先日下の記事で紹介した空気圧マネジメントシステム「Scope Atmoz」。ライド中にスイッチ1つでタイヤ空気圧を増減できるシステムで、UCIにも機材承認を受けたことで話題になりました。
しかしこの製品のデビュー日と目されたパリ=ルーベ2022では、Team DSMのバイクにその姿は確認されなかったのでした。
選手たちがまだ慣れていない?
Scope Cyclingは下のYouTube動画で製品のより詳細な外観を明らかにすると共に、Instagramにて本製品はツール・ド・フランス2022でデビューさせることに決めた、と発表しています。
2020年からScopeはTeam DSMと共に、走行中のタイヤ空気圧マネジメント・システムを開発してきました。今週のパヴェ(パリ=ルーベ)で私達はこのシステムと全体的なセットアップに自信を持てましたが、この製品のデビューはツール・ド・フランスでのパヴェにすることを決めました。
パリ=ルーベは最もカオスなレースの1つであり、ライダーは259kmの全区間で完全な集中を必要とします。そのため、ライダーはバイクと完全に一体化し、あらゆるコンポーネントを直観的にコントロールできなくてはなりません。私達はこのシステムにさらに多くの時間を費やし、自転車界でのより大きいムーブメントの一部になることを心待ちにしています。
この発表は、逆に言うと選手たちはまだこの装置を直観的に使いこなせていないということになりますね。ここぞというセクションでプリセットした数値に空気圧を変更するだけなら、操作は簡単ではないかと想像するのですが、ライダーがより細かいコントロールを必要としていたり、ハードウェア面でまだ詰めるべきところが残されているのでしょうか。
既に「市販」はされているものの納期は未定なので、サイトでの直販はUCIの認可を得るためのものだったかもしれません(商業的に入手可能なものでなければ、つまり市販されていなければ承認されないため)。
Scope Atmozの詳細映像
またScope Cycling公式サイト及び上のYouTube動画で、Atmozの姿がより明らかにされました。
ハンドルバー両脇に2つのリモートスイットがあります。恐らくフロントホイール・リアホイールに対応しているものでしょうか。スイッチには2つのボタンがあり、各々で空気圧アップ・ダウンをコントロールできるようです。ステム下に付いているのは通信用ユニットでしょう。
下のカットでは通信ユニットと思われるパーツがハンドルバー左側に固定されています。スイッチと通信ユニットは有線接続。
バルブからは2本のチューブが伸び、これがハブ回りに設置したAtmoz本体と接続されます。
重量と性能
重量も明らかになりました。300g。これはシステム全体の重量でしょうか。空気圧の増減は1秒で+/-0.5barとなっています。
- 重量:300g
- インフレーションレート:0.5 bar/秒 (7.3 psi/秒)
- デフレーションレート:0.5 bar/秒 (7.3 psi/秒)
- 最低・最大タイヤ空気圧:カスタム
- 通信:ANT+ / Bluetooth
- 充電:Micro USB
- 体重制限:なし
- 使用可能タイヤ:チューブレス(気密性のあるタイヤ)のみ
- 使用可能ホイールセット:全てのScopeホイール及びその他の28インチ・29er・700Cホイール