よみもの

新型コロナウイルスに関するスペシャライズドのマイク・シンヤードCEOによる発信とその影響力に感心した話

Instagramにスペシャライズドのマイク・シンヤードCEOが先週こんなメッセージを投稿していました。画像の下に大体の意味を書いておきます。

親愛なるスペシャライズド・ライダーの皆様へ

COVID-19のパンデミックが進行する中、私達は従業員や小売業者、ライダー達を守るためのさらなる手段を講じています。世界共同体の健康と安全は私達の最優先事項であり、それ故に、私達はウイルスの影響を減らすための迅速な行動を取る決定をしました。

私達はすべてのスペシャライズド・ライダーにこのウイルスの拡散を止める手助けをすることをお願いします。あなたの地域のライドや移動に関する規制を尊重し、グループでのライドを避け、クラッシュがあなたの地域で逼迫している医療リソースに与えうる影響について真剣に考えることによって。

ライダーは私達の小売パートナーを通じて(それが可能な店舗では)、あるいはspecialized.comを通じて、スペシャライズドのバイクや装備を手に入れることができます。営業することを選択する小売パートナーを助けるために、私達はウイルスの拡散を防ぐ上でのベスト・プラクティスに必要なガイドを提供し、健康や安全に関連する付加的な備品を購入するための資金も提供します。

この困難な時期にお互いを助け合うことで、私達はかつてないほど自転車による癒やしと励まし、世界中のライダーの地域移動の需要に奉仕する力に自信を持っています。

共に、私達はこの惑星を前に漕いで(ペダルして)いきましょう。

マイク・シンヤード 創業者・CEO

個人的に上のメッセージではっとさせられたのは、この状況下で自転車に乗ること自体は、血行が良くなることで私達の基礎的な免疫力も上がるし屋外でのサイクリングは密集空間というわけではないので健康には良いことづくめだなぁと思っていたのですが、もし調子に乗って事故にあってしまったら病院の貴重なベッドがひとつ埋まってしまうことにもなりかねないのだ、ということです。

スペインやフランスでは現在、こうした理由もあり長距離のサイクリングが禁止されているようです。スペインでは他に「屋外に積極的に出ても良いのだ」という印象を人々が持たないよう、レジャー的要素が強いサイクリング活動は禁止されていると聞きました

勿論、自転車よりも自動車事故のほうが多いという意見もありますが、この時期では特に救急車に運ばれるようなライド中の怪我は避けたいものです。

さて、上で紹介したマイク・シンヤードによるメッセージ以降、自転車メーカー・パーツメーカー各社が同じようなメッセージをインスタに続々と投稿するようになりました。何かみんなマイク・シンヤードに「触発」されたかのように私には見えました。

ブロンプトンのウィリアム・バトラー=アダムズCEOもその一人。これも画像の下に大体の内容を書いてみます。

親愛なるブロンプトン・ファミリーへ

COVID-19のパンデミックが急速に進行中のさなか、皆様全員にお伝えしたいと思いました。

この未曾有の出来事のさなか、私達は弊社従業員とその家族の健康をケアすることに完全にコミットしています。短期的な健康面をケアするための予防的措置を講じることによって、また長期的な健康と生活の安定をケアするためのアクションを取ることによって。

私達のチームとサプライヤーによる情熱とコミットメントのおかげで、私達は通常通り自転車を生産しており、今後直面するに違いない挑戦に適応しながらも、今後数ヶ月はこれを続けていくつもりです。関係機関からのアドバイスに従い、私達は可能なすべての衛生上の予防的措置を工場において取り、作業員を保護しています。

私達は、そうすることが安全であり可能である地域においては、ブロンプトン・ジャンクション・ストアを世界中の他のブロンプトン小売店同様にオープンしたままにしています。さらに、そうすることが可能な国においては弊社ウェブサイトを通じた販売も継続します。そのため弊社カスタマーは生活に必要な移動においてブロンプトンを使い続けることが出来ます。私達のカスマターサービスチームは必要な時に手助けができる体制を取っています。私達はサイクリングが、大量輸送の交通手段によるリスクを避けるための実用的なソリューションを提供し、人々の身体的・精神的な健康を維持するためにも同じように重要であり、COVID-19から立ち直るための重要なものであることを信じ、自転車産業に寄り添います。

私達は状況を定期的に評価し、スタッフやカスタマーの利益のために迅速かつ効果的に行動し続けます。私達の想いはこのウイルスによって影響を受けているすべての人と共にあります。

皆様による変わらぬ支持に感謝申し上げます。

ウィル・バトラー=アダムズ, CEO

このウィル・バトラー=アダムズCEOからのメッセージですが、スペシャライズドのマイク・シンヤードCEOからのメッセージにそっくりで驚きました。英語が苦手な方でも、ビジュアルがほぼ同じであることに気付かれると思います。

いずれも社員や小売業者や消費者を気遣っていること、開いている店舗がある場合は利用可能であること、等々が述べられています。そして文章のレイアウト・パラグラフ数も類似していて、手書きの署名とフォントによる職階表記、その右側にある会社ロゴの位置まで似ています。

勿論、似ているから悪いと言いたいのでは全くありません。ただ、ブロンプトンのバトラー=アダムズCEOがスペシャライズドのシンヤードCEOによる投稿を参考にしたであろうことは想像に難くなく、その意味でマイク・シンヤードという人の発信力は今回、非常に強力なものだったのではないか、と思ったのでした。

ブロンプトンに限らず、スペシャライズドのマイク・シンヤードCEOによる上の投稿以降、本当に続々とこうしたメッセージが様々なメーカーやブランドから発信されるようになりました。でも個人的に読んでいていちばん「刺さった」のはシンヤード氏の投稿でした。

スペシャライズドによる様々な訴訟の件でマイク・シンヤードのことが嫌い、という方も多いと思いますが、それはまた別のお話。個人的にはこの人の言動には共感を持つことが多いです

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著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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