2016年、TIME社の創設者ロラン・カッタン氏の死去から数ヶ月後に同社を買収したロシニョール・グループがTIMEのカーボンフレーム事業からの撤退を含めた事業見直しを考えている、というやや心配なニュースが流れています。
出典 Rossignol envisage de restructurer, fermer ou vendre l’activité des cadres TIME
出典 Rossignol considers restructuring, closing or selling its Time Sport frame business
カーボンフレーム生産からの撤退も選択肢
報道されているのはおおむね次のような内容です。
- スキービジネス以外にもRossignol BikeやTime Sport, Felt Bicycleを所有するフランスのロシニョール・グループは、TIMEのフレーム・ビジネス及びスロヴァキアのフレーム生産工場について大きい変更を検討していると語った
- TIMEブランドでのフレーム・完成車の販売量は昨年、約半分にまで落ち込んだ
- ロシニョールがフランスメディアに伝えたところによると、その変更には「工場の縮小・閉鎖・または売却」が含まれる可能性があるという。TIMEのシューズとペダルビジネスは同社の戦略見直しオプションからは除外されている
- 「私達はいまだに高コスト問題に直面しています。今年の初頭からフレーム生産をスロヴァキアのガジャリー工場に一本化することでシナジーが発生してきたにも関わらず(※一部フレームやフォークは数年前から同工場で生産)、私達の限られた生産能力では、生産コストが低い国で製品をデザインしているハイエンド・バイク競合他社に対抗できるような価格を提供できません」と同社広報は伝えている
- 同社はガジャリー工場の閉鎖やカーボンフレーム生産からの撤退を含めた選択肢を検討する予定だという
- ロシニョール社はもうすぐ今後の戦略についてより詳細な内容を公開する予定である
- 工場の買収については2社が興味を示しているが、ロシニョールがTIMEのフレームビジネスの売却に興味があるのか、それとも工場の売却のみに興味があるのかは明らかでない
- 同社は、競合他社に倣いアジアにフレームの製造拠点を移すかどうかについては言及しなかった
- ロシニョールは2017年にFeltを買収。4〜5年以内にサイクリング関連事業での売上高を全ブランドを通じて3倍に伸ばしたいと考えていた
昔も今もロードバイクファンから絶大な支持を集めていながらも、ここ数年業績不振が囁かれていたカリスマブランド、TIME。この報道を見ると経営に黄色信号が灯っているような感じがします。
フランス及びEUでの設計・生産にこだわり続けてきたのが仇になったのでしょうか。それともロシニョール・グループの舵取りに問題があったのか。競合のビッグブランド他社が続々とグラベルバイクをリリースするなどして変化する時代に適合しようとしている中、同社からはなかなかグラベルバイクが出てこないところが少し気になっていました。LOOKは765 Gravelを出したりして頑張っているのですが…
なおTIMEは数ヶ月前にグラベル・アドベンチャー向けのペダルをリリースしています。元記事を読む限りペダルは残るようですが、ペダルだけ残っても…という感じですよね。
TIMEと言えば、つい数年前まではCBNの人気ロードバイクブランドアンケートでは1・2位を争っていました。10年くらい前はデローザがダントツの1位でしたが、一時、新城幸也選手の活躍もあってかTIMEが1位になることが増えていました。
今後の巻き返しに期待しましょう。これほどのブランドはそう簡単になくなりはしません。
ベラチスポーツでTIMEが安い
そんなTIMEのフレームですが、高性能・高品質であることには変わりがありません。海外通販ではベラチスポーツで取り扱いがあるので、チェックしてみて下さい。
過去に私がベラチスポーツから完成車を購入した際の情報を記事にしてあります。ご参考にどうぞ。