バッグ製品レビュー

Grunge ハンドルバーバッグ ドラム型フロントバッグの新定番候補

4.0
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ハンドルバーに装着するタイプのドラム型のフロントバッグといえば長らく「mont-bell フロントバッグ」が定番で、私もむかし使っていました。その後フロントバッグは使わなくなったのですが、最近また使ってみたくなり物色したところ「Grunge ハンドルバーバッグ」が人気らしいので導入してみました。

Grunge ハンドルバーバッグ

かつての定番 mont-bellフロントバッグ

mont-bellフロントバッグ

その前にmont-bellフロントバッグの話を少し。もう10年以上前からある人気製品ですが、次のような短所も指摘されていました。

  • コラム・ヘッドチューブに固定するベルトが短い(これはマイナーチェンジで改善された)
  • バッグの開口部が狭い
  • 両脇の小物入れは便利だがメイン荷室が狭い
  • 上ハンが握りにくくなる
  • 品質は良いがやや重い(公称重量211g)

個人的にそれほど重いとは思っていませんでしたが、開口部の狭さとメイン荷室の容量不足、上ハン問題は気になっていました。

今回導入したGrunge ハンドルバーバッグはこれらの弱点をクリアしています。

Grunge ハンドルバーバッグは荷室が広くて軽量

まず前から見たところ。荷室は1つなので開口部が広く、荷室の広さも十分にあります。またmont-bellフロントバッグと違いジッパー数や仕切り数が減ったせいかさらに軽量です。実測で161gでした。

Grunge ハンドルバーバッグ

両サイドにはメッシュポケットがあり、ちょっとしたお菓子などを入れておけます。この部分、耐久性は高くないと思いますがないよりは全然いいです。

Grunge ハンドルバーバッグ

ストラップはベルクロ式が2本のみです。2本だけで大丈夫なのだろうか、と使う前はやや心配でしたが、固定力は十分でカメラのような重いものを入れても全く問題ありません。

内側にはアルミ生地が貼ってあります。保冷保温機能があるらしいのでドリンクを入れると便利でしょう。私にとっては不要な機能なので実際の保冷保温能力は未検証。

Grunge ハンドルバーバッグ

横から内部を見た様子。amazonのレビュー等を読むと、かなり固めのプラスティック板を仕込んだmont-bell製品とは違って底がフニャフニャで型崩れする、という意見があるのですが、何も入っていないわけではなく、ミラーレスカメラを入れても型崩れしません。

Grunge ハンドルバーバッグ

底を手で押すと凹みはしますが、フニャフニャではありません。もしかするとマイナーチェンジがあったのかもしれません。補強として入っているものが厚紙なのか薄いプラスティック板かは不明ですが、確実に何か入ってはいます。問題なく使えます。

ひとつ気をつけたいのがアウトフロントタイプのGPSマウントを使っていると荷物が取り出しにくいということ(これはどのハンドルバーバッグでも言える)。でもメッチャ困るかというとそうでもありません。ただ、写真ではREC-MOUNTを使っていますが下にライトを吊るしている人には使えないでしょう。

Grunge ハンドルバーバッグ

荷室の容量ですが、単焦点レンズ付きのミラーレスカメラを片側に寄せてみました。カメラは普段厚手の布袋に入れていますが、それ以外に鍵や財布、日焼け止めくらいは入ります。

Grunge ハンドルバーバッグ

マイクロフォーサーズなら標準ズームを装着した状態で入ると思います。ただAPS-Cだとズームレンズ付きはきついかも。一応筆者のFUJIFILM X-T20 + 18-55mmズームは、かなりギリギリで入りました(でもやめたほうがいいと思う)。

上ハンも結構握れる

このバッグの良いところは、上ハンも結構握れるところです。mont-bellのフロントバッグだと上ハンはほぼ握れないのですが、このGrunge ハンドルバーバッグの場合、

  • mont-bellよりも横幅が短い(mont-bellは25cm, Grundgeは21.5cm)
  • ベルクロをギチギチに巻くのでなく少し広めのループにすることでバッグ位置が下がり、上ハンを持った指が入ってくれる

ので、ハンドルバーバッグのわりには上ハンを活用できます。少なくともmont-bellのバッグよりはこの点はるかに優れています。これは個人的にかなり大きいアドバンテージです。

ハンドルバーバッグの新定番になりうるか

私はこのバッグ、すごく気に入りました。mont-bell製品同様、防水性はありませんが、荷室を1つ、ベルトも2本のみ、というシンプル仕様のため軽量に仕上がっています。

質感としてはmont-bell製品に劣ります。安っぽい感じはします。補強も最低限な感じです。

値段は安いです。送料込みで2,500円ほど。モンベルバッグは約4,500円です。どちらも2年ほど使えばそれなりにヘタってくると思いますが、Grungeのこのバッグの値段なら気軽に買い替えができます。

先にも書いたように高級感はないのですが、多分これを高級に仕上げると自ずと重量増につながり、値段も高くなると思います。それよりもむしろこのままのほうが製品としてバランスが取れている、と私は感じます。

新しい「ハンドルバーバッグの定番」の有力候補のひとつであるのは間違いないでしょう。「落としどころ」の良い、よく考えられたバッグです。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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