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サイクリングはなぜ私を社会から追放しようとするのですか?(海外掲示板より)

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サイクリングはなぜ私を「追放者(outcast=社会システムから追放された人間・除け者)」にするのですか? という愚痴(?)系投稿を海外掲示板で見かけました。個人的にもよく考えるようになったテーマで、興味深く読みました。以下、スレ主さんの投稿です。

photo by Pavel Danilyuk

サイクリングをはじめて1年になります。ロードバイクとグラベルバイクを持っています。

今日、あまり会う機会のない義父がやって来て「君は連中の一人になったんだってね」と言いました。サイクリストのことをそう呼んでいるのです。彼は実際はかなり良い男で、攻撃的だったり意地悪だったりするような言い方はしなかったのですが、それから5分ほど自分がどれほど路上のサイクリストが好きでないか、彼の友達も同じようにサイクリストが好きではない、等々、延々と話し続けました。

私の他の家族も同様で、みんなかなり親切で普通の人間なのですが、私がサイクリングにはまっていることを妙に嫌っているように思えるのです。私はもうアルコールは飲みませんし、週に100マイル自転車で走っています。私が40マイルほどライドするのでなく、週に二晩ほどパブに行ってビールを何杯か引っ掛けていたほうが、彼らは私のことをもっと誇りにできる、そんな雰囲気なのです。

これは家族に限ったことではなく、友達や同僚も同じです。まるで私が微妙にくさい臭いを放っているかのような感じで、レーパンジャージでライド中に彼らに出くわすと微妙に軽蔑されているのを感じます。私がかなり健康的な身体をしていて、それがよく伝わるはずなのに、です。

サイクリングはスーパー・アンクール(=super un-cool, 超カッコ悪い)なのでしょうか? 以前オートバイやギターをやっていた時はみんな興味を持っていろいろ質問してきたものです。サイクリングは私を追放者にしてしまっているように感じます。ばかみたいな話です。

出典 Why Does Cycling Make Me An Outcast?

寄せられたコメントから主だったものをピックアップします。

  • 「サイクリングはスーパー・アンクールでしょうか?」って、君はサイクリングの掲示板で聞くつもりなのかい?(718いいね)
  • 他人がどう考えようとどうでもいいじゃないか。自分が楽しいと思うことをやりなよ(302いいね)
  • 彼らは高速道路で1〜2トンのピックアップ・トラックに座っている時、君が「自転車に乗る、という子供のような喜び」を経験していることに嫉妬しているんだ。また彼らはプライドが高くて、不健康で、怖がりだから自分では自転車に乗れない。そして君が何か好きなものを見つけたことに憤りを感じているんだ。無視しなさい。君のことをそんな人間なのか、と決めつけてこないような友達を見つけなさい。他のサイクリストと遊ぶといい。自分の人生を生きて、自分が優れていることを自覚して、勝利のスマイルを浮かべなさい(148いいね)
  • 不健康な人たちはサイクリストに対して憤りを覚えるものだとずっと考えてきました。クルマに乗らない限り、どこにも行けないと考えているみたいです。ですから逆に彼らを見下して溜飲を下げなさい(20いいね)
  • 自分に自信がなくてだらしない身体をしている人たちは、どんな運動をしている人でも嫌ってきます。サイクリングとはまた少し程度は違ってきますが、熱心なランナーだった頃にも同じような経験をしました。他人の心の不安定さを心配してやる時間なんか私にはありません(13いいね)
  • あなたがサイクリングだったり、他に何でも健康的なことをやっているのがイヤなんです、自分たちがやらないといけないことを見せつけられるからです。つまり、何か運動しないといけないってことをね!自分の好きなことを続けて、他人の模範となりましょう(77いいね)
  • 彼らは不健康で、健康な人を見ると自分たちが不健康であることを思い出してしまうようですね。あとクルマ脳かなと思います。スレ主さんはアメリカ人じゃないですか?(39いいね)
  • クールでないのは彼らのほうですよ。君は趣味を見つけて、体力と筋肉を培ってきた。彼らはただ座って腐っていくだけだ。彼らは君の足を引っ張ろうとしているんだ(11いいね)
  • 北米の文化は最悪に惨めだな。君の家族の中の、その人達もだよ。グループライドに参加して、君の趣味を理由に君を嫌いにならない人たちと出会いなさい(6いいね)

私もここ最近、スレ主さんと同じような体験をすることが多くなりました。つまり「サイクリングをしない・サイクリングに対する理解がない」人々から「あなた『チャリ乗り』なの? 道路で追い抜かないといけない、あの目障りな連中の仲間なの?」という応対をされるのです。

そして、それはアメリカ合衆国のレッドステート(共和党支持者が多い州)ではなく、日本の地方都市での話です。だから、世界の多くの国でこうなんだろうとも思います。また、そういう態度を取ってくる人達には確かに共通点があると思うようになりました。上のコメント欄にもあるように、不健康である・運動が嫌い・食事の内容には気を配っていない・移動はクルマだけ・他人を見下すのを娯楽にしている、というところなどです。

いい身体つきをしていて健康志向な人は、サイクリングをやっていなくてもバカにするようなことは言ってきません。

そんな連中、気にしなければいいじゃないか! という意見はまさにその通りで、私も基本はそういう人達はガン無視・絶縁という感じなのですが、同僚や親族といった身近な人間が実はこういうマインドの持ち主であった、と新たに判明する時があり、すると何か少しは説明しないといけない状況になり、疲れてしまいます。

そんなわけで私の人間嫌いはさらに加速し(自分がなぜサイクリングが好きなのかという説明は他人に対してせず、サイクリングの魅力を伝えようともしない)、遊ぶ場所もますます深い山の中になっていくのでした。

私は近所のコンビニにクルマで出かける人を見下したりしません。それはその人にとって、きっと楽しいことなのだろうと想像します。だから、100kmとか普通に自転車で走る私のことも放っておいてほしい、と思います。

最後にご参考までに”outcast”という言葉の定義を置いておきます(Wikipedia英語版より。不可触賎民、という言葉に近いニュアンスもあります)。

An outcast is someone who is rejected or cast out, as from home or from society or in some way excluded, looked down upon, or ignored. In common English speech, an outcast may be anyone who does not fit in with normal society, which can contribute to a sense of isolation.

Outcastとは家や社会から拒否されたり追放された者、または何らかの面で排除されていたり、見下されていたり、無視されている者のことを言う。一般的な英会話では、outcastは規範的な社会に適合しない人なら誰でも指すことがある。そのように言われる人の孤立感は、増すことがある。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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