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フランスのスポーツ小売大手「デカトロン」が送料無料で290円のバックパックを売る理由

先日フランス資本の総合スポーツショップ「デカトロン」が大きい話題になりました。CBNにayuさんがQuechua バックパック ウルトラライト 10Lレビューを投稿してくださり、それをTwitterで紹介したところかなり多くの方がこのバックパックを買った模様。私も勿論、買いました。

なにしろ290円で送料無料。これなら仮に残念商品でもいいから試してみるか、という気にもなりますが、ayuさんのレビューは★★★★★。期待が高まります。果たしてモノの品質は。そしてデカトロンの狙いは何か。だって赤字に決まってるんだから。

Quechua バックパック ウルトラライト 10L

私は12月30日に注文しました。しかし年末年始ということもあったのか、発送連絡メールは1月8日。最終的にその2日後に佐川急便が配達してきました。

届いたのは立派なオリジナルロゴ入り封筒でした。SPORT FOR ALL – ALL FOR SPORT。全ての人にスポーツを。全てはスポーツのために。ラグビーみたいなスローガンです。

フランスのスポーツ小売大手「デカトロン」が送料無料で290円のバックパックを売る理由

これが注文した290円のQuechua(ケシュア)ブランドの超軽量バックパック。想像していたよりもいい雰囲気。

フランスのスポーツ小売大手「デカトロン」が送料無料で290円のバックパックを売る理由

お約束の体重測定。49g。この外袋は一体型です。

フランスのスポーツ小売大手「デカトロン」が送料無料で290円のバックパックを売る理由

開いてみます。おっ結構いい!

フランスのスポーツ小売大手「デカトロン」が送料無料で290円のバックパックを売る理由

なるほど、用途が見えた。これはいつもロードバイクで携帯しておくべき。それで「道の駅」とか帰り道のスーパーでかさばる食料を買って帰りたいと思ったら背負って帰れる。これはいい。

フランスのスポーツ小売大手「デカトロン」が送料無料で290円のバックパックを売る理由

そもそもデカトロンとは

デカトロンはフランスのスポーツ用品小売のお店です。仏名はDECATHLON。日本や英語では「デカスロン」と読まれることが多い「10種競技」(deca-というギリシャ語の接頭辞は「10」という意味)ですが、フランス語の「th」は英語のそれとは違ってもっと硬い音です。なので「デカトロン」という表記にしたのは理解できます。ただ日本人的には「デカスロン」のほうがわかりやすかったかもしれません。

同社は1976年に北フランスのリール近郊で創業。2015年現在でフランス国外に150の店舗を持っています(うち51は中国)。パリには現在10店舗くらいあります。下の写真はベルギー・ブルージュ(ブルッヘ)にあるデカトロンの店舗。でかいよね…

デカトロンはヨーロッパではかなり認知度の高いショップです。私も西欧・東欧各国で数店舗見かけました。フランス人で知らない人はほとんどいません。私が最初に目にしたデカトロンは東欧のポーランドにある店舗でした。日本のショッピングモールにあるXEBIOスポーツとかSports Authorityとかそんなイメージです。スポーツグッズの総合デパートという感じ。

フランス本国におけるデカトロンのライバル会社はGO SPORT(ゴー・スポール)が有名です。これもパリに数店舗あり知名度は高いです。

ちなみに同社が展開する「Quechua(ケシュア)」ブランドは主に登山用、「B’twin」が自転車用となっています。

中国では大連と香港、あと台湾にあります。中国語では「迪卡侬」と書き、北京語では「ディーカーノン」(díkǎnóng)と読まれます(最後の音にやや無理矢理感w)。下の看板の下側に書かれているのは「運動専業超市」。英語にすると”Sport professional supermarket”という意味です。

デカトロンとPayPayと前澤社長の共通点とは

このデカトロンによる上の290円バックパックセールは、PayPayによる100億円バラマキキャンペーンや、ZOZOの前澤友作社長による「フォロー&リツイートで100万円が当たるキャンペーン」に似ているように思いました。

私感ですが、デカトロンはこの290円のQuechuaバックパックを売ることによって、もしかすると製品原価は回収できるかもしれないが、佐川急便による配送コストまでは回収できないでしょう。つまり物販的には赤字。

しかしこのキャンペーンによって、おそらく総額で1人あたり500円のコストで、デカトロンという新ブランドの日本市場における認知度を向上させることができるとしたら?

それはものすごくコストパフォーマンスがいい。ヘンなWeb広告やTV CMを打つよりも費用対効果は高いでしょう。この500円(仮)がマーケティング費用だとしたら赤字でも何でもありません。

CBNへの投稿を見て、そのTwitterでの拡散を見て、デカトロンの存在を知っただけではなく、ユーザー登録を済ませて買ってしまった方は多いはず。しかも届いた品物は、値段からすれば結構良いもので、満足の行くショッピング体験です。

これでコンバージョン成功です。ユーザー獲得です。さらにはこうやっていろんな人がブログ記事にする。

これはうまい方法だな、と私は思いました。PayPayの100億円バラマキよりも効果があるような気がします。だってまたデカトロンのぞいてみようかな、って思いますからね。PayPayは次に使う理由がない。

デカトロンのライバルは?

デカトロン側が日本のどの会社を競合として認識しているのかは定かではありません。私としては上で書いたように、「ららぽーと」のようなショッピングモールに入っているXEBIOとかSPORTS AUTHORITYとかがターゲットなのかなと思います(リアル店舗に限っていうと)。

初手で290円のお得なバックパックを送料無料でバラまくという良手を打ったデカトロン。どんな第2、第3の手を売ってくるのか興味深いです。とりあえず何か新しいことをやる場合は、登録したメールアドレス何か発信してくるはず。どんな情報が送られてくるのかいまから楽しみです。

なお上で紹介した「Quechua バックパック ウルトラライト 10L」は現在品切れで、売っていないようです。

関連リンク WORKMAN Plus (CBN)

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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