バッグ製品レビュー

ADEPT BARDRUM DLX:アクセス・容量・拡張性が好印象のドラム型フロントバッグ

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ADEPT(アデプト)のフロントバッグ「バードラム DLX」をしばらく使っているので、使用感をご紹介します。ハンドルバーに取り付けるドラム形状のバッグで、3気室・600Dナイロン・止水ジッパー・容量4Lというスペックの製品です。幅25cm・高さ15cm。筆者の個体は実測重量272g。定価は税込み¥4,840。

ADEPT バードラム DLX

運用には若干の慣れと工夫が必要かもしれませんが、基本的な品質も使い勝手も良く、結構気に入っているバッグです。

開口部が広いメイン荷室

まずは荷室の様子から。メイン荷室は「500mlのペットボトルを斜めにして入るか入らないか」という幅(内寸15〜16cm)で、筆者の場合はレインウェアやウィンドブレーカーで包んだ標準ズーム付きのカメラ(マイクロフォーサーズ)を入れたり、カメラを入れない時はタオル・財布・スマホ・補給食などを適当に放り込んでいます。

ADEPT バードラム DLX

内部にハードシェルはありませんが、両サイドの荷室形状がしっかりしているので、それによって型崩れしにくくなっている感じです。ある程度の柔軟性を保ちつつ型崩れも防止、という、個人的には絶妙と思える質感。また、開口部が広いのでアクセス良好。これは大きい長所です。容量も十分という印象です。

フラップは両サイドのジッパーに結ばれているコードで開閉できます。ただし止水ジッパーなので、動きは渋め。開く時は、上のタブをつまんでベリベリッと剥がしたほうが早いです(後述)。

ADEPT バードラム DLX

前パネルはジッパーで完全に塞がれているわけではなく、上側がベルクロでの固定。ライド姿勢では手前からベリベリッと向こう側にフタを開けられるので便利です。雨が入りにくい工夫がなされているのがわかりますが、完全防水ではないので、電子機器を入れる場合は内側にドライバッグを入れるなどの工夫をしたほうが良いでしょう。気密性よりもアクセス性に重きを置いている印象。

ADEPT バードラム DLX

両サイドにも荷室があります。チェーンロック・補給食・日焼け止め・小銭入れ・レンズフィルター・モバイルバッテリー等々、すぐ取り出せたら便利なものを入れておくのに向きます。幅はわりと広めです(4cmくらいある)。

ADEPT バードラム DLX

サイド荷室の外側にはメッシュポケットもあります。これが結構丈夫なメッシュです(破れやすそうな感じはない)。これはダムカードを収納するためのポケット… として活躍するのは勿論のこと、地図やチラシなどの紙類、食べ終えた補給食の袋などを入れるのに最適。ペンを入れるのも良いですね。

ADEPT バードラム DLX

メッシュポケットの深さは12cm。高さ16cmのiPhone 6s Plusを入れるとこんな風にはみ出ます。より小さいスマホを、何らかの理由で一時的に差しておきたい場合は良いでしょう(吹っ飛んで行かないように気をつけましょう)。

ADEPT バードラム DLX

運用面での工夫

さて、これはほぼ全てのドラム型ハンドルバーバッグ共通の宿命なのですが、バッグがどうやっても下に垂れてくることがあります。下の写真でわかりますが、メッシュポケットが下向きに傾いてしまっていますね。入れているものが紙類なら落ちることもないので、気にしなくとも良いのですが、私はちょっと工夫しています。

ADEPT バードラム DLX

メインフラップ両側のジッパーに結ばれているコードをグッと手前に引っ張って、ステム上に配置したレックマウントに引っ掛けています(たまたまちょうどよい長さだった…)。こうすることでバッグ全体を少し(1〜2cm)引き上げることができます。勿論、このコードをより長いものに自分で交換すれば、ステムの向こう側に引っ掛けることもできるでしょう。

ADEPT バードラム DLX

下の写真でメッシュポケットが少し上向きになったのがわかると思います。ちなみにこんなことをしなくとも私のバイクではタイヤクリアランスは確保できていますが、メッシュポケットから何か落ちるのが心配な方はこういう工夫をしても良いでしょう。

ADEPT バードラム DLX

もう1点工夫したのが、自作のドローコード。ADEPTのこのバードラムには前後にウェビングがあるので、手持ちの登山用品を流用してコードを付けました。

ADEPT バードラム DLX

これまた反対側をステム下に引っ掛けておくと、地図やお菓子、脱いだウィンドブレーカー等々、適当に挟んでおけます。旅先でもらった観光案内をチェックしながら走る時にも便利ですね。このウェビングは超ありがたい!

ADEPT バードラム DLX

コスパの良い隠れ名品

若干気になる点を挙げるとするなら、ハンドルバーに取り付けるベルトは滑りにくい素材になってはいるものの、タイトに締め上げるのはなかなかに難しく、バッグ自体が下を向いてしまうことは避けられません(ハンドルにもよるかもしれない)。馴染むまではベルトの取り外しもきつめです(そのため付けっぱなしのほうが運用はしやすいでしょう)。

また付属のヘッドチューブ固定用ベルトは長すぎるため、自分で適切な長さにカットしてから末端をライターで炙っておくと良いでしょう(筆者はこのベルトを紛失してしまいました…が、それでも問題なく運用できてはいます)。ハンドルへの固定は慣れるまで手間取るかもしれません。

価格に対する品質は納得の行くもので、デザインもスッキリしていて個人的にはかなり好み。このタイプのバッグとしてはモンベルのフロントバッグが有名ですが(筆者も使用経験あり)、ADEPTのこのバードラムは開口部が断然広いため、モノの出し入れがしやすく、ウェビングによってヒモや小型のポーチを付けられるところも優れています。隠れ良品認定。

値段もかなり安いですね。ただし流通量はあまり多くないように見えるので、欲しいなと思った方は見かけた時に買っておいたほうが良いでしょう。

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著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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