馬鹿野郎!「『お前』は良くない」だの「#不適切な応援歌のフレーズ」だのクッソくだらない言葉狩りの言うなりになるとは何事だ!
「死球」「刺す」「憤死」「捕殺」「併殺」!野球に限らずスポーツは大なり小なり命のやり取りなのであって、うわべだけのお上品さなんて無意味なんだよ!どうやらここは、俺の体験談を通して、言いたいことも言えないこんな世の中に一石を投じる必要があるようだな・・・
どちらかというとフラットバーロード寄り
あれは俺がちょっとそこまでの街乗り用にロードではない自転車を物色していた、ある春の日のことだ。
ふるさと納税の返礼品で自転車がもらえるのか。ちょっと見てみるかな。
いろいろな自転車が並ぶ中、ART CYCLE STUDIO(アートサイクルスタジオ)のクロスバイク、F550が目に留まった。
自転車そのものとしては、実売価格45000円前後。GIANTのESCAPE R3あたりに相当する値段だ。SHIMANO CLARIS 2×8の16段変速にテクトロのキャリパーブレーキ。
どちらかというとフラットバーロード寄りの商品のようだ。細身のほぼゾンタルは好みで、わりとすぐこれに決めた。「5月頃発送」とあったが、結果的に到着は7月12日だった。まぁ急いでいたわけではないし、良しとした。
通販(今回は厳密には違うが、似たようなもん)で自転車を購入する際、私が最も心配するのはパーツと組み立ての程度である。特にホイールに大きな異常があった場合、私にはどうすることもできない。ただ今回はAzzurri Forza Elite Carbon 105のときの経験があったため、さほど悩むことはなかった。
大体の予想通り、いわゆる「8分組み」で到着。
ホイールをつけて、シートポストとサドルをつけて、ハンドルをつけて、完成。
一番手間取ったのは、厳重すぎる緩衝材を取り外すことだった。
さて、肝心のパーツと組み立ての程度であるが、とても良かった。
変速。これはフロント・リアともパーフェクト。
ブレーキはフロントがややゆるかったので、少しワイヤを引き気味にした。
ホイールのフレはなし。
アートサイクルスタジオは「メイドインジャパン」「職人による仕上げ」を売りにしているだけあり、このあたりは信頼してよさそうだ。
そして初乗りへ
そんなことがあって、おれはF550の初乗りに出かけたんだ。
すると、ある大型商業ビルの駐車場を利用して「フルクライム レーシング」というビルクライム系のイベントをやっていた。
その大会には名前は伏せるがある有名プロロードレーサーが招待されており、司会者に華々しく名前を呼ばれて紹介されているところだった。
しかし悲しいかな、我々自転車乗りにとってはプロロードレーサーはあこがれの存在だが、一般人には全く知られていない。
案の定、何も知らない通りすがりの一般人の無神経な一言がこだまする。
何も知らない通りすがりの一般人「誰www」
その瞬間、俺の上腕二頭筋が荒々しく隆起し、何も知らない通りすがりの一般人を無礼討ちにした。
馬鹿野郎!何が『「誰www』だ!有名無名にかかわらず、あるお人をご存知ないというのは、お前の無知に過ぎないのであって、笑いの対象ではないんだよ!
