フレーム・完成車製品レビュー

Tyrell FXを持っているのに、パシフィック Reachが気になって仕方無いので思わず試乗してしまった結果。

わたし、へっぽこ脚のぼっちサイクリスト、nadokazu!タルタルーガが気になって、横浜のオサレミニベロショップ「グリーンサイクルステーション」で試乗してみたんだけど(関連記事)、兄弟車のパシフィック Reachも気になって仕方ない!

Pacific Reach R20

そんなとき、「サイクルハウスしぶや お花茶屋店」に試乗車があるということを知ってしまったの!迷走していく物欲、これからどうなる!?

確かに兄弟。だけど、キャラが全然違う。

タルタルーガとリーチは、ルーツを同じくする兄弟車。「リア三角とBB周りが前方に回転して、ハンドルとステムはクイックで取り外す」という折り畳み機構の基本構造や、前後に装備されたサスペンション機構、リアキャリアのオプション装備などなど、多くの共通点を挙げていくことができます。

Pacific Reach R20

なんですが、この2台には兄弟車といっても「ダイヤ」と「ルビィ」(注:宝石の名前ですわ!)ぐらいに、明確なキャラクター性の違いがあります。

ブレーキの形式がリムとディスクで異なるし、フレームデザインも別方向。サスペンション機構に至っては配置こそ同じものの、タルタルーガがリア側に専用チューンのサスペンションユニットを装備しているのに対して、リーチのリア側は言ってしまえば「エストラマーを挟んであるだけ」です(リア三角を回転させるときも、ロック解除操作などは一切なしでした。リア三角をグイッと回転させるとエストラマー部がすっぽーん!とメインフレーム部から外れる構造。本当に「挟んであるだけ」なのには、驚きでした)。

▼エストラマーを挟んだだけのサスペンション機構

Pacific Reach R20

タルタルーガとは、異なる走行感覚。

装備や仕様だけでなく、走行時の感覚もタルタルーガとは別の方向性を持っているように感じられます。

Tyrell FXを持っているのに、タルタルーガが気になって仕方無いので思わず試乗してしまった結果。
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タルタルーガが路面からの振動をサスペンションで上手くいなして、快適な走行感を提供する「ツアラー」的な仕上げ。それに対して、Reachはサスペンション機構で振動吸収はするものの、どちらかというと剛性感や入力に対するダイレクト感の高さを目指した「ロードバイク」的な仕上げになっている印象です。

Pacific Reach R20

キャラクター的にはタルタル兄貴よりも、Tyrell FXのほうに全然近いのではないでしょうか。

あと試乗のときに試しきれなかったのは、「サスペンション機構の挙動を、坂でどう感じるか」ということ。なにしろ「サイクルハウスしぶや お花茶屋店」さんの周辺は、まったく坂が無いド平坦。なんと羨ましい…。周辺をウロウロ走って見ましたが、土地勘ゼロの場所なので、坂っぽい場所にすらたどり着けません。

▼完成車のロゴ入りクランク。

Pacific Reach R20

なので「登坂して思いっきりペダルを踏み込んだときに、力が逃げる感じがあったりするのかどうか」という点は、わからず仕舞いでした。まぁタルタルさんより明らかに硬質な感じなので、坂を登ったらフニャフニャ感が!ということは無いかと思いますが…。

ちなみにタルタルーガを試乗させていただいた「グリーンサイクルステーション」さんの近くには、港の見える丘公園への登坂をはじめ、地獄を味わえる場所が豊富でした。ぐほっ(吐血)。

カスタマイズの自由度は、かなり高い。

Reachとタルタルーガの仕様上の相違点としてもっとも大きいのは、ブレーキがディスクであることではないかと考えます。

▼フロントのディスクブレーキと、見た目のアクセントにもなっている赤いエストラマー

Pacific Reach R20

ディスクブレーキを採用したことで、リーチの仕様上の自由度はタルタル兄貴とは比較にならないほど拡大しています。しかも完成車だけでなく、フレームセットでの販売まである。

