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自転車旅行は計画と準備に時間がかかりすぎる。時短のコツはありますか? という質問に対する「いやちょっと待て」という意見

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海外掲示板の自転車ツーリングコミュニティで「自転車旅行は計画と準備に時間がかかりすぎるのですが、時短のコツはありますか?」という質問を見かけました。これに対するコメントがおもしろかったのでご紹介します。

パニアバッグ

一泊の自転車旅行から帰ってきたばかりなのですが、旅の計画や準備、パッキング、アンパッキングにはなんて時間を取られるのだろうと考えています。

実際に自転車に乗っている時間よりも、ルートを見つけてダウンロードしたり、宿泊所やキャンプ場を予約したり、自転車や用品のメンテナンスをしたり、パッキングなどに間違いなく多くの時間を使いました。何か時短のコツはありますでしょうか?

出典 Tell me your hacks

計画は楽しむべき旅の一部

これを読んだ時、私はすぐに「違うんだな〜!」と思いました。偉そうに上から目線でそう思ったのではなく、私自身も自転車旅行をはじめたころは同じように大変な思いをしたのですが、やがて「計画やパッキング自体も楽しい」と考え方が変わっていったのです。

しかし、まず私以外の方の意見を観察してみましょう。

時間の節約はできませんよ。1日は24時間です。あなたが言っているものはすべて自転車ツーリングの一部なのです。その上で言うと、計画の習慣には幅を持たせられると思います。食料や水、安全に関するものなど、絶対に必要なものは計画しておきましょう。最高の経験は、たぶん計画していなかったことになる、ということを覚えておきましょう

「最高の経験は、たぶん計画していなかったことになる」という部分は私もそう思いました。全く計画せずに出かける人もいるかもしれませんが(それはそれで独自の面白さはあるものの)、計画がなければ「計画外の出来事」は生まれません。

私の場合、自転車旅を計画すること自体が、実際の旅に匹敵するほどおもしろい行為に思えるようになってきました。目的地と日程、現地で何をするか、天気はどう変わりそうか、どの自転車で行くか、寝具はどれが適切か、食料は現地調達できるか、行動食は何を持っていくか、といった検討はもちろん、数日〜1週間前からパッキングをはじめ、出発直前まで最適化を繰り返す感じです。

そして出発直前まで紙に印刷した地図を眺めたりして過ごします。仮に天候の問題で旅が中止になったとしても、あそこを走ろう、あれをやろう、あそこに泊まろう、これは無理か、あれはどうだ… とその時までに空想した時間は、決して無駄ではなく楽しいもので、かつ次の旅にも活かせる経験にもなっています(計画する行為自体も貴重な経験値になる)。

船の欠航

ぐはっ、船が出ない! そんな時でも計画とパッキングに費やした時間は決して無駄とは感じられない

プランニングやパッキングに時間がかかって大変だ、苦痛だ、という感じは、少なくとも今はなくなりました。帰宅後に荷物をほどいて、濡れたテントを乾かしたり、洗濯したり食器を洗ったりというのは「はぁ〜、片付けるか…」とちょっと面倒に感じはしますけれども。

選択肢を知り、優先順位を付ける。あとは即興

次に、私がいちばん共感したコメントがこちら。これはもう私も全く同じ考え方です。

私が思うに、プランニングは楽しみの一部です。見るものは何があるだろうか、何をやれるだろうか、と予想しておくのは楽しい。しかし私の計画はそのくらいで、自分にはどんな選択肢があるのかを知り、優先順位を付けて、細かい内容は現地で埋めていくというものです。夜には翌日の選択肢を眺めて、いちばん合ったものを選びます。日中は、その日の気分やライドの成り行き、どれくらい停車して時間を過ごしたか、天気の状況によって、さらに調整します。それを繰り返します

ソーラーランタンと地図

夜、テントで翌日の走行ルートを再検討するのも楽しい時間

完全にすべてを細部まで計画してそれを遂行するというよりも、旅先でどんな選択肢があるか、なるべく外したくない活動(観光・名所見物など)は何があるかを調べておき、1日目はこれ、2日目はこれ、3日目はこれ… と、大体のプランを立てる。ほとんどの場合、思ったよりも先に進めなかったり、道が通行止めだったり、この蒸し暑さだと今日はあそこも行くのは欲張りすぎだな、とか、計画変更を余儀なくされることが多いです。

何ができうるかをあらかじめ洗い出しておいて、大きい枠のなかで現地で即興する、というのが楽しい、と私は最近感じています。皆さんはどうでしょうか。旅の組み立て、その面白さ、実際の旅が計画と違った結果どういう体験を得られたかなど、おもしろいエピソードがありましたら是非教えてくださいね。

なお具体的な「時短」のハックについても、先に紹介したリンク先でいくつか提供されてはいます。たとえば自転車旅行に関するグッズは一箇所にまとめておくとか、いつでも再出発できるように基本的に荷ほどきしない、などです(旅行以外でも使う自転車用品や充電器などは複数持っておき、旅行用バッグにはいつもそれらが入っている状態にする等)。

いつも同じ自転車とバッグで出かけるのなら、それはすごく良いハックですね。私の場合は、グラベルバイクにするのか、小径車にするのか、現地では登山もするのか、という問題があるので、いつも同じバッグにはならないのですが、旅行・キャンプ用品は一箇所にまとめておいて、用意したリストを眺めながらすぐに取り出せるようにはしています。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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