GPSサイコンながら実勢価格が3,000円前後という驚異のコストパフォーマンスを誇るXOSS G+。
しかし下の記事で詳しく紹介したように、2つの大きい欠点がありました。
- オートポーズをOFFにできないバグがある(※AndroidアプリからならOFFにできました。後述)
- Stravaに走行ログを同期できないという報告が多数ある
このうち、2番目の「Stravaと同期できない」は症状が発生する人としない人がいて、私の場合は運悪く「同期できない」パターンでした。
これはStravaで走行ログを一元管理している私にとっては致命的です。またXOSSには今のところ、ウェブ版のポータルがありません。
しかし試行錯誤するうちに「ほぼ確実に(うちでは100%)同期できる方法」を発見できたので、本記事で紹介します。
XOSS G+の走行ログをStravaと確実に同期させる手順
とにかく具体的な方法から見ていきましょう。以下、iOS(iPhone)での手順なのですが、後で説明するように、AndroidでStravaに同期できない方でも、なぜうまく行かない場合があるかを理解してしまえば恐らく問題解決につながるのではないかと推測します。
まずはライド終了後、
- XOSS G+の記録を停止する(本体左下ボタンを長押し)。→G+がスマホのXOSSアプリと同期するには記録を停止する必要があります
- その後、スマホのXOSSアプリでG+と”Connect”(接続)します
- 自分のG+が画面上に現れたら、それをタップ
まずはここまで。ここまでは簡単だと思います。G+とスマホのBluetooth接続自体は非常にスムーズです(そして速い)。
しかしこの後に出る画面右下の”SyncAll”(すべて同期)ボタンはまだ押さないで下さい。 ※重要です。
まず左上の自分のアバターアイコンをタップします(写真下、左側)。次の画面でさらにアバターアイコンをタップします(写真下、中央)。すると次の画面(写真下、右)で、Stravaとの接続画面になります。ここで”Connect”をタップします。
注目してほしいのは、上ではStravaという文字の左側にあるアイコンがグレーになっている点です。この状態だと、Stravaにデータは同期できません。また、前にStravaのアカウント情報を入れたはずなのになぜかここがグレーになっている場合があります。その場合も同期できません。
次に遷移する画面では、
Your ride record will be sync to Strava only after you connect your Strava account in XOSS app.
あなたのライド記録はStravaアカウントをXOSSアプリに接続した後にのみStravaに同期されます
というポップアップメッセージが表示されます。これはまぁその通りでしょう。「OK」をタップします。すると次にSafariが起動し、Stravaのサイトに繋がります。ここでStravaにログインします。ここで「許可する」ボタンをタップ。
すると”XOSS”で開きますか? というダイアローグが出ます。これ大事。稀にこれが出ない時があるからです。その時は同期できません(この場合、数ステップ戻ってやり直し)。このダイアローグの「開く」をタップします。
するとXOSSアプリが前面に戻ってきます。この時、Stravaの文字の左のアイコンがオレンジ色に変わります。これはStravaアカウントとの紐付けがうまくいったサインです。ここがオレンジにならない限り、同期はできません。この状態で右上のアバターアイコンをタップします(写真下、左)。
そして次が大事です。写真上、中央のスクリーンショットです。ここでヘンな動きをせず、画面右側の「ここをタップ」と示した部分をタップします。この時に画面の他の要素をタップしてどこかに移動して遊んでいたりすると、さっきのStravaのオレンジアイコンがグレーに戻ることがあるのです。
次の画面で、はじめて”SyncAll”ボタンをタップします。ここまで来れば、もうOKです。
データが同期されるのを待ちます(画像下、左)。その後、”0 activities remaining”と表示されたら、Stravaへの同期が完了しています。
早速、Stravaのアプリなり、帰宅後にブラウザなりでStravaを開いてみましょう。すると… キターッ!!
うまく行かない時があるのはなぜ?