そんなことがあって目立ってしまい引っ込みがつかなくなった俺は、F550でそのままフルクライムに出場することになってしまった。
しかし今日の俺が乗っているのはロードバイクではない。
このままでは負けてしまう・・・
そう思った俺は瞬時にかつ本能的にインを突いた。
インの傾斜はどう考えても直登できる角度ではない。
謎のモブA「な、なにーーーっ!あいつ、フラペにスニーカーの利点を利用し右脚を左側に着き、ケンケン乗りの要領で対戦相手に体当たりを喰らわせやがったーーーっ!!」
謎のモブB「むむぅ・・・あれは世に聞く『捲嶮(けんけん)』・・・!!」
謎のモブC「知っているのか雷電!?」
嶮捲 (けんけん)
古代中国、「鉄騎競走」が行われていた時代に生み出された恐怖の暗殺術である。
その方法は、相手の横に並び、右脚を左側に着き、右脚で地面を蹴った反動で相手に体当たりを喰らわせるものである。
この技を発動するためにはカーブで相手の内側に位置するのが都合が良く、今でも陸上選手などがコース内側を走りたがるのはこれが習性として残ったものではないかという説がある。
断崖絶壁などの地形で恐るべき殺傷能力を誇り、多くの選手があかつきの空を舞い命を落としたといわれている。
またコースアウトが死に直結しにくい平坦路での鉄騎競走にも応用するため、拳での殴打、目潰し、掌底などを組み入れた亜流「邪捲」も生まれた。
邪捲はその余りの殺傷能力の高さと汎用性の高さから秘密警察の取り締まり対象となるが、「たわむれているふり」をすることで細々と現代にも残り「ジャンケン」の語源となったことはあまりにも有名である。
やがて中国が近代化し西欧から自転車が伝わると、嶮捲は本来の暗殺術から一転し、自転車乗りに未習熟な幼児などが自転車に乗車するための補助としての性格を持つようになった。
民明書房刊 『自転車と暗殺術の意外な関係』より
要点をまとめます
スペック
「好評の本格的クロモリフラットバーロードF660を、同一つスペックのまま、塗装を海外に移行したことでお求めやすい価格へとなりました。 組立ては、もちろん今まで通り自社工場でスポークからの職人手仕上げ MADE IN JAPAN のままです。」とメーカー公式楽天市場にある。
- フレーム・フロントフォーク: クロモリ
- ボトムブラケット: シマノ BB-RS500
- フロントハブ: シマノ HB-RS300
- リアハブ: FH-RS300
- スポーク: ホシ SB#14
- リム: ALEXDC19 700C
- タイヤ: 700X28Cブラック
- チェーン: シマノ CN-HG40
- ペダル: VP922A
- サドル: VL 1014
- シートピラー: SP-90 25.4
- ハンドルバー・: AL110p
- ハンドルステム: TDS347Bブラック
- コンポ: ブレーキ以外クラリス。2×8 16段変速。
- クランク: シマノFC-R2000 50/34T
- フロントディレイラー: FD-R2000
- リアディレイラー: RD-R2000
- シフト/ブレーキレバー: ST-RS200
- カセットフリー: シマノCS-HG50-8
- ブレーキ: TEKTRO R317
フレームサイズは530mm。身長168~180cmに適応するとのこと。
重量は実測12.5kg。
実売価格45000円前後のこのスペックは、「ロードバイク等を既に所持している人のセカンドバイク」「初心者の最初の一台」にジャストミートだと思う。ただし、本当の初心者の場合、自転車に詳しい家族や親しい知人の助力が得られない限り、最初の一台は実店舗で購入することをお勧めする。
走行感
とても良い。私が所有しているロードバイクはどれもF550より価格が高いが、購入後かなりの時間が経過している。F550には、自転車が新車の時だけに感じられるあの独特の心地よさが、ちゃんとある。
ペダル、クランク、BB、チェーン、スプロケ、ハブ、リム、タイヤ・・・すべてのパーツが寸分違わずかみ合って、一分のロスもなく踏力を路面に伝えていると感じさせる、あの感覚が。
太いタイヤにアップライトな姿勢、12.5kgの重量級ボディとあって速度はそれなりだし軽快さもないが、街乗りクロスバイクとしては非常に良いものである。45000円前後の価格帯でこの走行感を出しているのは立派だと思う。
パーツと組み立ての程度
今回は非常に良好であったといえる。4mmと5mmのアーレンキーが付属、それだけで組み立てが完成するお手軽さ。ブレーキや変速の調整も良くできていた。
ただ、店頭販売に比べるとトラブルにも自分で対処する必要性が高まるのは言うまでもない。初心者や手先の器用さに自信のない人は特に慎重に。
終わりに
現在、私がF550を返礼品として受け取った泉佐野市はふるさと納税から除外されており、従来通り楽天市場等で展開されているART CYCLE STUDIOのページからの購入となります。
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