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650Bと700C、グラベルはどっちが楽しい?

グラベルロードを組む時、ホイールを700C(ビード座直径622mm)にするか650B(ビード座直径584mm)にするかでちょっと悩みました。最終的に両方使うようになったのですが、どちらがどんな感じなのか、ぶっちゃけどっちが楽しいのか、しばらく乗ってみた感想を書いてみたいと思います。

結論を先に書くと「どっちも楽しい」なんですけどね!

この記事の写真はすべて3月上旬に撮影したものです

WTB Horizon 650b x 47mm

その前にいま使っているタイヤを軽くご紹介します。650Bのホイールでは最近WTB Horizon 650b x 47mmを使っています。いわゆる「ロードプラス」サイズの、舗装路向きのスリックタイヤです。タイヤ外周部は700C x 30mmと同じくらいになります。

WTB Horizon 650bx47

ホイールはMASON X HUNT 650B ADVENTURE SPORT DISC WHEELSET。もちろんチューブレス対応です(650b x 47mmタイヤは当然重くなるので、チューブドで乗ると魅力が半減するような気がします…)。

WTB Horizon 650bx47

推奨空気圧は35-55PSI(2.4-3.8 BAR)。普段100PSIくらいでロードバイクに乗っている方には驚きの低圧かもしれませんが、私も下限の2.5 BARあたりで乗っています(このタイヤは高圧で乗る理由が見つかりません)。2.5 BARと言ってもロードバイクのそれとは比較にならないほど大量の空気を入れる必要があります。

WTB Horizon 650bx47

このタイヤの前に、同じWTBのByway TCS 650bx47cを使っていました。ByWayはサイドにノブがあるので泥や深い砂利があるような道では勿論トラクションが良いのですが、このHorizonもかなり多用途に使える感じはあります。ハードパックな道なら問題なく走れる感じです(でも砂は無理)。どちらも良いタイヤですが、舗装路メインならByWayでなくても良いかも。

WTB Horizon 650bx47

WTB W010-0640 Horizon 650 x 47c Road TCS Tire, 27.5 by WTB
Wilderness Trail Bikes, Inc.
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WTB ByWay 700c x 40mm

一方、同じグラベルロードで最近使っている700Cのタイヤはこれ、WTB ByWay 700c x 40mmです。

これの前にSchwalbe G-One All Round 35Cを使っていましたが、断然このByWayのほうが楽しいタイヤです。G-One All Roundのほうが軽量で踏み出しも軽いのですが、この40mmのByWayはパワフルで豪快に回ります。あと650b x 47mmよりは踏み出しは軽いです(単純にタイヤが軽いから)。

WTB ByWay 700x40C

推奨空気圧は30-60PSI(2.1-4.1 BAR)。個人的にByWayは650Bよりも700Cのほうが楽しめるタイヤです。これは3〜3.5 BARくらいが好みです(こういうのは体重によるので他人の数字を参考にするより自分の感覚を頼りにアジャストするのが大事です)。

WTB ByWay 700x40C

ホイールはFulcrum Racing 3 DB。これまた素晴らしいホイールで、文句の付けようのない最高の組み合わせです(ちょっと脱線すると、このホイール名作じゃないかと思います。悪いところが見当たりません。ちょっと高めだけど)。

WTB ByWay 700x40C

どちらも楽しい。でも傾向がまったく違う

さて、グラベルライドで650Bと700Cはどちらが楽しいか。最初に書いたようにどちらも楽しいのですが、個人的な感覚として、

  • 650Bに乗っている時はあまり「速さ」に興味が向かない
  • 700Cに乗っている時は速く走りたくなる
  • 650Bは「快適・安心・幸福」といった感じの方向。脳内神経伝達物質で言うとセロトニン。KIRIN本搾りにたとえるとピンクグレープフルーツ味
  • 700Cは「快感・刺激・興奮」といった感じの方向。脳内神経伝達物質で言うとドーパミン。KIRIN本搾りにたとえると黄色いグレープフルーツ味

という感じで、やっぱり全く傾向が違うものだなぁと感じています。

よく停車して写真を撮るようなライドが好きな方には650Bがおすすめ。バイクのコントロール自体が楽しいのはどちらかというと700C。ハンドリングがより機敏で路面情報もよく伝わります。

650Bはピンクグレフルで700Cはグレフル… やった、これは誰もが理解できる比喩だ。ピンクグレフルはリラックス系、イエローグレフルは気分上がる系、と私はよく交互に飲んでいます。これはまさに650Bと700Cの関係です。

あと走破性はどちらが劣るということはないようにも感じています。理屈の上では低圧でエアボリュームの大きい650B x 47のほうがグリップが大きく障害物をラクに超えていきそうですが、700×40くらいのタイヤでもやれること自体はそう変わらないような気がします。

※私のようなへっぽこライダーの私感です。レース志向の方はまた違った感想になるかもしれません。あと私が乗っているコースはかなり限られているのであくまで一意見として受け止めていただければ幸いです

8割くらいが林道や山道なら650Bで出かけるかもしれません。ガレ場の下りが多い場合も650Bのほうが気持ち良いはず。でも正確なコントロールで速く下っていくなら700C。舗装路でキツめのヒルクライムをして脇道へ…という時も700C、かな?

あとタイヤ性能と全く関係ない話で恐縮ですが、650B x 47mmのようなロードプラスタイヤだと電車輪行がかなり難しくなります(大きい輪行袋が必要、そして車両内でスペースを取るため)

いずれにしても700×40タイヤが入るようなワイドクリアランスのフレームに乗っている方は、一度は650bを試してみてはどうでしょうか。独特な面白さがあるのは間違いないので、試してみない手はありません。誰か友達が650Bホイールを持っていたら、一度借りてみるのがいちばん良いですね。

あとこういうホイールを貸し出しているショップさんなどがあったら素晴らしいですね。そんな素敵なお店あるんでしょうか。御存知の方、是非教えて下さいね。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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