XOSSアプリはStravaとの接続情報を保存せず、アプリを立ち上げるたびにブラウザでStravaに接続する必要があるようです。少なくとも、そういうケースがあります。私の場合はそのようです。
さらに、起動したSafari(または規定のウェブブラウザ)が「”XOSS”で開きますか?」と聞いてきた後、XOSSアプリがフォアグラウンドに戻ってきても、ここでSafariを終了してはいけません(※Safariを終了したらXOSSアプリのStravaアイコンがオレンジからグレーに戻りました)。
つまりXOSSアプリがStravaにデータをアップする時、少なくとも特定の環境では、Stravaとのセッション情報を保存できず、ブラウザでのStravaとの接続をキープしておく必要があるようです。
なお、スマホに入れてある「Stravaアプリ」はこれら一連の動作と全く関係がありません。起動していようが、いまいが、関係なし。あくまでブラウザ(私の場合はiOSなのでSafari)をStravaへの接続に使用するようです。
これは、例えばLEZYNE SUPER GPSなどの動作とは全く違っています。LEZYNEの場合、LEZYNEアプリで走行ログを「クラウドに保存」した後、恐らくLEZYNEのサーバーへのデータアップロードが完了したタイミングで、Stravaサーバーとの同期がサーバー間で発生するように見えます(※ここは確証はありません。LEZYNEのアプリからStravaサーバーへ、の可能性もあります)。
しかしXOSS G+の場合、そういう感じのデータ同期ではなく、あくまで手元の端末からブラウザを経由してStravaのサーバーにデータをアップする、という仕組みになっている模様です。そして、そのためにはセッション情報を保持した状態のブラウザが起動している必要がある、ということのように見えます。
ちなみに私の現在の使用環境は、iOS 13.1.3で、XOSS G+のファームウェアバージョンは0.11です。これは本記事執筆時点(2019年11月12日)では最新版らしいのですが、Twitterで教えていただいた情報によると、Android版では0.12というのが出ているそうです。
なおこの記事を書いているあいだ、そのバグが改善されたiOS 13.2.2が出たらしいのでそれも導入したほうが良いと思います。バックグラウンドに回されたSafariがiOSによって終了されていたら、Stravaとの同期もできなくなるはずです
XOSS G+の評価は変わったか?
さて、こうやってなんとかG+の走行ログをStravaにアップして眺めることができるようになりました。めっちゃクセがあります。ありまくりですwww
が、しかし、一応はGPSサイコンとしてのメイン機能がこれで使えるようになったわけで(Stravaと同期できなくともXOSSアプリでログは確認できますし、トレーニング解析機能もあるのですが)、これなら前回の記事で書いた「あまりおすすめできない」から「買ってみても良いんじゃないか」という評価に変わりました。
他にも大きいバグはいくつかあります。大きいのはやはりオートポーズ(自動停止)をOFFにできないこと。TwitterでもやはりOFFにできないという情報を何件かいただきました。これは自転車+徒歩で運用(徒歩中もG+を携帯)するような場合に不便なので是非とも改善してほしいところです。
あとはオートポーズが解除される時などの「ピピッ」というビープ音、これもXOSSアプリでOFFにしても、反映されません。これなどはわりと実装が簡単な機能だと思うので、これも直してほしいですね。
しかしそれ以外に良いところもあって、たとえばデフォルトでONになっているバックライトのオートモードなどは感度も良く、とても便利だと思いました(写真上)。
文字は細めですが、アウトフロントマウントでいい感じに設置すればまずまず使えると思います。
それにしてもクセの強いサイコンです。3,000円前後という価格から初心者におすすめしたくなりますが、むしろこういうデジタルガジェットやスマホの動作に詳しい中〜上級者向けのもののように思えます。このあたりが安さの秘密でしょうか。こういうユーザーインターフェースの改善にお金がかかるのかもしれません。
今後どれだけファームウェアやアプリの改善がなされるのか未知数ではありますが、一応Stravaでデータが見られるというのは非常に大きいことだと思うので、やはり3,000円でこれなら「十分あり」な製品だと思います。バッテリーの持ちも非常に良いので、少なくともサブに使うには十分あり、ではないかと思います。
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