人気の登山用品ブランド、フランスのミレー(Millet)によるアンダーウェア「ドライナミック・メッシュ」の実使用レビュー記事です。登山やハイキングに限らずサイクリングでも愛用者が多いベースレイヤーで、吸汗速乾インナーの下に着ることで汗によるべたつき・蒸れ・冷えが劇的に改善されます。
こんな快適世界があったのか… と感動すること間違いなしの、異次元の製品です。ベースレイヤーのネクストレベル。
セクシーな外観には秘密が隠されていた!
特徴的なのはなんとも「セクシー」な独特すぎる外観です。網目がかなり大きいメッシュで、肌が透けて見えるというレベルではなくメッシュ穴からエリアBが飛び出してしまうほどです(エリアは日本語にすると「地区」)。
さらにこのメッシュ、網目が「広い」だけでなく、「高さ」もかなりあるのです。写真からも、嵩があること、皮膚に接触する面積がウェア全体の半分以下になろうことは容易に認識できるのではないでしょうか。皮膚との接触面積が少ないこと、そしてこの上に着るインナーウェアとの間に大きい空間が生まれることは、通気性・デッドエアーによる保温性の両方に繋がります。
接触した皮膚からは汗が毛細管現象で吸い上げられ、この上に着る吸汗速乾インナーへと伝わり、そこで効率的に蒸散する、という仕組みです。このメッシュまわりには汗が停滞しないのです。
高強度のライドでも汗で蒸れる感じがなく、べとつき感は皆無(だから「ドライ」ナミック」というのでしょう)。何時間乗っていても肌はサラサラで快適、汗冷えもしません。筆者はロングライド・自転車ツーリング・ハイキングで愛用しているのですが、もはやこれなしでの行動は考えられません。素晴らしいの一言に尽きます。
吸汗速乾インナーとの併用がマスト
一点注意したいのは、ドライナミック・メッシュは吸汗速乾インナーとの併用がほぼマストであることです。というか正確には、ドライナミック・メッシュで吸い上げた汗を拾って蒸散してくれる上のレイヤーがぴったりと上に載っていたほうが、透湿性も保温性も効果がより高くなるのは構造を考えても明らかです。
植物が水を吸い上げる「根」や「幹」がドライナミック・メッシュだとしたら、吸い上げた水を蒸散させる「葉」に相当するのが上に着るインナーである。というと伝わるでしょうか。
ドライナミック・メッシュを着ていても、上に着ているのが身体と密着しないユルユルのジャージだったりすると効果は半減。一般的なサイクル用吸汗速乾インナー(ぴったりサイズ)と併用するのがおすすめ。筆者は最近Morethanのサイクルアンダーシャツとドライナミック・メッシュを併用していますが、相性は非常に良いです(メリノウールとの組み合わせは当然良い)。
そもそもMorethanのこのアンダーシャツ自体が単体でのレビューに値するほどモノが良かったりします。構造を見ると、汗を吸い上げるメッシュの柱とそこから伝わった汗を蒸散するレイヤーの2つでできているのがわかります。このアンダーは単体でも非常に良いもので、これはこれでおすすめです。
ミレーのドライナミック・メッシュとMorethanのアンダーシャツを見比べてみましょう。ドライナミックは空間の大きいメッシュ構造、そして汗を吸い上げる機能にほぼほぼ特化した製品であることがわかります。別の言い方をすると、このMorethanのアンダーシャツのような吸汗速乾系ウェアの「ブースター」として機能するわけです。
使いはじめてすぐに「これはすごい」と体感できると思います。インナーとしてはややお高めですが、オールシーズン使える製品でもあり、値段なりの価値は十分にあります。
メンズ・ウィメンズ、3/4袖・半袖・ノースリーブ、ウィメンズはカップあり・なし等いくつかバリエーションがあります。サイズはメンズ3/4袖の場合だとS-M, L-XL, XXLの3つで、AmazonではS-Mが「M」、L-XLが「XL」、XXLが「2XL」という表記になっているようです。伸縮性はかなりあるので小さめ寄りで選んだほうが良いとは思います。