おなかに まといつく翳りは 脂肪という名の ものがたり。許されるはずもない へっぽこ自転車乗り、nadokazuです。ヒューッ!
昨年に引き続き、バーチャルでの開催となった「グランフォンド小諸2021」。昨年あれだけヒドい目に遭っているにも関わらず、今年もいちばんキツいAグループを選んでしまいました。そして案の定玉砕いたしましたので、謹んでご報告いたします。
というわけで、本日の駄文はこちら!
国内有数のバーチャル自転車イベントが、さらなるバージョンアップ!
「GRANFONDO KOMORO feat. Long Rider Stories! Enjoy Ride 2021」。それはべらぼうな獲得標高を強いるリアル自転車イベント「グランフォンド小諸」の過酷さを、そのままバーチャル世界に持ち込んで、数多くのサイクリスト(n=1)を絶望に追いやる地獄のバーチャル自転車イベントです。
参加人数はかなりの規模で、もはや国内有数の実績があると言って全然差し支えないレベル。昨年、今年と連続してバーチャルでの開催になったということもあってか、参加してみて去年よりグッとバージョンアップしている印象を受けました。
昨年度はこんな感じ。
たとえば、今年はイベントの前に「VR.GFK feat.LRS Enjoy Ride回復アイテム 小諸補給食」の通販が行われています。これはひとことで言ってしまえば、小諸特産品の詰め合わせ。とはいえ自転車走行時の補給食に適したアイテムもバッチリインストール済みで、「わかってらっしゃる!」と感心することしきり。
VR.GFK feat.LRS Enjoy Ride回復アイテム 小諸補給食 https://t.co/CjuShBLXzl
小諸の補給食回復アイテムを3種類ご用意!
SR/SSR/UR 補給食からお選びください!#GFK2021
※URアイテムは完売しました。
小諸の観光支援、小諸のサイクルツーリズム振興のための商品です。 pic.twitter.com/OeXqHrYWnR— グランフォンドKOMORO 長野県小諸市 (@gfkomoro) July 1, 2021
そしてこの「回復アイテム」は価格別に「SR」「SSR」「UR」というソシャゲ感ありまくりの種別になっていて、レアリティに連動して内容がグレードアップ。自分も注文しましたが、かなり充実した詰め込み具合だと感じました(到着直後に食べ尽くして、イベント当日は何も残ってなかった模様)。
私はぜんぜん詳しくないのですが、最近無双している「競走馬擬人化ゲーム」に代表されるソーシャルゲームでは、レアリティの高いカードほど能力が高く、ゲームを優位に進められます。そして、当然レアリティが高いほど入手が困難です。
私はちっとも詳しくないのですが、一例として「リズムアクションRPG」の例を挙げると「R:レア」「SR:スーパーレア」「SSR:ダブルスーパーレア」「UR:アルティメイト(ウルトラ)レア」の順でレアリティが高くなっていきますが、そのメインの入手方法はゲーム内通貨を消費して行う「ガチャ」。
私は本当に詳しくないのですが、ゲーム内通貨はゲームを進行することである程度手に入ります。しかしながら出現率の少ないURのカードを引こうと思うと、課金無しで手に入る程度のゲーム内通貨では圧倒的に戦闘力が不足。不思議カードを使ってリアルマネーをこれでもかと投入する必要があり、特に推しキャラの限定カードが実装されたりした日には「天井」と呼ばれる莫大な課金を行う廃人さんも少なくありません。自転車の軽量パーツ同様に、深い深い沼が待ち受ける世界です。
ほかにもイベント前日に「回復アイテム」購入者限定の動画配信(声優の東城咲耶子さん出演)もあったりして、泊まりで楽しむリアルイベントのような「前日も楽しめる」演出がなされています。
そして開催当日のライブ配信も、2回目だけに演出や内容が随分こなれてきた印象。薬師館特設スタジオからの生トークのほか、昨年同様の小諸観光案内、それにAACRやツール・ド・おきなわといった、他の自転車イベントのVTRなど内容盛りだくさん。長時間の配信でしたが、飽きずに楽しめました。
配信冒頭から小諸市長(ルビで「えらいひと」)がご出演されていて、去年に引き続き好感度爆上がり。小諸市の公式ゆるキャラの中の人だったということも明らかになり、体の張りっぷりにはビックリでした。
凶悪度倍増!悪夢の走行距離アップ!
