Tips & How-toタイヤ・チューブ

シーラントはどのくらいの頻度で注ぎ足しすべきか【補充の目安】

チューブレスタイヤに入れるシーラントですが(チューブラーで使う人も多いと思います)、いったいどのくらいの頻度で「注ぎ足し」すべきなのでしょうか。

一般にはよく「少なくとも半年に1度」を目安にするように、ということが言われると思います。「1年に1度」というのは聞きませんよね。では「入れてから半年くらい経ったシーラントはどんな状態になっているのか」を観察してみたいと思います。

Peaty’s ‎Tubeless Sealant

下の画像はMASON x HUNT 650B Adventure Sport Disc WheelsetとWTB Byway TCS 650bx47cです。このHUNTのホイールは、WTBのタイヤ付きで昨年9月末に購入しました。同社のサイトでタイヤを同時購入するとシーラントを入れてセットアップしてくれる無料オプションがあったので利用してみました。

Peaty's ‎Tubeless Sealant

タイヤが裂けているのは、この記事で紹介したようにビードを外せなかったので切断したからです。

それはさておき、HUNTの中の人によると同社が使っているシーラントはPeaty’s ‎Tubeless Sealantで、650B x 47cなら45〜50mm入れるのが普通だそうです。

このラメみたいな青いツブツブ、見た時はビックリしました(Glitterと言います)。これがパンクを塞いでくれるらしいのですが、こう見えてマイクロプラスチックではなく生分解性の素材なんだそうです。環境に優しい製品です。ベースはラテックスです。

Peaty's ‎Tubeless Sealant

この開腹手術の時点で、まだシーラントが入ってから半年経っていません。半年弱。気候やバイクの保管状況によっても変わると思いますが、このようにもう完全に乾ききっています。タイヤサイドに残っているものも、リムに残っているものも完全にパリパリでした。

Peaty's ‎Tubeless Sealant

このHUNTのホイールは、受け取り時からフロントがリアよりも空気圧の低下が大きく、その後使っているうちに安定したのですが、ここ2〜3ヶ月くらいはまた調子が悪くなり1日で1気圧ほど抜けるようになっていました。何処かに穴が空いたけれどシーラントがもうないので塞げなくなった、ということでしょうか。

Peaty's ‎Tubeless Sealant

話を戻すとこのPeaty’sのシーラント、私の使用環境では半年持ちませんでした。このホイールは輪行で山へ島へとだいぶ使いましたが、特に過酷な環境ではなかったと思います。保管はエアコンの効いた室内。

NoTubes Tire Sealant

こちらは定番のNoTubes Tire Sealantです。下の画像は入れてからどのくらい経った状態かというと、ちょうど1年くらいです。さすがに1年も経つともう何も残っていないに等しい感じですが、完全に乾ききってはいません。かなりベタベタ湿っている感じです。

NoTubes Tire Sealant

とは言えこの状態でパンクしても穴は塞がらないでしょう。白い液体がタイヤの中で動いていないと穴から吹き出してくれません。

3ヶ月に1度は様子を見たい

Peaty’sに比べるとNoTubesのほうが乾燥しにくい印象を受けますが、いずれにしても「半年に1度」というのはスパンが長すぎるのかなぁと思いました。NoTubesのほうはもしかしたら半年後でも液体が乾かずに多く残っているかもしれません。

シーラントの乾燥速度はライドの条件や頻度、気温などによって変わってくるので一概には言えませんが、東京在住で基本的には極端な気温変化のない環境で自転車に乗っている私の場合でも、3ヶ月に1度はシーラントの補充をしたほうが良さそうだと思いました。

ホイールを車体から外して振った時に「チャプチャプ」という音がすればシーラントが液体状態で残っていることがわかりますが、なるべくならビードの一部分を外してタイヤサイドから中身を観察したほうが良さそうです(ビードが外れない時はこの記事をどうぞw)。

せっかくチューブレス用のパンク修理キットを携帯していてもシーラントが残っていないと意味がありません。シーラントを入れたら3ヶ月後のカレンダーに補充予定を書き込んでおくと良さそうです。

関連 Stan’s No TubesのDART TOOLが届いた!【チューブレスパンクの救世主】

ところでNoTubesの容器には、シーラントの持続期間は2〜7ヶ月と書かれています(下の写真の赤線の部分)。

NoTubes Tire Sealant

状況により2-7ヶ月持続します。最良のパフォーマンスを得るためには3-4週間おきにシーラントをチェックして下さい。乾燥した気候および保管場所ではより頻繁な補充が必要になる場合があります。製品寿命を伸ばすには容器を固く密閉し冷暗所に保存して下さい。

2〜7ヶ月というのはだいぶ幅がありますが、あいだを取るとやはり3〜4ヶ月という感じでしょうか。

どのシーラントがいい?

どのシーラントが良いかについては過去に2回、記事を書いています。人によって好みが様々ですが、いちばん普及していてまず間違いのない選択肢は、やはりNoTubesと言って良いでしょう。

私がFINISH LINEのシーラントをやめてStan’s NoTubes に戻した理由
FINISH LINEのチューブレスタイヤシーラントは昨年夏、鳴り物入りで登場した新製品です。一般的なシーラントで使用されるラテックスを含まず、主成分のポリエチレン・グリコールにデュポン社のケブラー繊維を配合。液体状態を長く保ちつつ、高いシ...
サイクリストに一番人気のシーラントはどれ? 不動の1位はあの名品
ロードバイクでもMTBでもチューブレス系では使用がほぼ必須のシーラント。本来シーラントが不要なピュア・チューブレスタイヤでも軽度なパンクの自動補修を目的に入れる方もいますし、チューブラータイヤに入れている人も多いでしょう。

シュワルベのシーラント(Doc Blue Professional)もNoTubes製なのですが、NoTubes以外のシーラントは上級者向けという気がします。

この記事で紹介したPeaty’s ‎Tubeless Sealantも面白そうですが、日本ではほとんど流通していないようです(なおPeaty’sはMTBライダーのSteve Peatが立ち上げたブランドです。HUNTが標準シーラントとして使っていることから考えても結構評価は高そうです)。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

マスターをフォローする
CBN Blog
タイトルとURLをコピーしました