最も空気抵抗が少なくなるドロップハンドルの握り方はどれか。イギリスのAerocoachが独自実験の結果を発表しています。それによると下の「リラックスしたフード握り」を基準とした場合、UCIが禁止した「前腕でハンドルを支えるTTポジション」では45km/hでの走行時に39.6wを稼げますが、UCIルールに抵触しない握り方でも35w削減できることがうかがえます。
さてどの握り方が最も効率が良いのでしょうか。
出典 UCI banned road bike position aerodynamics
正解は「エアロフード握り」
まず実験結果のグラフを眺めてみましょう。時速45km/hで走った場合に削減できるワット数の違いが示されています。テストされた握り方(ポジション)は6つあります。
ビジュアルでイメージできるようにaerocoach掲載の写真に数字を載せてみました。
比較されている6ポジションは以下になります(6については画像はありません)。
- Hoods フードを握る 基準値
- Drops ドロップ部を握る -14.0w
- Aero Hoods エアロフード握り -35.0w
- Forearm Position 前腕TTポジション -39.6w
- Lever Hooks レバーフック -35.5w
- Aero Hoods Levers Inwards エアロフード握り&レバー内側傾斜 -37.0w
このうち「エアロフード」は、フードを握ったまま前腕を地面に対して平行にするポジションを意味しています。
また「エアロフード」に加えて、手と手の間の距離が近くなるようにシフターを内側に倒したポジションが「エアロフード握り&レバー内側傾斜」。これは肘が外側にフレアするリスクがあるものの、UCI規定に抵触しないポジションとしては最も効率が良いようです。具体的には下のようなレバーセッティングで肘を地面と並行にして走れば最速である、というのがaerocoachの主張です。
Like for narrower ❤️
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もちろん「前腕TTポジション」はUCIルール違反。レバーフックも前腕がハンドルに乗っかっているので違反となる可能性が高いと言われています。
この実験結果からすれば、機材のセッティングを変えずに最も速く走れるのが「エアロフード握り」ということになります。下ハンを握った時との差が大きいのが意外ですね。しかし下ハン握りは重心が低くなるのでコーナリングや下りで重宝するというメリットもあります。
また「エアロフード」はコントロール性で大きく劣るのは間違いない「レバーフック」と0.5wの差しかないことを考えると、UCIルール違反を冒してまでレバーフック握りをするのは合理的ではないと言えそうですね。