カンパニョーロの巨大なコークスクリュー、「イル・カヴァタッピ(Il Cavatappi)」。これまでにクロームやサテン、ブロンズ等のカラーバリエーションが出ていますが、今年は新たにチタンフィニッシュが登場しました。
ところでこのコークスクリュー、ホイールのクイックリリースと意外な関係があることはご存知でしょうか。
公式 BIG THE CORKSCREW – TITANIUM VERSION
発明は苦痛から
クイックリリースがトゥリオ・カンパニョーロの発明品であることは有名です。レース中、パンクしたタイヤを交換する時にホイールのボルトを外そうとするも、かじかんだ手ではうまく作業できません。その体験がきっかけとなり、氏はテコの原理を利用したクイックリリース・レバーの着想を得たのでした。
そしてこの巨大コークスクリューは1966年、ある選手の勝利を祝おうとした時、あるいはチャンピオンやその他の人々とワインを飲もうとしていた時、ボトルを開けようとしたカンパニョーロ氏がまたしても手を怪我したことがきっかけとなって生まれた、とされています(出典。ただし若干ぼやかした書き方になっているので、真偽の程は定かでない伝説のような逸話ではあります)。
デザインは1970年代のスーパーレコードを踏襲。なお今年の新バリエーションはチタンカラーですが、本体の素材はステンレス・スチールです。色だけチタン(カンパニョーロ公式サイトを読むとチタン製と勘違いしそうな書き方なのでご注意)。
作業中にワインボトルの栓が内部で揺れないようになっており、さらにスクリューがコルクを貫通してしまって破片がワインにパラパラと落ちるのを防止できるように設計されています(あれをやらかすと取り除くのが大変です)。
しかし全長は30cmもあり、実用面ではあまり便利ではないかもしれない… のですが、インテリアやギフトアイテムとしてはなかなか良いのではないでしょうか。
このチタニウム・フィニッシュ・バージョン、既に発売されており欧州価格は209ユーロ。日本円で約26,000円ほど。正直なところ、あってもなくても困らない26,000円のモノ、というのは自分で購入する場合にどうしても優先順位が下がります。しかし贈られたら絶対に嬉しいものでもあります。
イタリア・ヴィチェンツァ製造。サイクリストの彼・彼女に何を贈ろうか悩んでいる方は候補に入れてみてはどうでしょうか。一生モノで陳腐化しないところも大きい魅力ですが、クイックリリースとリムブレーキ時代のロードレースに思いを馳せながらワインを飲むと気持ち良い時間を過ごせそうです。
合わせるならここはイタリアワインで行きたいところ。カンパニョーロの本拠があるヴェネト州のワインを探してみるのも面白いですね。