Zwiftの利用料値上げが発表されて以降、海外掲示板Redditには毎日大量の「値上げ批判」スレッドが立てられています。今後は月額契約で19.99米ドル・ユーロ、日本では2400円、オーストラリアで29.99ドルとなり、約33〜40%近い値上げになっているのではないか、という意見が見られます。
とにかくスレッドが大量にあるので、この記事ではひとつひとつの議論ではなく、本記事時点で目立っている「スレッドのタイトル(と一部の概要)」だけをピックアップして、要約しながら並べてみます。
- 7年間で最初の値上げだから不満はない
- 俺は残る:みんないなくなればレースで勝てるようになるかもしれない
- このスレの現状:「兄弟、たのむZwift解約してくれ。毎月さらに5ドル欲しがってるんだよ、兄弟。計算してみてくれ、それって40%増し以上だろう兄弟。聞いてくれ兄弟、使い続けたらサクラだぞ。解約しないと連中は学ばないぞ兄弟(ミーム画像)」
- Zwiftの値上げを擁護する(1.値上げ幅は大きくない 2.価値はまだある 3.Zwiftは社会奉仕や慈善活動ではない 4.明らかな代わりはない)
- ZwiftをキャンセルしてRouvyのイタリアのルートを試してみたらこれまで走らなかったことに腹が立つくらい良かった
- 3000ドルのスマートトレーナーを買うのはなんともないのに、Zwiftの存続を助けるためにアイス・フラペチーノを月に1杯節約するのには激怒するんだね?
- 2017年当時のZwiftの$14.99は2024年のドルに換算すると$18.99だ
- 月5ポンドの値上げ!笑うしかない。40%近い値上げじゃないか!
- 「2017年以降値上げをしたことはありません」でも2017年以降、標高マップを直していないじゃないか、だから…
- Zwiftが心配です:多くの人が解約する夏の直前に値上げするなんてビジネスセンスを疑います。冬近くにやったほうが良かったのではないでしょうか
- Zwiftはビジネス環境としては厳しいカリフォルニアを離れるべきではないか?(最低賃金や物価・家賃などが高いから)
- この値上げでZwiftを解約する人が大量に出る?
- 値上げが理由であなたは解約しますか?(アンケート。本記事時点で863票があり、429票が「はい」434票が「いいえ」でほぼ拮抗中)
- Zwiftの代わりになるものでベストは何でしょうか?
- みんな、財布で意思表明するんだ
- 解約するみんなは$1500ドルのインドアトレーナーも売ってしまうの?
- MywhooshやIndieveloをみんなで1ヶ月使うなどして、Zwiftを1ヶ月使うのをやめてみてはどうか
各スレッドを読んでみて筆者が受けた印象としては、今回の値上げを積極的に「擁護」している人は、かなり少ないです。またインフレや物価・運用費高騰などの事情を考慮したとしても、そして2017年以降にZwiftが様々な新機能を提供してきたとしても、「今回の値上げ分を正当化できるような付加価値」は、このあいだ生まれてはこなかった、という意見が多く見られます。
なお夏を直前にしたこの時期に値上げしたことについては、どのみちかなりのユーザーが夏の期間に解約するのが常なのだから、いまのうちに値上げを発表しておけば、Zwiftの再利用を考える冬になる頃にはユーザーの怒りも収まっていて、本当に使いたい人は不満を忘れて再契約するだろうという考えがあるのではないか、という意見も見られました。
Redditでのアンケートの結果がどうなるのかはわかりませんが、投票開始直後から863票になるまでの推移を眺めてきたところ、約半数のユーザーが解約を検討しているように見えます。
仮に今回の値上げ幅が33%だとした場合、4人のうち1人、25%の人が解約しても、残りの3人の値上げ分の合計によって、Zwiftにとってのトータル収益は変わらないのかもしれないですね(コスト高騰による利益減少を別として)。50%の人が辞めてしまうと、赤字になりそうです。
Zwiftが存続し続けられるかどうかは、既存のユーザーを引き止められるだけの価値を今後どれだけ新たに追加していけるかにかかっていそうです。また、競合他社にとっては北半球が冬になるまでのあいだ、どれだけ多くの新規ユーザーを獲得できるか、勝負どころ・腕の見せどころになりそうです。