Tubus Fly Classicという軽量なリアラック(キャリア)を手に入れました。日本ではなかなか手に入りにくいのですが、海外では有名な定番製品です。
実際に使ってみて気に入ったところ、いまひとつだったところ、両方ありました。その詳細に入る前に、まず何ゆえにこのTubus Fly Classicに辿り着いたのか。「前回までのあらすじ」からお話したいと思います。
文句なしに良いTopeakのリアラック
リアラック初心者の私が最初に購入したのはTOPEAKの「スーパーツーリスト DX チューブラーラック (ディスクブレーキ対応型)」というモデルでした。下が実物の写真ですが、これは取り付けもしやすく使いやすく、入門用としては本当に良い製品だと思います。TOPEAK独自のMTXシステムにも対応していて、ラック部分は2段。これはね、普通にいいものですよ!
このラックについては下の記事で詳しく紹介してあるのでご興味のある方は是非お読み下さい。
その後、このラックを付けたままだと輪行袋に入れるのがかなり大変であることに気付いたこともあり、より小型軽量な製品を求めて同じTOPEAKの「エクスプローラー・チューブラーラック(ディスクブレーキ対応型)」を別途購入しました。86gほど軽量化でき、輪行袋に入れるのもほんの少しだけ楽になりました。
しかしもっと小さくならないものか。輪行袋に入れる時にラックを取り外すのは私には面倒です。機能的には最低限のもので良いのでより軽量コンパクトな製品はないものか…
と考え、いろいろとリサーチした結果辿り着いたのがドイツのTubus(読み方は「チューブス」や「チューバス」など様々)社のラックです。
Tubusの軽量ラックのスペック比較
Tubusの公式サイトを見ると、最軽量のモデルが「Airy」。その次に軽いのが「Fly」というものであることがわかりました。
公式 TUBUS CARRIER SYSTEMS GMBH, bicycle carriers – Tubus
これはもうフラッグシップのAiry(海外通販で14,000円くらい)行っとこう、と思ったのですが、サイズが合わなかったり、うまく取り付けできなかったらもったいないなぁ、という心配がありました。
TOPEAKのディスクブレーキ対応型ラックは私のバイクにバッチリ合ったのですが、その前に試したIberaのラックは(amazonで一番人気だったから買った)ディスクブレーキ対応のために面倒な小物が必要だったり、挙げ句に水平がうまく出ずに失敗しました。
Tubus製品は果たして自分のバイクに合うのだろうか。また、どれを買えばいいのか…というわけで気になったモデルの主なスペックを調べて表にしてみました。
モデル名 | 素材 | 重量 | 耐荷重 | リアエンド |
---|---|---|---|---|
AIRY | チタン | 360 g | 26 kg | 150 – 180 mm |
FLY CLASSIC | クロモリ | 420 g | 18 kg | 150 – 180 mm |
FLY CLASSIC EDELSTAHL |
ステンレス | 440 g | 18 kg | 150 – 180 mm |
FLY EVO | クロモリ | 460 g | 20 kg | 140 – 170 mm |
DISCO | クロモリ | 720 g | 20 kg | 150 – 180 mm |
この表を見て私はとりあえずFlyを試すことにしました。Tubusの中では定番のラックらしいですし、特に「Fly Classic」の420gという重量も魅力です。
ただ、「Fly Classic」と「Fly Evo」の違いがよくわかりません。この件は海外でもよく話題になっていて、少なくとも製品の外観写真からは全く違いがわかりません。
調べてみたところ、「Fly Evo」のほうはリアエンド部が「3D feet」という形状になっていてマッドガードを共締めする時にエンド部でクリアランスを稼げるらしいこと、Classicよりも耐荷重は2kg多いけれども重量は40g増えること、リアエンド幅上限がClassicよりも狭いことなどが判明。
「とにかく軽く、かつディスクブレーキの車体でもインストールが簡単」という私の要望に合っているのはFly Classicのほうです。これでうまく行って気に入ったら、いつか最軽量のチタン製のAiryを試してみよう、と思ったのでした。
Tubus Fly Classicの使用感
さて、ドイツのオンラインショップから取り寄せたTubus Fly Classicがこちら。フィッティングに必要なパーツは丸い筒に入っていて、ラック本体にタイラップで縛ってありました。このきちっとしたところにドイツを感じます。
