海外掲示板Redditに「自転車に乗っている時、みんな何食べてるの?」というスレッドが立ち、そこで紹介されている日本の「おにぎり」が話題になっています。
これに限らず、英語圏の自転車関連ウェブサイトやフォーラムではここ数年、おにぎりを補給食としている人をよく見かけるようになりました。果たして彼らはどんなふうにおにぎりを作っているのでしょうか。
出典 What’s everyone eating on the bike? – Reddit
複雑なレシピに困惑の声も
おにぎりを紹介した方は、文章からすると英語ネイティブの方のように見えます。
俺の彼女は海藻に包まれたライスボールを作ってくれるんだ。中にはいろんな「詰め物」や調味料が入っているよ。(おにぎりは)素晴らしいものだから、是非試してほしい。
これに対し「サイクリングに良さそうな食べ物だね。作り方を教えてもらえないだろうか?」というレスが。するとこんな回答が。
そうだな、まず米を十分に研がなかったために(彼女から)叱られるから、それに耐えなければならない。
次に、日本語のどの文字が「水を入れる」という意味で、他のどの文字が「炊飯器スイッチオン」の意味かを解明する必要がある。
次は「英語がまったく書かれていない袋」が山ほど入っている引き出しを開けて、匂いをヒントにどれかひとつ選ぶ。ここでも(彼女に)叱られるのを覚悟することだ。何故なら君が選んだものは、正解ではないからだ。紫色のやつを選ぶといい。多分な。
次は冷蔵庫を開けて、何か小さい漬物を取り出す。通常、それは茶色をしている。
炊飯器から歌が聞こえはじめたら、米を取り出して器に入れ、紫色のやつと混ぜる。
茶色のやつを手づかみいっぱいの米の真ん中に配置する。
これを海藻で包むのだが、今ではそれが「nori」と呼ばれるものだということを俺は知っている。
ここでまた叱られるから、耐える必要がある。何故なら君が作ったのはボールの形をしており、ハートっぽい形ではないからだ。おにぎりがハートの形をしている理由は神秘的だが、覚えておくべきことは平均的な6歳の日本人であればこの時までに既に12個のおにぎりを作成できているだろうということだ。
彼女が作ってくれた2ダースのおにぎりから1つ持っていくといい、これは同じ原材料を使用しているのにもかかわらず、何故か君が作ったものより10倍うまい。
これに対しては「自分で作るより日本人の彼女を作るほうが簡単だと思った」という絶望のコメントが寄せられていました。自宅でコメを扱う習慣がほとんどない欧米の方にとって「おにぎりの作成」は難しく、ミステリアスなものにさえ見えるようです。
一方で「俺は普通のご飯のかわりに酢飯を使い、生魚を混ぜているぜ」という猛者も。おにぎりと寿司との境界が崩壊しつつある様も見て取れます。
彼女が作ったおにぎりのほうが何故か美味い、という締めの言葉は多くの読者の心に響いたらしく、この投稿、かなりのアップボート(いいね)が付いています。
いずれにしても日本食がこんなところでも受け入れられつつあるのは嬉しいですね。海苔にしても、昨今は”nori”という単語がそのまま通じることも多いです。欧米では色が真っ黒な食材は基本的に敬遠されることが多く(例外はイカ墨)、一昔前は海苔の見た目に抵抗感を覚える方も多かったように思いますが、今では結構普通の食材になりつつあるようです。
ところで上のレシピにある「紫色のやつ」ってなんでしょうね。「ゆかり」(赤しそのふりかけ)でしょうか。また「茶色のやつ」は梅干しではないかと思われます。しそ+梅干し+海苔ラッピングとは、なかなか丁寧で豪華おにぎりです。