とはいえ、あのグランフォンド小諸が「楽しい」だけで終わってくれるはずがありません。前回の記事でも書いたとおり、今年度はただでさえ長い走行距離がさらに伸びています。
前回の記事。
いちばんキツいAグループは、実に161km。しかもコースは昨年と同じ「The Mega Pretzel」です。ただでさえエグい獲得標高が課せられるのに、50kmの走行距離がプラスオン。どれだけキツい体験を強いられるか、想像に難くありません。
昨年だって、ゴールできたとはいえ限界の瀬戸際。距離約1.5倍の今回は、さすがに途中で力尽きる可能性が絶大です。普通に考えたら、「やめた方がいい」という結論にしかならないでしょう。
未来予報ゼツボウ。脳内には、ダメな自分にモヤモヤしてた声が満ち溢れます。
「がっかりするんだよ! なにより自分にがっかりする! そういうの、もう嫌なの!」
けどね…ホントは なりふり構わず 頑張りたい 私が 震えてたの。
今ならきっと変われる気がするから!大好きな気持ちにもう嘘はつけない。泣いたっていいよ!追いかけるよ!
…ということで、やめておけばいいのに、Aグループにエントリー完了です!飛べーるさーよっしゃー!!
秘密兵器サドルカバー、その威力のほどは!?
後悔がないわけではないですが、ポチッてしまったものは仕方ありません。できるのは、完走を目指して準備を整えることだけです。
入念な協議の末、最大の懸念事項は「尻痛」であると検討委員会(脳内)は結論づけました。そこで対策として、究極兵器と言えるアイテム「サドルカバー」を投入。分厚いクッション材は適度な反発力もあり、絶大な効果への期待は高まるばかり。これで、もう何も怖くない…!(フラグ)
そして走行中にやっぱりお尻が痛くなったので、満を持してサドルカバーをセット。新次元の走りを、体感してみました。
さて、その威力なのですが、結論から申し上げます。
「無力」
へっぽこボディによる長時間のバーチャル走行でもたらされる尻痛の前には、分厚いクッション材もただの鋼板。無いよりはマシかもしれませんが、尻痛への影響は「微差」でしかありませんでした。
走行開始時からサドルカバーを装着しておけば、もしかして違った結果になったのかも?という可能性も微粒子レベルでは存在しますが、長時間ZWIFTによる尻痛はサドルカバーごときでは太刀打ちできるものではなかったのです。数日経ったあとでも、尻には影響が残っています。グワーッ!
161km、走ってどうだった?
さてさて、そんなこんなで瀕死状態になりながら、5本の指に入るであろう順位でゴール(※後ろから数えて)したわけですが、いやはや、この世の地獄がこんな身近にあるものだとは思いませんでした。
ZWIFTで161km走った結論は、
「実走で300km以上走ったときよりも、こっちのほうが断然ツラい!」
です。
どちらを走るか選べと言われたら、迷うことなく前者を選びます。はい。
スタート直後から置いてけぼりの完全一人旅なので、ドラフティングによる恩恵は皆無です。そして普段のZWIFTなら、1ライドあたり30km・1時間程度で終了するのが常。それが2倍の60kmを走っても、まだ100km以上残ってるってどういうことでしょう。あまりの現実に、もう心はバッキバキに折られまくりです。
それだけではありません!
徹底した省エネ走法を貫いたにもかかわらず、後半はあっさり脚力が枯渇。溜まりまくった乳酸が全開で仕事をしまくって、ズキズキと脚が痛み続けます。出せるパワーは、1倍が精々。早く終わりたくても、ちっとも前に進みません。いつにも増してノロく感じる!クソッタレが!セカンダリータービン止まってんじゃねーのか!!
脚と尻から絶え間なく届きまくる痛覚の信号に耐えて走る、拷問のような時間が延々と続きます。そして、死ぬ思いで「The Mega Pretzel」の規定ルート(110km)を走ったあとが、「これからが ほんとうの地獄だ…」でした。
残りはメガプレのコースをもう一周…と思いきや、そうではなく「Hilly Route(9.7km)」を、逆回りに繰り返し走り続けさせられる、という展開。
アップダウンが連続していて、休憩ポイントが皆無です。110km走ったあとの最強に弱まった脚が、これでもかと痛めつけられます。しかも同じコースを周回し続けるので、景色的にも飽きまくり。もはや走行ではなく、単なる脚の回転作業にしかなりません。
スタートから7時間半が過ぎて、小諸からの現地配信も終了してしまいました。チャット画面やTwitterに「お疲れさまー!」の声が飛び交う中、ひとりきりの悲しい旅路を続けます。寂しすぎィ!
脚の痛みが限界を超えまくりなので途中で脚を止めざるを得ず、ゴールは遠くなっていく一方。そして、あれだけ多数の参加者が、もう誰も残ってないんじゃ?という過疎った状態の中、実に寂しくゴールラインを通過して、ようやく自分の「グランフォンド小諸」が終了しました。もう、ぼくは疲れたよパトラッシュ…。
トレーナーの周囲に散らかった補給食のゴミを片付けることもせず、すぐに入浴。倒れ込むようにソファで横になりましたが、脚に激烈なダメージが残りまくりです。慌ててバンテリンを塗りたくって、攣る寸前の大腿四頭筋と下腿三頭筋をなだめすかしつつ過ごす羽目になりました。
それにしてもですよ!