なのでホイール径も、20インチ405と451の好きな方を選んでいいし(海外では24インチのカスタム事例まであるようです。なんてこった…!)、ブレーキアーチの開放幅を気にする必要がないので、太めのタイヤも選び放題。

また駆動系も最新のパーツが装着可能で、Di2でもeTapでも装着OKでしょう(「小径の改造は何が起こるかわからない」というマスターさんの記事の教訓から、敢えて断定を避けました。笑いたければ笑うがいいさ!)。なのでReachは「最初から好みの仕様で仕上げる」というのが、非常にやりやすくなっています。

▼FDの上方向のクリアランスも十分

Pacific Reach R20

自分はロードのパーツを使いまくって「折り畳みロード方向」を、精力的に追い求めていきたいと妄想しています。なんですが、そうじゃないまったくの別方向もリーチなら無問題。

たとえば、tsutaさんのように「折り畳みグラベルロード」の方向性で仕上げていくことも、全然目指せてしまう。こんな振り幅を許容しちゃうだけの自由度があるのは、実に魅力的です。

tsutaさんのレビュー(本稿より圧倒的に読みやすくて、高い情報価値があります)

cbn Pacific Cycles Reach (Frame Set)

好みの仕様に仕上げやすい、カスタマイズの幅の広さ。ここは、タルタルーガにない、リーチならではのアドバンテージ。どんな風に仕上げていくか、妄想がはかどりまくります。

買うとしたらどうする?

試乗させていただいのは、ドロップハンドルの完成車、R20(税別 28万5,000円)でした。普通に走る分には、まったく不満のない(むしろ普通のミニベロ以上の)性能を持っているのは間違いありません。完成車で買っても、じゅうぶん幸せになれるでしょう。

▼完成車付属ホイール、ラチェット音はちょっと、いや、かなり大きめ。

Pacific Reach R20

▼Reach R20

Pacific Reach R20

なんですが、妄想するだけならタダです。そうなると、やっぱり「フレーム買いして、走行性能に振りまくりたい」という願いを叶えたくなってしまいます。なぜなら、機材の性能に頼り切ってラクに走りたいからです。キリッ!

ホイールはもちろん451で、TNIのハブとアレックスリムを使って手組み。フィニッシング・キットはお店の方にいい感じのセレクトをしていただいて、そのほかはアルテ中心で仕上げていく感じでしょうか。あと、スタンドとキャリアは要らないかな。

さらに!

一旦組んでいただいた上で、eTapの取り扱いのある別のお店に持ち込んで、変速系を換装してもらうようにします(保証の関係上、この流れしか選べません。自分で作業するという志向も技術も無いので。涙)。

…というところまで妄想できたのですが、一旦アルテで組み上げていただくところまでをザックリ見積もっていただいてた結果は、実に約0.5デローザ。そこに加えてeTapへの換装、さらに見積もりに入っていないサドルやペダルやレックマウントやセンサー類を加えていくと…うーむ、なんだか限りなく1デローザに近づいていく感じです。

リーチ最大の弱点、それはカスタマイズの自由度がきわめて高いゆえに妄想に歯止めがかからず、自転車に対する金銭感覚が相当破壊されている自分ですらドン引きするような金額が積み重なっていくことなのかもしれません…。

いや、でもこの仕様で組めたら、それはそれは楽しい輪行ライド生活が楽しめそうですよねぇ…。

つづく…?

著者
などかず

美味しくご飯を食べることをモチベーションにペダルを回し、機材の性能に頼り切って「頑張らないことを頑張る」物欲系へっぽこ自転車乗り。リアルで自転車に乗れない週末にはZWIFTで合計100km以上のバーチャルライドを欠かさないものの、脚力や走行スキルについての言及は意図的に避けている模様。愛車はLOOK675、ブロンプトンCHPT3 V2、タイレルFX(これだけとは言ってない)。

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