カメラバッグやアクセサリーで人気のArtisan&Artist(アルティザン&アーティスト)がリリースした新製品・EASY DEFENDER(イージーディフェンダー)の実使用レビューです。昨年12月にクラウドファンディングのMakuakeに登場したもので、カメラの凹凸から身体を守り、カメラ自体も外部の凹凸からある程度守ることを目的とした製品です(この記事で紹介しています)。
昨年、熱心なサイクリストでもある開発者の方からこの製品についてお知らせいただき、個人的にも欲しいと思ったのでプロジェクト開始直後に申し込みしていたものが今月届きました(嬉しいことにレビューサンプルご提供のお申し出をいただきましたが、プロジェクトを応援したかったので自腹購入)。サイクリングと登山で実際に数回使ってきたので、ファーストインプレッション的な使用感をお伝えします。
扱いに慣れは必要だが衝撃吸収力は素晴らしい
カメラをたすき掛けにしてロードバイクに乗っている方は、カメラがゴツゴツと身体に当たって痛い思いをした事はないでしょうか。特に春夏の薄いジャージにファインダーのアイカップが密着していると、振動の多い路面で「イテテテ!」ということがありますよね。あの痛み、あれは完全に消えましたよ。下の写真はイージーディフェンダーを裏側から見たところ。
バリアングルモニターの液晶側を外側にしていても画面を守ってくれる、のも良いところ。モニターを見ながら撮影することが多い時には、移動のたびにモニターを内側に隠す必要がなくなります。また、この季節ではまだ試せていませんが、身体の熱によるファインダーへの結露も抑えてくれるはずです。
使い方は、やや慣れが必要なところはあります。機構的には至ってシンプルで、ショックコードをカバー左上からレンズの下、そして右上へとぐるりと回し、カバー上の右側にあるクリップに留めるだけ。コードは慣れてくるとマッスルメモリーで付け外しできるようになりますが、ファインダーやモニターを露出させるためにはやはりひと手間あり、速写性はやや犠牲にはなります。
個人的にはクリップの位置がもう少し右方向を向いていたら、より素早く着脱できそうな気はします(カメラのサイズによるのかもしれません)。とはいえ移動時の身体への衝撃緩和力は抜群なので、ロードバイクなどでは使わない手はない製品だと思います。カメラを背中側に回した時、フリクションがあるので前側にずり落ちにくいのも想定外の長所。
底面は三脚座にネジこむだけ。これはツマミがあるのがとっても嬉しいですね。10円玉など不要です。三脚や一脚は使えなくなるわけですが、そうしたユーザーはとりあえずこの製品のスコープ外でしょう。
下の写真はカメラを横から見た図。ファインダーのアイカップが身体に当たっても痛くないのはこのように包みこんでくれるためです。ちなみに筆者が最近アウトドアでメインに使っているのはOLYMPUS E-M5 mark III。小型のマイクロフォーサーズ機で、イージーディフェンダーが対応するかどうか不明だったのですが、問題なく使えています(多くのフルサイズやAPS-C機に対応)。
私のカメラでは、イージーディフェンダーを装着したままでもカバーを90度回転させるとバッテリーの着脱ができるのも助かっています。
先にドローコードを外したり付け直す操作にはやや慣れが必要、と書きましたが、自転車での移動距離が長くない場合や、頻繁なストップ・アンド・ゴーを行いながら撮影する場合は、必ずしもコードを引っ掛けなおす必要はないことに気付きました(メーカー推奨の使い方かどうか知らないので自己責任で)。コードが外れていてもイージーディフェンダーが身体に密着していれば、ちゃんと衝撃吸収してくれます。モニターよりもEVFで撮影したほうが速写性は上がると思います。
サイクリングは勿論、登山でも活躍しています。下の写真のように、ジャケットのベンチレーション・ジッパーがちょうどカメラの背面モニターと接触することがあってこれまでややストレスを覚えていたのですが、イージーディフェンダーを使うと気にならなくなります。このようにカメラ自体を傷から守ってくれる機能もあるわけです。ハーネスのカラビナなどが当たっても大体大丈夫。
また岩や石の上にカメラを置く時は、これまで恐る恐るそっと置く必要がありました。それでも底面に傷は付いてしまうものですが、イージーディフェンダーがあると鋭利な石の上でも土の上でも、あまり気を使わずに置けるのも良いところです。モニター側を下にして地面に置くこともできます。
総評
まだ使いはじめてまもないのですが、やはり「これは助かる」というのが第一印象。特にロードバイクとの相性は抜群だと思います。これまでカメラを持ってライドに出る時は、ひとまず何らかのバッグに入れることが多かったのですが、イージーディフェンダー装着のカメラなら家を出る瞬間からたすき掛けにして行こうという気持ちになれます。それだけ撮影機会も増えます。
コードを外す、カバーを下げる、撮影後はカバーを上げてコードをクリップに引っ掛ける、という手順は、徒歩でのストリート・フォトグラフィーがメインの方にはやや煩雑に思えることもあるかもしれません。しかしロードバイクでの移動中の衝撃緩和能力を考えると、メリットは大きいと思います。山歩きやキャンプ等のアウトドア活動とも相性が良いですね。
仕上げも丁寧で、アルティザン&アーティスト製品だけあって品質は素晴らしく高いです。縫製も完璧で高級感があります。カメラ・写真好きのサイクリストの方はMakuake Storeをのぞいてみてはどうでしょうか。