シマノのリア11速コンポをWレバー(ダウンチューブレバー)で引くにはどのような方法があるでしょうか。
SL-7700で引く
まず、いま「新品で」入手可能なシマノ製Wレバーを調べてみます。するとamazonだと以下の3つだけヒットします。
- DURA-ACE SL-7700
- DURA-ACE SL-7900
- SORA SL-R400
SL-7700は9スピード。SL-7900は10スピード。SORAのSL-R400は8スピード用です。
レバーの1段ごとの移動幅が決め打ちされている「SIS」モードではどれも11スピードのリアディレイラーでは使えないので、この3つのうち「フリクション」と呼ばれる無段階式の変速モードに対応している製品を選ぶ必要があります。
すると選択肢は1つのみ。9スピード用のSL-7700。これをフリクションモードで11スピードでも使っている人が結構いるようです。
ちなみに私はSL-7800(10スピード)というWレバーを以前使っていたことがあります。これもフリクション対応品だったので、問題なく11スピードでも使えたでしょう。ただこのSL-7800は、人気が高かったのか、製造量が少なかったのかは定かでありませんが、もう売っていません。
SL-7800の後継モデルが上で紹介したSL-7900ですが、そこでフリクションが廃止されてしまったため多くのWレバー愛用者が失望しました。そんなせいもあってSL-7800が早い段階で売り切れてしまったのかもしれません。
要するにシマノには、SISであろうが、フリクションであろうが、11スピードを引くためのWレバーは、公式にはもはや存在していないのです(バーコンの話はここではひとまず除外します)。
シマノの11スピードコンポをシマノのWレバーで引きたい、と考える時、現状ではSL-7700を購入し、フリクションモードを使用するのがいちばん簡単ということになります。
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このSL-7700は当然ながらシマノ公式サイトにはもはや掲載されていません。流通はしていますが、果たしていつまで残ってくれるのか。
10スピード用のSIS・フリクション両対応のSL-7800が完全に姿を消したことを考えると、シマノは11スピードユーザーのためのWレバー選択肢としてこのSL-7700を積極的に残しているような気もします。
旧型のWレバーで引く
先日GlennGouldさんがCBNに、74デュラWレバー(7s用)のフリクションモードで11速を無事変速、というお役立ち投稿をしてくださいました。使われている製品はSL-7401という型番。氏は長らくこのレバーを10スピードで使われていたそうですが、11スピードでも問題なく使えるんですね。
今では新品では手に入りませんが、中古で安いものを見かけたら買ってみても良いですね。
ENE CICLOの11スピード用シフトレバーで引く
シマノ製にこだわらないのであれば、ENE CYCLO(ダイアコンペのブランド)から11スピード用シフトレバーが出ています。これはシマノとカンパの11スピードに対応しているだけでなく、シマノのMTB用11スピードでも使えます。フリクション専用品です。
私はいまこれを使っています。ENE CICLOのロード用11スピードレバーはDyna-Sys 11でも使えた、という記事で詳しく紹介してあるので興味のある方はあわせて是非お読みください。
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余談ですが、Twitterでいただいた情報によるとカンパの11スピードは6スピード用のフリクションWレバーでも最後まで引けるようです!
ちなみに6速時代のカンパWレバーで11速を引くと、このようになります(笑) pic.twitter.com/rFh5b3nTt0
— みやびあきら (@miyabiakira_) September 8, 2019
貴重な情報提供、ありがとうございました!
SL-7900とSL-BSR1を合体させる
ここまでは「フリクション」でシマノ11スピードを引ける製品を紹介してきました。では、11スピードリアディレイラーをインデックス(SIS)モードで引けるシマノWレバーは存在しないのでしょうか?
Wレバー(ダウンチューブレバー)としては、存在しません。しかし最初に書いたように、11スピード用のバーコン(バーエンドコントローラー)で「SL-BSR1」という製品が存在します。
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そこで裏技があるようです。これは、私は試したことはありませんが、海外でいくつかの成功事例が報告されています。
参考 Shimano Dura Ace 11s Downtube Shifter (hack)
バーコン「SL-BSR1」の中身を下のWレバー「SL-7900」(10スピード)に移植する、というハックです。
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手順としては、
- SL-BSR1から変速ユニット(樽みたいなメインの部品)を取り出す→後で使う
- SL-7900から変速ユニットを取り出す→使わない
- SL-7900のレバー裏側に、ワッシャーの可動域を制限している盛り上がっている部分があるのでそこを1.2mmほど、ファイラーやミニルーターで削る
- 作業が終わったら、次の順番でパーツを取り付けていく
- まずSL-7900の台座
- 次に台座とシフトレバーのあいだの2枚のワッシャーをSL-BSR1のものと入れ替える
- 次にシフトレバー
- 次にSL-BSR1の変速ユニットを入れる
- 最後のボルトとワッシャーはSL-7900のパーツを使う
となるようです。いちばん難しいのがWレバー裏側の盛り上がった部分を少し削るところ。
考え方としては、ここを削るとレバーが11スピードの可動域に対応できるようになるわけです。そこにバーコンの11スピードユニットを入れてやれば後は問題なくカチカチ動く、という内容。
Wレバーが好きだ、でもフリクションではなくインデックスで使いたい… という方は試してみてはどうでしょうか(※結果については勿論自己責任で)。