Cグループを選んでおきさえすれば、声優さんとゆるいコースを走って、その後に開催された「回復ライド」でワイワイチャットしながら楽しく平坦をバーチャルライドできたんです。Aグループの自分は、死んだ目をしながら果てしない登坂を続けている真っ最中だったのに!いった何なんですか、この格差社会は!?(Aコースを選んだのお前だろ!というツッコミ不可)
想定外すぎる悲劇!走行距離「161km」の真実。
さてさて、こんな地獄の底を這いずるような思いをして、ようやく完走したグランフォンド小諸。161km走りきったことを嫁様に報告しても、スーパー塩対応で返されて涙目です。
死ぬ思いで完走したのに、誰にも褒めてはもらえない。
けれど、せめて自分で自分を褒め称えてあげましょう。161km走ったアチーブメント一覧画面では、こんなん絶対に無理!と思っていた100マイル走破のバッジ「全然余裕」がアンロックされているはず。
そしてキャプチャーをTwitterとインスタに貼って自慢して、矮小きわまりない自己承認欲求を満たすのですよ!(わたくし、最低の人間です)
ウッキウキで一覧画面を見に行くと…あれ? 「全然余裕」がアンロックされていませんよ?
コンパニオンアプリの走行距離表示は、161kmなので、これはもう明らかにバグですね。運営様には、しっかり対応していただきましょう。
メールで問い合わせを入れると、翌朝もう返信が来ていました。超速サポートありがとうございます!ZWIFTの中の方!
で、返信を要約すると
「該当イベントでのログデータによる走行距離は、160909m」
「100 mile=160934.4m なので、25.4m不足」
とのこと。
ぐにゃあ…歪む世界。目をこすってメールの文面に、もう一度目を通します。けれど、結論は変わりません。
「25.4m足りてない」
そうですか…足りなかったんですか、走行距離。そりゃアンロックされなくて当然ですよね…バグじゃなかったのか…。表示は161kmなのに、実は100マイル以下だったのか…。聞いてない…聞いてないよ、そんなこと…。
そういえば、前にもありました。解像度表示で「最高」を設定して悦に入ってたら、実はその上があることを指摘されて思いっきり恥ずかしい思いをしたことが。
まぁ、別にバッジをアンロックするために走ったわけじゃないですから、ちっとも気にはなりません。ええ、全然気にしません。だから気にしてませんってば!!
これは目汁だ! 涙ではない!!
まとめ
「GRANFONDO KOMORO feat. Long Rider Stories! Enjoy Ride 2021」は、昨年以上に完成度が高く、より楽しめるイベントでした。「専用補給食の事前通販」という試みや、事前の購入者向けライブ配信でも、着実にバージョンアップしていると感じています。当日のライブ配信を見ながら走るのも、お世辞抜きに心底楽しくて「小諸行きたい欲」がメラメラと燃え上がりまくり。関係各位様のご尽力には、心からお礼を申し上げたいです。
だがしかし!
走行距離161kmで、獲得標高2,267mのバーチャルライドは、想像を遥かに上回るトラウマ級の生き地獄。もう筆舌に尽くし難いツラさで、特に後半はペダルを回している間じゅう脚と尻に痛みを感じ続けています。これ、なんていう修行僧の荒行ですか?
Aグループのライドに参加して思い知らされたのは「自分みたいなへっぽこが脚を突っ込むのは、無謀のレベルを逸脱している世界だった」という事実。来年はリアルでの開催を期待したいところですが、ここでもう一度「グランフォンド小諸(リアル版)」のコーススペックをおさらいしてみましょう。
グランフォンド小諸 チャレンジあさま100
走行距離 | 獲得標高 | 制限時間 |
100km | 2,270m | 10時間 |
※グランフォンド小諸公式サイトより引用
うわぁ…(ドン引き)。走行距離が3分の2なのに、獲得標高はさらに上です。想像を絶する坂地獄であることは、もはや疑いの余地がありません。それにバーチャルなら坂の途中で力尽きても、そこでライドを終えればいいだけ。ですがリアルだと、家に逃げ帰ることすら叶わない可能性だって大いにありえます。
こんな無茶なライドを走り切れるのは、ただの「スバラシイアシノヒト〜!」だけでしょう。少なくとも、自分レベルの脚力では逆立ちしたって太刀打ちできません。
登坂ありで100km以上のライドを日常的に走っている剛脚さん以外は、キツイほうのコースでの参加はじゅうぶん以上の熟慮のうえ決定されたほうがよいです。いや、マジで。
特に未来の自分については、「ワンチャンあるっしょ!」とか根拠のない勢いだけで参加ボタンをポチらないよう、強く強く強く戒めておきたいところです。
というわけで来年の今頃は自転車イベントのリアル開催がふつうに行われる世界になってくれていることを願いつつ、パソコンを閉じたいと思います。
それではみなさま、你好!謝謝!小籠包!再見!