリットは、手が届きやすい場所にあるので必要な時に取り出したいものにすぐにアクセスできるところです(※袋口がジッパー式の場合)。カメラや財布、補給食やドリンクなどが代表的な例ですが、サイクルコンピューターやライトを給電しながら使いたい時にモバイルバッテリーを入れておくのにも便利です。

デメリットとしては、このバッグが重くなるとハンドル操作に影響が出るところ(荷物が少ない場合はあまり気になりません)。またシフターやブレーキのアウターケーブルと干渉する場合はうまく取り付けられないこともあります。

筆者が最近使用しているハンドルバーバッグはgrungeの製品で、値段も安いので初心者の方にはおすすめです(ただしヘビーデューティーな製品ではありません。ライトユース向けですがそのぶん軽量です)。

フロントポーチ

フロントポーチと呼ばれるこのタイプの筒状のバッグはストラップをハンドル・ステム・ヘッドチューブに括り付けます。

R250 フロントポーチ

R250 フロントポーチ

一目瞭然ですが、ドリンク入れとして再重宝します。またこれも手元にあるのでスマホやコンパクトなカメラ、小銭入れ、簡易な鍵、日焼け止め等のトイレタリーを入れても便利。ボトルケージのないトラックバイク、ピストバイクでも活躍してくれます。

R250 フロントポーチ・ラージ

R250 フロントポーチ・ラージ

短所らしい短所はあまりモノが入らないことを除いてはあまりなく、デッドスペースを活かせる長所のほうが際立ちます。収納量は見た目ほどなかったりするので過度の期待は禁物です。

トップチューブバッグ

トップチューブに載せるタイプのバッグがあります。これもすぐにモノを取り出しやすい機動性の高いタイプです。

TOPEAK TopLoader

TOPEAK TopLoader

デメリットというより選択時に気を付けたいのがストラップの部分。ステム下のコラムスペーサー部とトップチューブにストラップを渡すタイプの製品が多いので、ステムをギリギリまで下げているバイクでは取り付けられないことがあり、トップチューブバッグの大きさによってはクロモリなどの細いフレームでは不安定になったりします。

TOPEAK TopLoader

TOPEAK TopLoader

サイズも小さいものからやや大きめのものまで様々あります。大きいものは便利な反面、スポーティなロードバイクには似合わないと思うこともあるかもしれません。そこは自分の感性で。これが似合うロードバイクも勿論あります。

フレームバッグ

フレームバッグは「前三角」と呼ばれる場所に設置するタイプで、下の写真のようにトップチューブ・ダウンチューブ・シートチューブのうち2〜3点で保持します。形状も様々で、トップチューブだけに括り付ける細長いものや、前三角の前側または後ろ側に寄せて付けるものなどがあります。ボトムブラケットの上あたりに装着できるものもあります。

Blackburn Outpost

Blackburn Outpost

筆者が愛用しているBlackburn Outpostは、写真のように内容量に応じてサイズを変えられる優れものです。

Blackburn Outpost

Blackburn Outpost

フレームバッグのメリットは、やや重めの荷物を入れてもバイクの走行感がスポイルされにくいこと、自転車を前から見た時に横に張り出していないので空気抵抗が少ないこと、デッドスペースを有効活用できることなどがあります。

デメリットとしては、ボトルケージが使えなくなる製品があることです。上の写真のものがまさにそれで、ボトルケージが使えません。しかし小さめのフレームバッグを大きいサイズの自転車で使う時は両方とも使える場合もあります。逆にボトルケージのないシングルスピードバイクなどでは重宝します。

アクセスしやすい場所にあるバッグですが、モノの取り出しやすさは製品次第です。バッグの形状が特殊なため、収納の順番にも工夫しないと目当てのものがすぐに取り出せないこともあります。そのあたりは運用次第といったところです。

パニアバッグ

パニアバッグとは自転車の後輪の上、または前輪の上に設置したラック(キャリア)に載せるタイプのもの。ここではリアに載せるタイプを紹介します。2個同時に使ったり、片側1個だけ使うこともできます。

ORTLIEB バックローラー・シティ

ORTLIEB バックローラー・シティ

メリットは一目瞭然ですが、収納量が非常に大きいところです。またそのわりに重心が低いので、意外なことにバイクが極端にふらつくこともありません。基本的にはただの筒状の袋なので様々な形状のものを入れられますが、その反面、内部空間が広いのでソフトボックスを使うなどして仕分けしないと必要なものをすぐに取り出せないことがあります。

また短足な人は乗り降りの際に苦労することがあります(筆者経験済み)。そしてキャリアも含めて重量増になるので、サイクリングロードをぶっ飛ばすような快走弾丸自転車より、のんびりマイペースでしまなみ海道をツーリング、みたいなシーンに向いているでしょう。通勤通学でも勿論便利です。

トランクバッグ

トランクバッグはリアキャリアの上の天板やパイプに設置するタイプのバッグで、トピークやオルトリーブなどから製品が出ています。筆者はTOPEAK MTXトランクバッグDXを使用しています。

