チューブレスレディタイヤに入れるシーラントの適量はどのくらいなのか? メーカー各社が公開しているデータをまとめて観察してみましょう。対象ブランドはStans, Schwalbe, WTB, Finish Lineの4つです。
Stan’s
まず最定番のStan’sから。同社には通常版の「Stan’s Tire Sealant」とレース用の「Stan’s Race Sealant」の2種類のシーラントが用意されています。以下はStan’sのFAQにある推奨シーラント量です。
推奨シーラント量 | |
XC 29er (2.0-2.2”) | 89-118ml |
ロード・シクロクロス | 60ml |
下はレース版「Stan’s Race Sealant」の推奨シーラント量。製品写真の裏側に記載されている数字を拾ってみました。
推奨シーラント量 | |
23-60mm | 60-90ml |
63-100mm | 90-120ml |
どちらの製品も観察してみると推奨量は同じであるように見えます。23mmロードタイヤでも最小で60ml(実際のところ皆さんどのくらい入れているかと言うと…)。2インチの29erタイヤなら90mlから、という感じです。これを見て私はPanaracer GravelKing 700x43mmに80mlのシーラントを入れています。自分のタイヤサイズに合わせて加減しましょう。
なおレース版はパンク穴を塞ぐ粒子が大きいため、注射器での注入はNGでタイヤサイドから入れる必要があります(バルブが詰まるため)。また乾燥しやすいらしく2〜3週間おきのチェックが推奨されています(保管時は除去する)。
Schwalbe
次にSchwalbe(シュワルベ)の「Doc Blue」シーラントの推奨使用量です。これはStan’sのOEM製品と言われており、ボトル裏には次のような数字があります。
推奨シーラント量 | |
30mmレーシングタイヤ | 60ml |
「30mmレーシングタイヤに60ml」としか書かれていませんが、恐らくStan’sの「ロード・シクロクロス 60ml」に対応しているものと思われます。
私はStan’sもこのDoc Blueも使用経験がありますが、やはりどちらも同じように思えるので安く買えるほうを選んで良いと思います(大体シュワルベのほうが少し高いです)。
WTB
WTBがつい最近、自社ブランドのシーラントを発表しました。合成ラテックスでアンモニアフリーの製品です(参考ページ)。また同社FAQページには推奨使用量が掲載されています。
タイヤ幅 | 最小シーラント量 | |
ドロップバー | 25 – 40mm | 100ml |
ドロップバー | 41 – 52mm | 125ml |
MTB | 2.0 – 2.5″ | 150ml |
MTB | 2.6 – 3.0″ | 175ml |
MTB | 3.1 – 5.0″ | 200ml |
こうやって見るとやはりStan’sよりもミニマム使用量は多目です。性質上、アンモニアを使用しないとこうなるようです。しかし皮膚アレルギーのある方や環境にとってはメリットの大きい製品です。
Finish Line
最後はFinish Line製品を見ていきます。以下は「Tubeless Tire Sealant」の推奨使用量です(ml表示は液体オンスから変換した近似値)。
推奨シーラント量 | |
ロード | 88.7ml (3oz) |
シクロクロス・グラベル | 118.3ml (4oz) |
26” & 27.5” | 118.3ml (4oz) |
29” | 147.9ml (5oz) |
プラスタイヤ | 177.4ml (6oz) |
ファットタイヤ | 236.6ml (8oz) |
この製品はアンニモアもラテックスも使用していないため、アレルギーのある方にも良く環境にも優しいとされています。個人的には性能面で不満があったのでもう使っていないのですが、本当であればこの方向で進化してくれたらそれに越したことはありません。CO2カートリッジを使っても問題ないとされています。水できれいに洗い流せるというメリットもあります。
下はFinish Lineの新製品「FiberLink Tubeless Sealant」の推奨使用量です。
ロード | 59.1-88.7ml (2-3oz) |
シクロクロス・グラベル・26″, 27.5″ | 88.7-118.3ml (3-4oz) |
29″ | 118.3-147.9ml (4-5oz) |
29+ (プラスタイヤ) | 147.9-177.4ml (5-6oz) |
ファットタイヤ | 207-236.6ml (7-8oz) |
こちらは「アンモニアフリー」という記載はなく、天然ラテックスを使用している製品となっています。使用量はやはりアンモニアフリー・ノンラテックス版よりも少なく済むようです。ロード用タイヤでのサイズ詳細はありませんが、Stan’sの下限60mlとほぼ同じなので、Stan’sの基準で扱っても良さそうです。
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