実測重量は385g…と行きたいところですが、上のほうで使うモノステーを付けるのを忘れていました。ただステーの重さからすると公称重量420gは恐らく実測重量に近いものと想像します。これでもTOPEAKエクスプローラー・チューブラーラックより350gも軽量です。素晴らしい。
あとはインストールのしやすさと使用感さえ良ければ合格です。
インストールですが、リアエンド内側の幅は実測で165mm。これがですね、なんと私のバイクのキャリア用ダボ穴の間隔と寸分違わずピッタリ! そのためラックを手でひん曲げることなくボルト+ワッシャーx2個で簡単に装着できました。
上側のキャリアステーですが、ラックの水平を出すために自分でグイッと曲げる必要があります。TOPEAKの銀色のステーと一緒です。しかしこれが太いクロモリのパイプ。わりと固くて、ここだけ整形に苦労しました。
しかしセットアップで苦労したのはそこだけ。TOPEAKのキャリア同様、ディスクブレーキの車体にバッチリ簡単に取り付けできました。
ライト用の穴もあり、キャットアイのリアラックブラケットの内側の穴とピッタリです。カッコいいじゃん!
オルトリーブのようなフック式のパニアバッグも問題なく取付可能でした。ただし、レールの前後幅が短いのでバッグがなるべく後方に来るようフックの位置を調整しておく必要があります(そうしないと踵がぶつかることがありました)。
しかし、一つだけ思いがけない問題が発生しました。私はいくつかのパニアバッグを持っているのですが、上の写真のようにフックで引っ掛けるタイプのものなら問題ありません。だがしかし。
「バックパック的にも使える背負いやすいパニアバッグ」として別途用意していたBlackburnの「WAYSIDEバックパックパニア」が装着できないのでした!!
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というのもこのBlackburnのパニアバッグ、フック式ではなくベルクロ2本でレールに留めるタイプで、かつそのベルクロの幅が広いのです。そのためFly Classicでは片方がうまくかからないのです。どうやっても使えませんでした。
しかしこれはFly Classicの欠点とは言えないでしょう。BlackburnのWAYSIDEバックパックパニアが特殊なのです。定番中の定番パニアバッグであるオルトリーブは問題なく使えるので致し方ありません。
というわけでこの点だけは大きい誤算で、また先にも書いたようにオルトリーブ系のパニアバッグでもバイクのフレームサイズによってはバッグがより後方に来るようにフックの位置を調整する必要はありますが、それ以外の点では
- ディスクブレーキ車でも問題なし
- 取り付けも比較的簡単
- 見た目スッキリ
- 超軽量
と、ほぼ思い通りの結果となって満足しています。
Tubusは日本に代理店がないらしく、購入は海外通販がメインになると思いますが(私はドイツのBIKE-COMPONENTS.DEから購入)、送料込みで約66ユーロ(7,885円。本体価格は5500円くらいなので全然高くない!)と非常に買いやすい価格でした。
TOPEAKのラックにもあらためて感心
Tubus Fly Classicに感心すると同時に思ったのは「TOPEAKのラックはよく考えられていて素晴らしい」ということです。
MTXシステムに対応するための天板があるせいか重いことは重いのですが、インストールはTubusよりも簡単です。そしてレールの幅にも余裕があり、やはり使いやすい製品だと思います。
今回ご紹介したFly Classicもオススメできますが、「TOPEAK エクスプローラー・チューブラーラック(ディスクブレーキ対応型)」はサイズ感・重量・作業性・価格・入手のしやすさといった点で非常にバランスの取れた好製品だと思います(そしてより丈夫なものが欲しい方には「スーパーツーリスト DX チューブラーラック」がオススメです)。
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これからラックデビューしてみたい方のご参考になれば幸いです。
それにしても、ラック・キャリアの世界も奥が深いですね。重さなどを考慮しなければNITTOにも美しい製品がたくさんあったりします。確実に沼な予感がするので、気をつけましょう。
他にも「こんな素敵なラックがあるよ〜」といったご意見がありましたら、是非Twitterなどでお聞かせください。