TOPEAK MTXトランクバッグDX

TOPEAK MTXトランクバッグDX

関連記事:TOPEAKのトランクバッグが気になる俺のためにあの難解なラインナップを整理する

メリットは、製品によって違う場合もあるかもしれませんがMTXトランクバッグDXの場合はモノが取り出しやすいところです。慣れればバイクから降りることなく荷物を取り出せるので、その意味でサドルバッグなどより便利。しかしオルトリーブ製品のようなロールトップタイプのトランクバッグだとそうは行きません(カッコいいので個人的にかなり気になってはいるのですが…)。

デメリットは、シートバッグほどではないものの重心がやや高くなるところ。またパニアバッグ同様、短足な人は乗降時に脚が引っかかることがあります(筆者経験済み)。

バックパック

自転車に取り付けるものではありませんが、バックパックも重要な選択肢のひとつです。サイクリングに特化した快適性の高いバックパックが、特にドイターから多数出ています。

ドイター・ウルトラライド6

ドイター・ウルトラライド6

バックパックの大きいメリットは、バイクのコントロールに大きい影響を与えないことがまずあります。自転車自体が重くならないので、スポーツバイク特有の軽快な走行感が失われにくい。そして勿論、積載量が大きいところ。上の写真は筆者愛用の、サイクリングで使えるミニマルサイズの「ドイター・ウルトラライド6」という製品ですが、数泊の自転車旅行にも対応する大きいものも多数あります。

OAKLEY ENDURO 2.0 (30L)

OAKLEY ENDURO 2.0 (30L)

さらにもう1つの大きいメリットは、カメラなどの精密機器を運ぶ場合は最も良い選択肢であるということです。例えばカメラには手ブレ補正機構などのメカが入っていますが、大きい衝撃が与えられると故障することがあります。特にオフロードを多めに走る場合、デリケートなものは身体で運んだほうが良いです。人間の身体は最高のサスペンション機能を発揮してくれます。

一方で大きいデメリットですが、背中からの排熱が妨げられます。ドイターのようなサイクリング向けバックパックは、バッグが背中全体に密着しないような工夫が施されていますが、それでもやはり限界はあり、気温・湿度の高い炎天下では注意が必要です。逆に秋〜春にかけての涼しめの季節では、ほど良い保温効果があったりもします。

なおドイターのバックパックはバリエーションが豊富すぎて自分に合ったものを選ぶ時に迷う方も多いと思います。その場合は下の記事で詳しく解説してあるので、よろしければご参考にどうぞ。

Deuterの自転車用バックパックの種類が多すぎるので整理してみた【買う前に理解しておきたいモデルごとの特徴】
Deuter(ドイター)といえばサイクリングは勿論、登山やトレッキング、スキー等幅広いアウトドア活動全般で世界中の人に愛用されているスポーツバックパック最大のブランドです。私自身もこれまでに3つのサイクリング用モデルを愛用してきました。 し...

メッセンジャーバッグ

メッセンジャーバッグも自分の身体に荷物を括り付けるタイプですが、これにはどんなメリットとデメリットがあるでしょうか。

Timbuk2 クラシックメッセンジャー ショルダーバッグ

Timbuk2 クラシックメッセンジャー ショルダーバッグ

大きいメリットを2つ挙げると、1つは機動性。バックルと呼ばれるパーツの操作に慣れると、バックパックよりも素速く中の荷物にアクセスできます。もう1つは収納力の大きさ。バッグのサイズにもよりますが、スイカや白菜のようなかなり大きいものが運べたりします。言ってみればパニアバッグを背負うような感じですが、サイズが大きいものはメッセンジャーバッグのほうが便利でしょう。

デメリットはメリットと裏腹で、大きいものを運べる反面、その荷物に重さがある場合は身体に負担がかかります。特に長時間ライドする場合、片方の肩に重量が集中するので、その点ではあまり良くありません。クロスストラップを使うと荷物自体は背中で安定はするのですが、ロングライドなどでは両肩で荷物を支えられるバックパックのほうが良いでしょう。

その他のバッグ

他にもフロントキャリアに載せるタイプのトランクバッグやパニアバッグ、フォークやサスペンションに付けられる小さいパニアバッグ、あるいはフォークのアイレット(ダボ穴)に装着できるロールトップタイプのバッグなどもあります(バッグ本体ではなく、フォークのダボ穴に付ける「ケージのみ」の製品も多数あって、輪行袋やマットなど形の定まらないものを運べるものがあります)。

いずれもデッドスペースの活用などのメリットがありますが、共通しているのは重い荷物を入れてしまうとハンドリングに影響が出るところです。バイクパッキングで、他の様々な場所を使い切ったので最後にもう1ヶ所だけ荷物を運べる場所を追加したい、という時に軽量なモノ用に検討すると良い場所です。

ところでフロントバッグでハンドリングにほとんど影響が出ないものとして有名なのは、小径車ブロンプトンのバッグです。

ブロンプトンのSバッグとレインカバー

ブロンプトンのSバッグとレインカバー

ブロンプトンの場合、専用のフロントバッグはフォークではなく、ヘッドチューブに専用のアタッチメントで装着します。そのため重い荷物でも曲がりにくい、前輪の動きに違和感が出る、といったことがありません。それに重心も低いので、フロントバッグとしてはかなりの優れものです。横に張り出すので空気抵抗が増すというデメリットもありますが、ブロンプトン乗りの方には一度は使ってもらいたいバッグです。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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