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何もついてない自転車に久々に乗ったら速すぎて大草原【シングルスピードの魅力】

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シングルスピードバイクの魅力についてのミニ記事です。ピストバイク、という言葉のほうがイメージしやすいかもしれませんが、ピスト(またはトラック)だと一般的には固定ギア仕様のドロップハンドル車を指すことが多いでしょう。私のこの自転車は、脚を止めてもクルージングできるフリー仕様。変速機のないロードバイクのようなものです。

singlespeed road bike

最近は重装備のグラベルバイクで林道サイクリングや自転車キャンプツーリングに出かけることが多かったのでした。先日から少し冷えこんできたこともあり、大きいサイクリングはしばらく休もう、などと思ったのですが、やはり乗りたくてうずうずしてきます。ふと思い立ち、ミニマリスト仕様のシングルスピードでまとまった距離を走ってみると、これが新鮮で面白い。

シングルスピード速っ!

装備品はベルとライト、最低限のパンク修理キットを入れた細身のサドルバッグのみ。サイコンはXOSS G+を付けたり付けなかったり。カメラは携帯したいのでミニマルなバックパック(Deuter Ultra Ride 6)は背負います。カギや財布もバッグに。

singlespeed road bike

低圧運用極太チューブレスに慣れているため、乗りはじめは7気圧を入れた700×25タイヤからの硬質な突き上げに微妙な不快感を覚えるのですが、ほどなく「なにこれ速っや、空気抵抗少なっ、立ち漕ぎで振り軽すぎ、タイヤ細いけど転がりすぎて止まらねー!!」と興奮します。私としては珍しく休憩もほとんどせず、ハイケイデンスで日が暮れるまで走ってしまいます。

singlespeed road bike

このバイクはスチールなので、車体自体はそれほど軽くはないのです。ベル・ライト・サイコン・サドルバッグ込みで10.6kg。変速付きのミドルクラスのカーボンロードバイクより2kgは重いのではないでしょうか。ホイールもストックのままのアロイ製、ほぼ鉄下駄。8万円くらいで買った安い完成車です。しかしこの自転車、ほんとに軽くて速い感じがするのです。

Less is more

ではこの軽さの感覚はどこからくるのか。変速用部品がないことによるフリクションロス、エネルギー損失の少なさがいちばん効いているのではないか、と個人的には感じます。Less is more(少ないことは良いことだ、少ないとは実は豊かなことである)という有名な言葉が思い出されます。

singlespeed road bike

ディレイラーが外に張り出していないことによる空気抵抗の少なさ… も、気のせいレベルかもしれませんが「体感できる空気抵抗の少なさの総和」に貢献しているとは言えるのではないでしょうか。

不便な自転車ではあります。変速ができないのはもちろん、ボトルケージ用のダボ穴もありません。アクセサリーを使えば増設自体は可能ですが、私のこの自転車はケージやカゴやラックを付けると気持ち良さが減っていくんですね。お買い物仕様にしたこともあるのですが、やはり極力何も付けないほうが楽しい。ハンドルバーバッグも、いまは付けたくない感じ。

singlespeed road bike

強風でガシャ〜ンと倒れてしまっても壊れるところがほとんどなく、丈夫。変速調整も不要。ディレイラーがなくコグも1枚なので掃除も簡単。

チェーリングは46T、フリーコグは20Tを愛用しています。追い風のサイクリングロードなどでは全然踏めなくなるくらいの軽いギア比なのですが、逆に4〜6%くらいの勾配なら登りも楽しめます。18Tや16Tも試したのですが、私にとって東京都区内で使い勝手が良いのが20T。主にどこを走るか・踏む派か回す派かで好みが変わるのでしょう。

現状の25mmタイヤを28mmにアップして、コットンのバーテープを厚いものにして振動吸収性を高くしようか… と思ったりもしたのですが、そういう方向性はオールロードやグラベルバイクに任せて、こういうバイクは多少ゴツゴツしていてもダイレクト感を楽しんだほうが良いのかもしれません。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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