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Ergonのグリップ(ウィング形状)の選び方:ラインナップがわかりにくいので整理してみよう

高い振動吸収性で手が痺れず、握り心地も良いためフラットバーで愛用されているグリップと言えば、ドイツのErgon(エルゴン)。しかし同社製品には多くのバリエーションがあり、店頭で「GP? GS? ロング/ロング? サイズS/L? どれを買ったらいいかわからない…」と戸惑われる方も多いと思います。

Ergon GP2

Ergon GP2(写真・などかずさん)

この記事ではややわかりにくいErgonのグリップについて、特に人気の「ウィング形状」の製品に絞ってラインナップを整理してみます。

公式 Ergon 日本サイト
公式 Ergon 本国(ドイツ)サイト

GPシリーズ(オンロード系定番)

まずGPシリーズ。Ergonで最も歴史の長い定番のロングセラーで、クロスバイクは勿論のこと小径車・ミニベロの乗り心地を良くしたい… といった場合の最有力候補。現在GP1〜GP5までラインナップされています。普通はこの中から選ぶ方が多いです。

なおErgonのグリップにおける「サイズS/L」は「握った時のグリップの太さ」を意味します。「ロング/ショート」といった表記は、グリップの全長を意味し、ショートはハンドルバー上にグリップシフトやその他のアクセサリーがある場合に省スペースで運用できます。ここは若干わかりにくい点なので注意しましょう

それではGPシリーズ各モデルを見ていきましょう。

GP1系:バーエンドなしモデルの定番。多くのモデルでサイズS/Lがあり、ロング/ロング版、全長が短いショート版、「右側のみショート」のロング/ショート版もあります(右でグリップシフトを使いたい場合に良い)。レザー仕上げの「BioLeder」とコルク素材の「BioKork」も選べます。カーボンハンドルでの使用可否については、記載がありません。

GP2系:GP1系にショートバーエンドを付けたもの。サイズS/L。ロング/ロングまたはロング/ショートが用意されています。カーボンハンドル対応が明記されています。少しポジションを増やしたい方に。

▼ GP2についてはなどかずさんによる紹介記事もあるのでこちらも併せてご覧下さい。

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GP3系:GP2よりもバーエンドが長いタイプ。コルク素材の「BioKork」版もあります。サイズはS/L、ロング/ロングのみ。カーボンハンドル対応とされています。カーボンハンドルで安心して使いたい場合、GPシリーズではGP2/GP3の2択になります。

GP4:GP3系よりもさらにバーエンドが長いタイプ。サイズS/L、ロングのみ。本国サイトに「カーボンハンドルには対応しない」とあるので注意。

GP5:GP4よりもさらにハーエンドが長く、先端が内側に巻いています(クワガタみたいな外観)。サイズS/L、ロングのみ。カーボンハンドルには対応しません

GSシリーズ(オフロード系)

GSシリーズはクロスカントリー・マラソン・MTBツーリング・E-MTBでの利用が想定されています。振動吸収製以外に「ステアリング性能」にも重点を置いたシリーズです。後述するGAシリーズとともにオフロードライド向けのモデルです。

GS1 Evo:GP1よりもスポーティーなフォルム、GA3よりもウィングが広い。サイズはS/L、組み合わせはロング/ロングのみ。なおこのGS1は日本サイトには存在するものの、ドイツ本国サイトにはありません(ディスコンかと思われます)。

GS2:ショートバーエンド付き。サイズS/L。カーボンハンドルでの使用可否の記述なし。

GS3:全長はGS2と同じだがバーエンドが長い。サイズS/L。カーボンハンドルでの使用可否の記述なし。

GAシリーズ(オフロード系)

GA3:オールマウンテン・トレイル・E-MTB・MTBツーリング・クロスカントリー・マラソン・フィットネス向けとされています。カーボンハンドル対応。オフロードで短時間攻めた走りをしたい、かつ振動吸収製も欲しい、という場合はこれになりますね。

GCシリーズ(シティ系)

GC1系:シティバイク・E-シティバイク向け。フラットバーではなくバックスウィープ角30°~60°のハンドルに最適化されています。ワンサイズ、長さは右側ショート版もあるとのこと。コルク素材の「BioKork」もあります。カーボンハンドルでの使用可否の記述なし。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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