いくつかの都府県では現在、不要不急の外出を自粛することが求められています(後述しますが、本記事執筆時点では散歩やジョギングは許可されています)。
こうした状況の中で、自転車には乗っていいのか。乗っていいとしたらどんな乗り方なら良いのだろう。と悩まれている方も多いと思います。
そこでひとまず現状の皆様の意識をアンケートでお聞きしてみることにしました。
外出自粛が求められている都府県のサイクリストにお聞きします。当面の自転車活動について(買物での使用等を除く)現在のあなたの意識で当てはまるものがあれば教えて下さい。
— CBN (@cbnanashi) April 8, 2020
外出自粛が求められている都府県のサイクリストにお聞きします。当面の自転車活動について(買物での使用等を除く)現在のあなたの意識で当てはまるものがあれば教えて下さい。
- 外では一切乗るべきではないと思う
- 近所のポタリングやジョギングと同程度の距離なら良い
- ソロなら普段通り乗っても構わない
- どれも当てはまらない
4月9日のお昼頃まで投票可能です。皆様のご参加をお待ちしています。
外での運動は制限されていない
大前提として、4月8日に発令された緊急事態宣言下でも散歩やジョギングは許可されています。これは健康維持のために必要な行為であると判断されたからでしょう。
だとするなら健康維持を目的としたサイクリングも許されるのではないか、と考えるのは、ある意味ごく自然なものと言えると思います。
サイクリストではない人々に与える印象
しかし安倍首相も東京都の小池都知事も、少なくともこの記事を書いている時点では、サイクリングが許されるかどうかについては言及していません。その意味は恐らく、各自、自分で考えた上で行動して下さい、ということではないかと思います。
現在の自粛要請には法的拘束力がなく、誰がどのような野外活動をしたとしても罰則があるわけではありません。そんな中でスポーツ自転車に乗って楽しそうにしている人々を見て、
なんだ、楽しそうに野外活動したって構わないのか、よし私も遊びに出かけよう! 友達呼んでサッカー! キャッチボール!
と思ってしまう人が出てくる可能性も少なからずあるでしょう。
そう考えると、健康維持のためにサイクリングに出かける場合はあまり目立たない感じにしたほうが良いのだろうか、と思ったりもするのですが、反対に、健康維持の活動であることを強調するためにきちんとしたウェアで出かけたほうが良いのではないか、というご意見もあります。
大阪府の発表を読んでみたら、運動のための外出は自粛の要請対象にあたらないとありました。だから外から見て、あの人は運動のために自転車に乗っているんだなとわかりやすい格好のほうが良いのかなと思いました。
— いんさいどあうと・あうとさいどいん (@inside_out_out) April 8, 2020
これも納得のご意見で、正解がよくわからない、なかなか難しい問題です。
自分が罹患者だった場合に伝染させるリスク
とは言え、
誰でも感染している可能性があるので、感染を広げるような結果を招いてはいけない
のは間違いないところです。ここははっきりしています。
ではサイクリングにおいてどんな場面で感染を広げてしまう場合があるのかを考えてみます。
まず輪行。個人的な意見ですが、これはまずいかなと思います。電車は現在比較的すいているかもしれませんが、人との接触機会は確実に増えます。なおかつ普段の生活圏を超えて遠い場所まで行くのですから、自分が感染者だった場合、移動中だけでなく目的地で感染を広げてしまうリスクはあるでしょう。
あとは人混み。屋外活動だからと言って人口密度が高い場所に入っていくのも良くないでしょう。
そして商店。新型コロナウィルスは近距離であれば会話や呼吸での感染の可能性も否定できないとされていますし、コンビニで不用意にものを触る等の行為も接触感染を広げる恐れがあるでしょうから、望ましくないでしょう。
輪行と飲食店に寄るのはNGかな。 https://t.co/igUNv7gClw
— marvelph (@marvelph) April 8, 2020
ライドに出かける場合でも、とにかく人との接触を避けるべきと言って良いでしょう。サイクリングに出かけることによって買物の機会が増えたり、それに伴って他人との接触機会が増えるのであれば、それはやはり問題がありそうです。
そう考えるとしっかりした補給が必要になるようなライドは、補給を持参するのでない限りあまり望ましくないのかもしれません。100km先のレストランで食事をして帰ってくる、というライドは、いまは違うのかなという気がします(※個人の意見です)。
時間帯の問題
ここまでサイクリングが他人に与えうる印象、ライドの距離、そして場所について考えてきましたが、時間帯はどうでしょう。
つい昨日のニュースですが、フランスでは日中の屋外での運動が禁止されたそうです。午前10時から夜7時までの屋外の散歩やジョギングは禁止です。運動目的のサイクリングはだいぶ前から禁止です。
参考 Coronavirus: Paris bans daytime outdoor exercise – BBC News
さて日中の運動が禁止されたかわりに19時以降の運動が(これまでと同じ制限付きで)許されることになりましたが、こうなると逆にその時間帯にジョギングをする人が集まってくる可能性が高くなるわけで、この法律はあまり良くないのではないか、という批判もよく目にします。
いずれにしても昼であれ夜であれ、多くの人が同じ時間帯に外で活動しないことが望ましいでしょうから、外出自粛要請下の現在の都府県で自転車に乗る場合も、人が多そうな時間帯を避けたほうが良いのかもしれません。
その他のリスクについて
自転車で怪我をして救急車を出動させたり、病院のベッドをひとつ埋めてしまうような結果も避けなければならないでしょう。すると場合によっては医療リソースを消費してしまうかもしれないような乗り方は、いまは特にしてはいけないということは間違いないでしょう。
ソロなら「健康を維持するための運動」扱いで良いと思う。ただ、事故起こして救急に担ぎ込まれるような事態は避けたい。医療機関に負担を掛ける上に感染リスクも高いので。 https://t.co/Yk2VikWe2O
— Hirofumi (@Hirofum59015393) April 8, 2020
また、運動強度が高すぎると免疫力が下がることがあるので感染リスクが高まります。健康維持のための運動なのに感染、という本末顛倒な結果にもなりかねません。
過度な運動は免疫力を下げるらしいので、ほどほどの距離にして、補給も店舗には寄らず、手持ちと自販機で対応しようかなと。 https://t.co/o5rH8dyw93
— Kobachi (@kozy19) April 8, 2020
いずれにしても現在は、乗るとしてもほどほどに、ということは言えそうな気がします。どうでしょうか?