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タイヤ・チューブ製品レビュー

Panaracer GravelKing SS TLC スキルなしおじさんのグラベルライドを支える高品質チューブレスタイヤ

4.5

Panaracer GravelKing(グラベルキング) SS TLCのミニ使用感です。「SS」は「セミスリック」の意、「TLC」は「チューブレスコンパチブル」の意。スリックの軽快な転がりを維持しつつオフロードにも対応するチューブレス・レディ、というコンセプトのタイヤです。今回ご紹介するのは700x43mm版。ようやく本格的なグラベルで使う機会が増えてきました。

Panaracer GravelKing SS

Panaracer GravelKing SS

最初にお断りしておきますが、筆者は競技者ではありませんし、グラベルタイヤも数銘柄しか知りません。よって客観的なタイヤ比較レビューとしてではなく、一趣味人による「それってあなたの感想ですよね?」的な参考情報としてお読みいただければ幸いです。

外観とスペック

まずトレッドパターンを見てみましょう。下の写真はGravelKing SS(左)と以前使っていたWTB ByWay(右)のトレッドパターンを並べてみたものですが、転がり抵抗の低いスリックセンター、グリップしつつ土や砂を吐き出すサイドノブ、という基本構造はよく似ています。外観上はWTB ByWayのほうがオンロードでは少しだけ有利にも見えます(センターがツルツルです)。

Panaracer GravelKing SSとWTB ByWay

Panaracer GravelKing SS(700×38)とWTB ByWay(700×40)のトレッドパターン比較

上の写真はGravelKing SS 700x38mmで、そちらはチューブドで運用しているのですが、下はチューブレスで使っている700x43mm。トレッドパターンはほぼ一緒です(ショルダーの菱形のノブが2列か3列かの違い)。

Panaracer GravelKing SS

Panaracer GravelKing SS (700×43)

飛び出している「髭」もなかなか立派で、オフロードを走らない限り当分生えっぱなしになります(舗装路メインだと100km走っても全然減らない剛毛)。ちなみに実測重量は494g/500gでした。

サイド側には細い縦溝が見えます。排水・排塵の役割があるのでしょうか。「漢」なデザインのWTB ByWayに比べるとGravelKing SSは「きめ細やか」いう雰囲気です。素人目には「製造コストはこちらのほうが高いんじゃないか」と思えます(実際は知らない)。

ところで筆者が何故このGravelKing SS 700×43を買ったかというと、直近で愛用していたWTB ByWay 700×40が若干「細い」ように感じていたからです。筆者のホイールで実測するとWTB ByWay 700×40は実測38mm前後(下の写真・下側)。GravelKing SS 700×43は約44mm(写真上側)でした。

Panaracer GravelKing SSとWTB ByWayの実測サイズ

同じリムでGravelKingのほうが少し太く出た

つまり同じリムならByWayはやや細めに、GravelKing SSがやや太めに出るというという結果になりました。ちなみにホイールはFulcrum Racing 3 DBで、リム内径は19mmです。タイヤの実測幅はリム内径によって変わってくるので、ご参考まで。

WTB ByWay 40mmが「ちょっと細いのかな?」と思っていたとしても、筆者のゆるいグラベルサイクリングでは何ひとつとして問題はなかったのですが、「今のバイクにはもう少し太いタイヤも入るから、どんなものか試してみたい」という好奇心で導入したのでした。

ビード上げは難しいほうに入る

タイヤのインストール作業は、正直かなり苦戦しました。タイヤ内径がゆるめに設計されているせいかリムに乗せること自体は何の苦労もなくできるのですが、その「ゆるさ」が仇となってかビードとリムの密着性が犠牲になります。しかしこの点は「バルブコアを外してエアを注入する」という原始的な方法で難なくクリアできました(下の記事で詳しく紹介しています)。

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グラベルキングのビード上げは難しい、と感じられている方は多いようで、Twitterでも同じ感想を多くいただきました。Amazonレビューを読んでいても苦労している人のほうが多いようです。

しかし筆者の場合、バルブコアさえ外せばグラベル・MTB用ではなくロードチューブレス用のGIYO GF-94Tでも簡単にビードが上がったので「ウルトラ級の難易度」というわけでもないのかな、という感想です。こればかりはリムとの相性にもよります。

いずれにしてもWTBやシュワルベのチューブレスに比べるとビードが格段に上がりにくいのは間違いないでしょう。

品質

筆者はこの700x43mmにStan’sのシーラントを80ml注入しました。Stan’sの公式サイトによるとロードやシクロクロス(太さ不明)では60mlが、2インチ(=50.8mm)の29er XCタイヤでは89mlが推奨されているため(参考)、このタイヤなら80ml程度かな? という計算です。

シーラント注入後は短時間でエアが大きく減ることもなく、すぐに乗り出しても問題ない状態だったこと、数日経過してもエア抜けがかなり遅い点にまず感心しました。またWTBやシュワルベのタイヤでは頻繁に見られたサイドウォールからのシーランドの染み出し(カニが吹くような泡)も全く見られません。

WTB ByWayで見られたカニ泡

WTB ByWayで見られたカニ泡

これは製品の個体差や気温・外気圧をはじめとする多くの環境要因が絡む現象なので一概には何とも言えませんし、Amazonレビューを読んでいても「カニ泡が出た・すぐエア抜けした」人も確認できたので、私が現状ラッキーなだけなのかもしれませんが、もしこの個体が標準的な品質であるなら、このタイヤは相当品質が良い、と感じています。エアの減りは本当に少ない印象です。

使用感

さて、東京近郊でもメインで使ってきましたが、先日、長野県の「湯の丸高峰林道」を走った時、初めてこのタイヤのポテンシャルを実感することができました(このコースについては「長野・標高2000mのグラベルを走る【湯の丸高峰林道・地蔵峠〜車坂峠】」という記事で紹介しています)。

湯の丸高峰林道

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路面は完全ドライだったので泥やウェット時の評価はできないのですが、ハードパックでは転がりが軽いのは勿論、ブレーキング時に浮いた砂利でタイヤが滑り出しても挙動が自然でコントロールしやすかったです。技術も体力もない私を支えてくれました。グリップも十分(写真のような路面ならノブの大きいSKではなくSSで十分以上ですね)。

Panaracer GravelKing SS

Panaracer GravelKing SS

ケーシングは柔らかめ、というかしなやかな印象で、さすがに43mmあるとクッション性も良いです。下りではフロントサスが欲しくなる道でしたが、現場で適当に空気圧を落とすと振動吸収の面で大きく助けられました。

湯の丸高峰林道のグラベル

湯の丸高峰林道のグラベル

筆者はもう何年もMTBに乗っておらず、ハードテールでさえないフルリジッドのグラベルロードでこの林道の下りを楽しんでいたところ、むち打ち症になりそうなほどの路面からの突き上げを食らって焦ったのですが、さらに低圧にすることで快適にライドを続けられました。当然パンクもなし。上りではトラクションも素晴らしく、滑らずグイグイ行けます。すごい。

とにかく乗っていて楽しい。私のような日曜サイクリストからするとライド面では文句の付けようのないタイヤです。ビード上げこそ苦労しましたが、安定した空気圧といいライドフィールといい、かなり満足感は高いです。オンロードでも見た目に反して走行感は軽く、この点でも気持ち良く使えています。

▼ Panaracer GravelKingのラインナップ紹介はこちら。製品が多いので選び方のご参考にどうぞ

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著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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